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山本太郎とホリエモン – 違ってるけど似ている – ロスジェネ世代だから感じてしまうシンパシー

山本太郎とホリエモン

大山俊輔

こんにちは。大山俊輔です。

さて、このブログを読んでる人は私がロスジェネ世代であることをご存知かもしれません。
そして、並々ならぬ想いをこの「ロスジェネ世代」という言葉に対して持っています。

平成から令和 平成を振り返って・・・・ロスジェネ経営者の逆襲

今日は、山本太郎さん、そして、堀江貴文さん(ホリエモン)という人たちについて思うことです。おそらく、両陣営を応援する人同士、時と場合によっては毛嫌いしあっているかもしれません。

特に、反原発という議論になった瞬間この2人は全く真逆の主張をしていますので、かなり犬猿の仲なのではないでしょうか。

でも、私の中ではこの2人は一つの太い共通項で繋がっています

それは、この2人が今まで「何に対して戦ってきたか」という視点で見ると繋がってきます。
その結果、細かい思想・考え方の違いを超越して、その生き方そのものを応援したくなるものがあるのです。

山本太郎とホリエモンに対して思うこと

山本太郎さんといえばロスジェネ
そして、反原発をきっかけに政界に進出し、今ではれいわ新選組という政党を立ち上げました。
設立から約3か月半で政党要件を満たし、国政政党となったのは快挙でしょう。

そして、ホリエモンといえばやはりライブドア事件
あの事件がなければ、GAFAの1つくらいは日本企業だった可能性だってあります。
そう思うと悔しい話ですが、本人はそんなの吹っ切れて、今では食からロケットまであらゆる方面で活躍されています。

山本さんはどちらかといえば、ロスジェネ、弱者救済、原発。
ホリエモンはやはりベンチャー、起業、自由。

山本さんの選挙応援に行く人たちとホリエモン祭に参加する人は思想的にもかなり異なるように見えます。

でも、多分、私と同じように起業家だけどどっちもその生き方やよし、ということで応援してる人って意外と多いんじゃないでしょうか?

では、どんなところがこの2人に共通しているのでしょうか。

① ロスジェネ世代として

山本太郎さんは1974年、そして、ホリエモンは1972年生まれです。
いわゆる、ロスジェネ世代のコアは1970年~1982年生まれ、つまり大卒で見ると1993年~2004年位までと一般的には言われています。

私は1975年生まれで大学は1998年の卒業です。

個人的には、ロスジェネ、ロスジェネと言われますが、1997年までに大学を卒業した人はそれでも何とかなっていたと思います。というのも、1995年の阪神大震災をきっかけに、それなりに日本は財政政策を行いGDP成長率もそれなりに戻していたからです。

私も大学1年から3年までの間は震災で大変でしたがその後は景気良かったですよ。
私が学生時代バイトしていた芦屋の焼肉屋も客単価1万超えはしょっちゅうでした。ちっちゃな店でしたが、日販100万超えはしょっちゅう。まじ、皆、金あるな―と思ってみてましたよ。運転下手なのにお客さんのベンツを車庫入れするのが怖かったの覚えています(笑)、

日本の名目GDP推移1994年~2019年までの名目・実質GDP成長率とGDPデフレーター

出典:https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100001/1

この表みても1994年~1997年までは実は結構成長していたのがわかりますよね。
しかし、1997年の消費増税をきっかけに経済はデフレへまっさかさま。見事に2013年までずっとデフレーターはマイナスでした。

まさに、自分が大学を卒業する前年は山一證券や北海道拓殖銀行が破綻し、同じゼミの仲間のかなりの子たちが就職できない。

こんな時代がここから2000年代前半までの数年続いたのです。

② 一度は成功者として、そして、すべてを投げ捨てて・・・

次の共通項はやはり成功者として。

ホリエモンは言うまでもありません。
あのラインの前身となるライブドアをあっという間に世界級のIT企業にまで育てました。その手腕に対して賛否両論あるかもしれませんが、会社を成長させたのは事実です。

しかも時は、ITバブルが崩壊した2000年代初頭。
橋本内閣の増税・緊縮により疲弊した日本ですが、その後、小渕内閣により日本はデフレ脱却あと一歩まで行きました。

小渕恵三首相、カブ上がれ
カブ上がれ―、こんなこともありました

しかし、小渕首相は急死。
その後、森内閣、そして、小泉内閣も初期は緊縮政策でした。

もし、ここで小渕さんの政策が続いていれば、デフレは止まり企業の就職も再開、ロスジェネ問題はなくなっていたかもしれません。そう思うと、小渕さんの早逝は今も悔やまれまる出来事です。

しかし、ホリエモンはこの日本が経済的に自滅していく時期に名乗りを上げました。

また、山本太郎さんも名乗りを上げたのは90年代~2000年代初頭。
映画『バトルロワイヤル』『釣りバカ日誌』ドラマ『ミナミの帝王』、それに、メロリンキューで一世を風靡しました。

2人とも20代で1度目の名乗りを上げているのです(山本さんは10代ですかね)。

③ 既得権益に対してのチャレンジャー(挑戦者)として

2人に共通していることは過去の成功を一度すべて捨て去って、新しいフィールドを開拓したこと

ホリエモンはライブドア事件ですべてを失いました。
もちろん、金はあるだろ、というツッコミもあるでしょうが自分が作った会社(しかもあの規模の)を捨て去らなければいけない、というのは我が子を奪われる以上の心の痛みだったと思います。おまけに牢屋行きです。普通はここで詰みます。

ですが、戻ってきてからそんなことはなんのその。

今ではWAGYU Mafia(食)からインターステラテクノロジズ(ロケット)まで幅広い分野に挑戦していますよね。

私も正直ライブドア時代の堀江さんより今のように二転三転したあとの彼のほうがずっと好感を持ちます。かつての彼なら、きっと飲食店のオーナーさんの気持ちとかわからなかったと思いますが、今は自分も当事者です。やっぱり、人は挫折したり、様々な視点を見てみる必要があるんですね。

同じことは山本さんにもいえます。
俳優として大成功を収めたにも関わらず、反原発をきっかけに政界に進出。
そして、昨年自由党を飛び出して、新しい政党、れいわ新選組を立ち上げ。

私も別にホリエモンの考え方全てに賛成してません。
あるいは、山本さんが反原発にのめり込んでた頃は、私個人的にはどちらかといえば反対側の視点で見ていました。

ですが、20代で旗揚げし、一度すべてを捨てて再度30代、40代で挑戦する。
この生き方自体とても理解できるものがあります。

なぜなら、あの時代、ロスジェネはサラリーマンの道に逃げ込めば一生自ら飼い殺しにする以外選択肢が少ない経済環境です。勝負するなら、経験値は乏しいかもしれないけど、気力も体力もあって選択肢も多い若いうちに。

そう思って、ヘボいながらも安定したサラリーを捨てて30歳で起業した自分も共感してしまうのかもしれません。

④ 異なるが似ている貨幣に対しての捉え方

最後は、全く異なる視点での2人の共通点。

実は2人共「お金」、すなわち、「貨幣」に対して独特の視点があります。

私が山本さんに注目したきっかけもまさに彼の政策のターゲットが原発問題から経済に移ったからです。ある日、たまたまYouTubeに彼の動画が出てきて金融、財政政策に関する話を聞いた時にこれはひょっとして面白いかもしれない、と思うようになりました。

というか、かなり経済を学ばれていますね。

今の世界のアンフェア、つまり、不公平の根本的な原因は貨幣発行の仕組みにあると思います。
特に、現在の信用貨幣の仕組みでは誰かが借金をしなければ基本、貨幣(ここでいう貨幣はマネーストック、中央銀行マネーではありません)は増えません。こうなると、実体経済よりマネー経済を押さえたものが資本を押さえて勝ちとなります。この辺が、ピケティも指摘していた問題点でしょう。

一方で、「借金」といえば悪いもの、返さなければいけないもの、という誤解が私たちの常識となっています。
だからこそ、国の債務を家計の債務と同一視して、未だにプライマリーバランスだったり、国債発行残高や一人あたりの借金とプロパガンダが独り歩きしてニュースで私たちの不安を煽ることがあります。

ここに横から大きな串を差し込んだのがMMT(現代貨幣理論)ではないでしょうか?
金融政策重視、いわゆる、リフレ系の方にMMTに対して否定的な方も多い印象があります。
ただ、一つ言えるのは負債の増加は貨幣の増加である(厳密には、銀行の信用創造を通じた)というこの原理原則はMMTが明確にしてくれた黄金率です。

MMTは経済の解決策を提示するのではなく、単純に負債と貨幣発行の仕組みを簿記処理を通じて明らかにしたといえるでしょう。
おそらく、簿記がわかる人なら、国、中央銀行、民間のバランスシートを並べて処理を見ればすぐに分かるくらい、シンプルなお話です。

山本さんは、今回の都知事選でも東京都として地方債を発行することを提言するそうです。
何も知らない方ですと、

「じゃあ、どうやって返すんだ」

となるでしょう。あるいは、にわかMMTの方やMMTアレルギーの方ですと、

「それが出来るのは国だけだろう」

という反論もあるでしょう。

ただ、MMTの視点で見れば一度市中で引き取られてから日銀が買い取るところまで一気通貫で見れば、これは地方政府による貨幣発行。インフレ率を除けば問題なくなります。おそらく20兆円くらいの増加はインフレ率にはほぼ影響ないでしょう。そう、地方債だって日銀が買うことが出来るようになればいいだけの話です。実際、アメリカではすでにやってますし、今じゃ日銀はETFだって買ってるんです。

地方債くらい買ってもいいでしょう(笑)。
私は個人的に企業向けに発行する債権も買っちゃうべきだと思っています。
永久債をつかったスキーム③ 民間銀行と日銀による無利子永久劣後債(永久劣後ローン)を活用したコロナショックからの日本復活計画(大山思いつきプラン)

ここを都民や日本国民が理解すれば貨幣に対しての捉え方が変わるきっかけにもなります。
そして、行き着くところ、政府紙幣など今の貨幣発行モデルの枠組みから外れた大きな話に変わる可能性もあります。

一方で、ホリエモンと言えばビットコイン。
ビットコイン自体が、貨幣の仕組みを変えることになるかは正直わかりません。

やはり、貨幣発行はある程度政府に持たせるほうがいいんじゃないかと思いますし今のマイニングの仕組みをベースとしたビットコインは長期的には通貨発行量が目減りし、デフレ圧力になります(=貨幣価値が上がる傾向)。これは、経済成長という視点で見ればよろしくありません。

ただ、通貨発行に対して新しい視点を与えてくれたことは間違いないです。

そして、ホリエモンと言えばライブドアの時価総額経営。
そして、時価総額経営といえば、当時、株式を何度と分割して株式の流動性を高めて時価総額を上げていきました。本来時価総額は会社の本源的価値そのもののはずですので、株式分割で時価総額が上がるのは変な話です。しかし、分割するごとに時価総額は上がり、そして、その株式を使って買収を重ねました。

これも、株式を擬似的な通貨としてみればある意味通貨発行権に対して一つの問題提起をしたといえなくもないでしょう。

私がこの2人に対して思うのは、この通貨に対しての新しい見方です。

方や山本太郎さんは、政府紙幣、MMTなど従来の負債を通じた貨幣発行モデルに対する気づきをと、長い視点で見て、政府紙幣などポジティブマネーの復活に対しての布石を。そして、ホリエモンはビットコインとして、自由な通貨の可能性という疑問を。

いずれにせよ、2人が共通しているのは、今のシステムに対して疑問を持っているという点です。

MEMO
MMTはについてより理解を深めたい方は、「今話題のMMTとは!? | MMT理論を経済が得意でない人でも批判も含め簡単に理解できるようわかりやすく解説!」の記事もあわせてご参照ください。
今話題のMMTとは!? | MMT理論を経済が得意でない人でも批判も含め簡単に理解できるようわかりやすく解説! 今話題のMMTとは!? | MMT理論を経済が得意でない人でも批判も含め簡単に理解できるようわかりやすく解説!

まとめ – 2人を取り持つ人がいれば手を握ると面白いかもしれない

いかがでしょう?

実は、私の周りでもホリエモンは好きだけど山本太郎は反原発だから嫌い。
あるいは、山本太郎ファンだけど、ホリエモンは守銭奴だから嫌い。

こんな意見が結構あるんです。

でも、何に対してこの2人が戦ってきているかを見れば結構共通するものがあります。
何よりも2人とも自由に、そして、自分に正直に生きてきています。時には、どっちを見てても、「う〜ん、ここは合わんなぁ」、と思うことは私も多々ありますが。ですが、変な方に寄り道しながらも、正直に試行錯誤している生き方こそが自分も目指すものであります。

なぜなら、この20年ヘボいながらも日本の衰退と戦ってきたと勝手ながら自負して、ずっと低空飛行ながらも起業家してきた自分なんかは両方の気持ちがわかっちゃうんですよね。

となると、戦っているものが一緒だったらたまには手を握ったら面白いんじゃないか。
そんな気がするんです。

では、この2人を取り持てる人とはどんな人だろう?
そんなクエスチョンが出てきます。

答えとしては、ある程度起業家やベンチャーの人の気持もわかりつつ、一方で、今本当に大変な状況に置かれている弱者の気持ちもどちらも分かる人。そして、横串として経済、特に、貨幣発行の仕組みをうまく説明できる人が間に立てば面白い気がします。

個人的にはれいわ新選組の立ち上げに参加した大西つねきさんなんかは面白い気がします。
年齢も2人よりちょっと上のバブル世代で少し大人。そして、元外資トレーダーながら、その後、零細ピザ屋さんを起業して苦労されたりしながら今の貨幣観を持つに至った方なので、両方の気持ちがわかります。

あとは、私が大物になるか(笑)。

大山俊輔

PS:2020年9月26日
その後、期待していた大西つねきさんはれいわ新撰組から除名されてしまいましたね。
とても期待していたので残念ですが、次の展開を期待します。

大西つねきさんについて 個人的に応援している大西つねきさんという人 – 本気で変える覚悟があるのはこの人しかいない