大山俊輔
コロナウィルス騒動はやっとこさWHOも緊急事態宣言を出しましたね。
今のところ、中国以外の国での感染者(在外中国人を含む)の症状が安定しているので、今後どの程度騒ぎが日本はじめ中国以外の国で大きくなるかはわかりません。
ですが、各国の対応を見ているとなかなかドライな対応です。
例えばイギリス。
【英BA 中国発着便を全便欠航】https://t.co/5ciNu7wdN0
英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は29日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により中国発着便を全便欠航すると発表。英外務省からの勧告を受けたもので、直ちに実施するとしている。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 29, 2020
あれ、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に真っ先に参加を決めたりと親中的だったイギリスのはずですが。
さすが、ブレグジットをできるだけの国です。
ですが、これはイギリスに限ったことではありません。
北米(カナダ、デルタ等)
ヨーロッパ(ルフトハンザ、ブリティッシュ等)
香港(キャセイ)
台湾(チャイナエアライン)
韓国(アシアナ)
と各国、中国行きを運休して中国の航空会社でも運休してるところあるのにJALもANAも正常さを強調してて🙃 https://t.co/Iox6FjxKd7 pic.twitter.com/LBUTLYSUlF— みやちゃん (@mi_yacat3) January 31, 2020
こんな感じでさっさと欧米アジア諸国も中国への航空便をカットしています。
こう見ると、各国とも中国に傾倒していたというよりは「金の切れ目が縁の切れ目」を地で行ってるのでしょう。
いやー。世界はドライです。
ということで、今回のエントリでは日本は「このコロナ騒動を機会に内需主導・脱外需依存型経済に戻すチャンス」なのでは、という視点で書いてみました。
・ そして自国経済に全く目を向けず、自社の利益だけ考えて消費増税と騒いでいた経団連のおじさんたち。
・ また、その流れを是として色々やってた財務省から、何もできない政権与党、そして、関係ないことばかり頑張る野党。
一旦、これらのことは置いておいてまずはコロナ騒動を使って補正予算組んじゃいませんか。そして、できれば、消費減税も。
「全部雪のせいだ」じゃなくて「全部コロナのせいだ」
これで、一気に今まで20数年間間違ってた経済政策を教科書どおりもとに戻しちゃえ。
これができれば、日本はマジ復活できますよ。
目次
世界は思ったよりドライ
今回の騒動を見ていて世界の国々はドライだなぁと思います。
ちょっと中国が可愛そうです。
今は航空機関係など人の動きを中心とした中国離れという形です。
でも、おそらく多くの国々が長期的な自国経済の中国依存について再考するのではないでしょうか。こうして、現在サプライチェーンにどっぷり組み込まれている中国企業の比率は徐々に下がっていくかもしれませんね。
そう。世界は結局の所「金の切れ目が縁の切れ目」の厳しい世界なのです。
今でこそ、「日本素晴らしい」系のテレビ番組が人気ありますが、日本だってちょっとしたことで今回の中国と同じ目にあってもおかしくありません。
結局強いのはその地で暮らす人達の消費
中国もなかなかつらいところですね。
個人的には、私は中国で今苦しまれている人々がいち早く健康になりそして終息宣言がでることを祈っています。
あまり、彼の国の独裁体制について肯定はしないですが、ことこの状況については中国政府が早く収束させることを応援しています。(一方で、せっかく盛り上がっていたウィグルや香港への世界の視線がすっかり忘れられてしまうのは心配です。)
本当の問題は日本の外需依存化です。
これは、過去20数年間かけてじわじわと進んできた傾向ですが、インバウンド消費はその代表とも言えるでしょう。(ちなみに、インバウンド消費は経済学的には輸出にあたりますので、他の製造業などの輸出と考え方は同じです)
日本だって2月1日時点で20人の方が感染されています。
なんか、大したことないなぁと思ってるかもしれませんが、外国人からすれば、
「日本旅行行くの、しばらく様子見ようかなぁ」
となったっておかしくないですよね。
実際、同じことが東日本大震災と福島の原発事故の際には起きたわけですから。
そう、日本はもともとインバウンド向けの観光資源は確かに多い国かもしれませんが、こうしたリスクを常に抱えているのでインバウンド依存には不向きな経済体質の国なのです。
もっと大事なのは国内での日本人の消費
でも、こう考えることもできます。
日本には1億3000万人もの人がいます。個人消費は減少傾向にあるとはいえ300兆円と世界有数の内需大国です。その日本で暮らす私達が毎年5%、10%と消費を増やせばいいんだって。だって、300兆円が5%増えたらこれで15兆円です。インバウンドの5兆円なんて鼻くそのような額ですよ。
皆、スクランブル交差点と銀座に集まる観光客のイメージに騙されすぎです(笑)。
実際、日本はこうして80年代にかけてこうしてアメリカに次ぐ内需大国になってたんです。外需依存度ランキングは世界184位。アメリカは202位で依存度の低さは先進国で1位ですが日本も2位なんです。(ちなみに、ドイツは61位、韓国は59位です。海外に頼りすぎですね。)
https://www.globalnote.jp/post-1614.html
それを、1997年、2014年、そして2019年の消費増税でぶっ潰して外需主導にしようとしていまいました。私はこれは、日本を外需依存にさせてしまう意図的な政策だったと思っています。
そりゃそうです。
消費に罰金をかければ国内消費が落ちちゃうんですから。そして、日本のデフレ化により、企業の外需依存が高まった結果、中国進出も進んだわけです。
その結果、経団連系の企業は消費増税に賛成するようになっちゃったわけです。もし、国内経済への依存度が高ければ、こんなアホなこと言わないですからね。
コロナ債と消費減税で一気に内需主導経済に戻すチャンス
でも、日本ってついてますよ。
20年以上かけて、中間層をぶっ潰して内需を弱めながらまだまだ運だけはいいんです。
とはいえ、今まで騒いでた人達の顔が立たないですよね。こんな人達です。
その1: 「日本が破綻する」と騒いでた方
(某国会議員でずっとこれで本売ってる人いますよね。お前はノストラダムスか!と突っ込みたくなりますが)実はそれが間違ってる妄想なのはもうお気づきだと思います。
その2: ありもしない財政問題を理由に増税ばかり推進する財務省
でも、個人個人で見ると実は増税反対している官僚の方もいらっしゃいます。ただ、組織の論理で今更「間違ってました」は言えないのでしょう。大組織の永遠のテーマです。
その3: 罪深き経団連のおっさんたち。
そろそろ引退して、日本経済に迷惑かけるのはやめましょう。それが一番の日本への貢献ですよ。
その4: お仕事もらって増税煽る人たち
怪しい経済学者から、自称知識人や有識者と言われる人たち。だいたい、こうした人達の参加する講演やイベント見てると「あぁ、なるほどねぇ」となります。
結局、みんな自分のこと、自分の会社のこと、自分の半径10mのことしか見てないんです。つまりせこいんです。でも長い目で見れば、その人達だってデフレの被害者になるわけですから、損するはずなんです。
みんな、日本全体のパイをでかくすること考えようぜ!
全部コロナのせいだーにしちゃえ
そこで、1つ2019年消費増税の大ポカンを帳消ししてあまりある政策があります。
それは消費減税と財政政策のコンビネーション。
しかも、全部コロナ騒動のせいにしちゃっていいですよ。
国民はわかってますが、黙っててやります。
ということで、消費税を5%に(本当は廃止がいいですが)、10兆円の補正予算。
そして、今期以降は5年位は10兆円の追加予算を計上し続ける。
これで、デフレ脱却と経済成長、そして、経済成長を通じた税収増にもなってみんなハッピーですよ。
多分、経団連のおっさんたちもこの流れのほうが利益があることに気づけば、何もなかったかのようにこのプラン採用する気がします。もう、それでもいいですよ。早く引退さえしてくれれば。
誰かこれ言ってくれる政治家いないですかね。
全世界が金融・財政をふかせば世界経済復活の年に
しかも、この政策は日本だけではなく他の国でも是非採用してほしいと思います。
なぜなら、もし、日本だけでやっちゃうと日本だけが好景気になっちゃいますから。今、それをやっているのがアメリカです。気づけば日米の経済格差はもう追いつけないほど離されちゃってます。
ホント、よくもまぁ、日本は20年自爆し続けたものです。
できれば、日本と同じように緊縮財政で苦しめられているEU諸国。
イギリスは自国通貨に回帰しますから金融政策も自由になりますし、きっと、財政もふかしますのでアメリカと同じく経済が復活する可能性大です。ノルウェーやスイスなども今好調なのは金融・財政ともにフリーハンドを持ってるから。
一方、EU官僚に振り回されて困っているドイツ、フランスはじめEU諸国の皆さん。日本と一緒に一気に金融緩和とコロナ債による財政政策採用しませんかね。これなら、日米欧が冷戦時と同じような形で、内需依存の成長に戻りつつ、過度に外需に依存しないので変な経済団体が暴れたりそこで利権が発生しにくくなり健全な経済成長ができます。
そうしたら、明るい1年になるはずです。
それでは、世界中の緊縮財政に苦しめられている皆さん、いっせーのーで。
「全部コロナのせいだー!」
やってくれないかなぁ。
きっと、そのほうが世界中で緊縮財政で命を絶っている人や生まれるはずだったのに経済的理由で中絶させられてしまう多くの命を救うことができるはずです。
大山俊輔