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『スタンフォードの自分を変える教室』の要約とあらすじをご紹介!

『スタンフォードの自分を変える教室』の要約とあらすじをご紹介!

  • やるべきことがわかっているのにできない
  • やってはいけないとわかってるのにやめられない
  • 本当は手に入れたいものがあるのに、目の前の誘惑に負けてしまう

このような悩みを持っていませんか?

このようなことで悩んでしまう自分はダメなやつだと、ついつい自分に厳しくしてしまいますよね。
しかし、原因はあなたの性格でもやる気でもありません。

人には物事を行う上で必要な力である意志力というものが存在しており、意志力にはさまざまな性質があります。
そのため、意志力の性質をよく理解していないと同じことをずっと繰り返すことになってしまいます。

この記事では、意志力について書かれているケリー・マクゴニガルの代表作 ー 「スタンフォードの自分を変える教室」の解説・要約をしてみました。この記事を読むことで、意志力を高めて自分を変える方法がわかります。私自身も三日坊主で何も続かないような人間だったんですが、「スタンフォードの自分を変える教室」を読んで目標に向かって行動できるようになりました。

少しずつでもいいので、みなさんも自分を変えられるように努力していきましょう。

著者ケリー・マクゴニガルについて

「スタンフォードの自分を変える教室」の要約に入る前に、著者であるケリー・マクゴニガルについて簡単に説明したいと思います。

どのような人が書いているかを知ることで、少しでもイメージを持っていただけたら幸いです。

著者ケリー・マクゴニガルは、アメリカの世界トップクラスの大学であるスタンフォード大学の心理学者で、この本のきっかけとなった「意志力の科学」をはじめ、「思いやりの科学」「マインドフルネスの科学」などの興味深い授業を展開しています。

彼女の授業は高い評価を受けており、スタンフォード大学で最も優秀な教職員に送られる賞をはじめ、数々の賞を受賞しており、メディアにも多く取り上げられるような人物です。

そんな彼女が手がけた「スタンフォードの自分を変える教室」は、まさしく名著と呼ぶにふさわしい内容に違いないでしょう。

「スタンフォードの自分を変える教室」の目次

ここからは「スタンフォードの自分を変える教室」の内容に入っていきます。

「スタンフォードの自分を変える教室」は、10章にもなる目次から構成されている内容量の豊富な本です。
読書を習慣としていない方にとっては、全て読み終わるのに時間がかかると思われます。

以下が「スタンフォードの自分を変える教室」の目次です。

「スタンフォードの自分を変える教室」の目次
第1章:やる力、やらない力、望む力
第2章:意志力の本能
第3章:疲れていると抵抗できない
第4章:罪のライセンス
第5章:脳が大きなウソをつく
第6章:どうにでもなれ
第7章:将来を売りとばす
第8章:感染した!
第9章:この章は読まないで
第10章:おわりに

目次に着目すると、それぞれにとても興味深い題名がつけられていることがわかります。

私自身もこの興味を引く題名が決め手となってこの書籍を購入しました。

特に第6章から第9章のタイトルに至っては、自分を変える教室となんの関連性があるのか目次を見ただけでは全くわかりません。

なので、章ごとに少しずつ内容を解説していきます。

「スタンフォードの自分を変える教室」の解説

先ほど、スタンフォードの自分を変える教室の目次について紹介したので、ここからは目次に沿って内容を見ていきましょう。

それぞれの章がボリュームの多い内容なので、要点をかいつまんで解説していきます。

第1章:やる力、やらない力、望む力

潜在能力を引き出す3つの力

その3つの力とは、章の題名にもなっているやる力、やらない力、望む力のことです。

  • やる力とは、自分の目標のためにやるべきことをやる力
  • やらない力とは、自分の目標を妨げるものをやらない力
  • 望む力とは、やる力、やらない力を発揮しなければいけないときに目標を思いだす力

意志力はこの3つの力によって定義されています。

多くの人は、やるべきときにやる力・やらない力を発揮できずにスマホを使用して1日を終えてしまうし、望む力によって目標を思いだすことはありません。

3つの力を鍛えて、意志力を少しずつ強くしていきましょう。

第2章:意志力の本能

「あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている」

私たちは度々、誘惑に負けてしまうのは外部の環境に原因があると考えますが、それは違います。

肉食動物に襲われて命の危機に晒された場合とは違い、チーズケーキという危機は、あなたがチーズケーキを食べなければ回避できるのですから。

ようするに、日々私たちが誘惑に負けてしまうのは自分の内面に原因があるからです。

誘惑に負ける時というのは、決まってこのような状態に陥っていると考えましょう。

  • やりたいことがあるのにやってはいけない状態
  • やらなければいけないことがあるのにやる気がしない状態

この内面の葛藤は人間に対して悪い方を決断させようとします。
この場合に効果的な対策は、欲求と真正面から戦うのではなく、落ち着いてから改めて決断を行うことです。

人間は興奮しているときは呼吸が速くなり、落ち着いているときは呼吸が遅くなります。
これを利用して、呼吸を遅くすることで自分自身を落ち着いた状態にし、改めて決断を行うようにしましょう。

第3章:疲れていると抵抗できない

自制心が筋肉に似ている理由

スタンフォードの期末試験では、学生たちは自分が進級できるかどうかがかかっているため、死に物狂いで勉強します。

そんな期末試験の期間中には、タバコ、食べるポテトの量が増えたり、勉強以外のものに対して明らかに自制心が働いていないことがわかりました。
その原因は、自制心は使えば使うほど機能しなくなっていくという性質にあります。

スタンフォードの学生たちは、勉強をすることに自制心を使い果たしてしまい、他のものに自制心を使うことができなかったのです。
筋肉を使いすぎると疲労してしまうのと同じで、自制心も使いすぎると力を発揮しなくなります。

しかし、自制心と筋肉が似ているというのは悪い面だけではありません。

鍛えることで、強化することもできます。
そのためには、瞑想などの自制心を使わなければ行えないタスクを少しずつ日常の中で増やしていきましょう。

そして、鍛えながら自分の自制心の使い方や特徴について学ぶことも同時に行うべきです。

自制心には、人によってパターンが存在し、朝から徐々に自制心が減っていく人もいれば、どこかで自制心が復活する人も存在します。
自分の自制心のパターンに合った時間の使い方をすることで、よりやる力、やらない力を効果的に発揮することができるようになるでしょう。

第4章:罪のライセンス

良いことをすると悪いことをしたくなる

アスリートや政治家、芸能人のスキャンダルが起きると先ほど説明したように、他のことで自制心を使い果たしたことが原因のように感じます。

しかし、誘惑に負けるときは自制心がなくなってしまったことが原因ではない場合が存在するのです。

実は人間は「わざと」誘惑に負けることがあります。
それは良いことをすると悪いことをしたくなるからです。

「昨日はジムへ行ってトレーニングを行ったから、今日くらいトレーニングをサボっても大丈夫だろう。」

このように考えた経験が一度はあると思います。
彼らは自制心がなくなって仕方なく誘惑に負けたのではなく、良いことをしてご褒美をもらう自分を誇らしく思うとまで話しました。

この考え方は、心理学の用語で「モラル・ライセンシング」と言います。

モラル・ライセンシングのせいで、私たちは目標からあえて遠ざかるような行動をご褒美だと感じてしまうのです。

多くの人はあらゆることを道徳的に考え、目標に近づく行動をしたら「良い」、目標から遠ざかるような行動をしたら「ダメ」と自身に烙印を押します。

しかし、実際にダイエットや禁煙などの些細な目標に対して道徳的に考える必要は全くありません。

もしもモラル・ライセンシングによってご褒美が欲しくなったときは、自分が「なぜ」その目標を達成しようとしているのかを考え直すことで、誘惑に負けずに目標に向かって引き続き行動できるようになります。

今までどれだけ進歩してきたかではなく、どれだけ真剣に努力してきたかを観点に、自分を評価することもとても大切です。

第5章:脳が大きなウソをつく

欲求を幸せと勘ちがいする理由

実験の結果、人間は「報酬システム」と呼ばれる部位を刺激されると、不利益を無視して快感に取り憑かれてしまうことがわかりました。

この報酬システムは、刺激すると報酬の「予感」を与えてくれるもので、人間はこの報酬の予感に対して過剰に反応してしまうようにできています。

例えばSNSはまさに報酬の予感を利用したサービスと言えるでしょう。

私たちは通知が来るたび、何か報酬が待っているのではないかと期待をしてすぐにスマホを確認してしまいますし、さらなる報酬を期待して画面をスクロールすることをやめられなくなり、気づいたら無駄な時間を過ごしていたと後悔します。

脳は報酬が手に入りそうになると、ドーパミンを放出して欲しいものを手に入れようとします。

しかし、ドーパミンは興奮を与えてはくれるけれど、幸福感は与えてくれません。

ドーパミンは私たちの判断を狂わせ、目の前にあるもの、特に目新しいものを魅力的に見せて、長期的な影響を考えることなく衝動的に行動させます。
私たちはそのような仕組みに気づかず、思いがけないところで誘惑に負けてしまうのです。

世の中にはたくさんの誘惑があり、その多くは報酬の予感を匂わせてくるでしょう。
これを防ぐには、自分が何に報酬の予感を感じているのかを認識し、世の中のたくさんの誘惑に対して冷静な目で見られるようになることです。

第6章:どうにでもなれ

気分の落ち込みが挫折につながる

落ち込んだとき、私たち人間は気晴らしをしようとします。
これは、先ほど紹介した報酬の予感を求める人間の本能によって行われているので、仕方のないことだと言えるでしょう。

しかし、報酬の予感によって放出されたドーパミンは必ずしも幸福感は与えてくれないということは先ほどお伝えしました。

気晴らしは、必ずしも期待通りに幸福感を与えてくれるとは限らず、むしろ害になることだってあり得ます。
実際に米国心理学会の調査では、一般的に信じられているストレス解消方法はほとんど効果がないということが結論づけられました。

脳は落ち込むと誘惑に対しての耐性が低くなります。
これは脳が自身の気分を安定させようとして報酬を求めるからです。

この状態では、甘いものをたくさん食べたり、タバコを吸ったり、たくさん買い物をしたりといった気晴らしを、正当化しておこなってしまいます。

このような時の対策は、根拠のある気晴らしをすることです。

  • 体を動かす
  • 読書や音楽鑑賞
  • 趣味を行う

上記の行動は、ドーパミンがでないので、効果を実感するのは難しいですが、研究によって効果のある気晴らし方法であることがわかっています。

もしも落ち込んでしまったときは、このような健康的な行動をすることで気晴らしをするようにしましょう。

第7章:将来を売りとばす

手軽な快楽の経済学

ハーバード大学の学生とドイツのマックス・プランク研究所の研究員を集めて、チンパンジーの比較を行う実験が行われました。

その実験の内容は、目の前のおやつを今すぐ食べるか、我慢して後でより多くのおやつをもらうかというものです。

実験の結果、人間は19%しか目の前のおやつを我慢することができなかったのに対して、チンパンジーは72%が目の前のおやつを我慢しました。

この原因は、人間に新しく備わってしまった前頭前皮質にあります。

人間は前頭前皮質を使い、「報酬を我慢するのは明日でいい」などの自分を正当化する言い訳を作り出してしまうのです。
この問題は人間が自身の将来についてどう考えているかについても影響します。

私たちの脳は、将来の報酬のことよりも目の前の報酬に価値を置いてしまうのです。

私たちは現在の自分と将来の自分を別人のように考え、今の自分ができない決断を将来の自分は簡単に行えると信じています。

しかし、現実は全くそんなことはなく、今日の自分が誘惑に負けてしまえば、明日の自分も誘惑に負けてしまうし、それがずっと積み重なっていけば、やがては将来のあなたも誘惑に負けてしまうのです。

そうならないためにも、今日の自分から改善することが必要になります。
今日やらなかったことは、明日もやらないし、それ以降もやりません。

ならば、今日の自分から行動を起こすしかないのです。

第8章:感染した!

意志力はうつる

アメリカの士官学校において、一人の生活習慣の悪い青年が入学しただけで、元々の生活習慣の良し悪しに関わらず、その翌年の調査では全員の生活習慣が悪化していたという事例があります。

この事例は一例に過ぎませんが、私たちは無意識のうちに周囲の環境の影響を受けています。

意志力に関する全てのものがこのような影響を受けるとは言いませんが、やはり多くの場合は社会的な環境に左右されているのです。

実際に、周囲の人間が喫煙をしていると自身も喫煙者になる確率が高くなったり、肥満の方が多い環境に身を置いていると自身も肥満になる確率が高くなったりします。

この影響を最小限にするためには、自身は一体周囲のどのような影響を受けてしまっているのかを考えることが必要です。

  • 周囲の人間であなたと同じ問題を抱えている人はいますか?
  • あなたの習慣は周囲の人間の習慣が影響したものだと思いますか?
  • 一緒に楽しみにふける仲間がいますか?

これらの質問を自分自身にすることで、自分が一体誰からどのような影響を受けているか自覚することができます。

自覚すれば、無意識であるよりは対処が容易になるはずです。

第9章:この章は読まないで

「やらない力」の限界

1985年にアメリカの大学の心理学実験室で、「シロクマ」のことを考えないでくださいと言われた学生は、「シロクマ」が頭から離れなくなってしまいました。

人間は、あることについて考えないようにすると、余計に考えてしまうのです。

ダイエット中だからといって、甘いもののことを考えないようにしていると、逆に頭の中は甘いもののことでいっぱいになります。

心理学者はこの現象について「皮肉なリバウンド」と名付けました。

「皮肉なリバウンド」の対策として効果的なのは、コントロールしようとしていることをコントロールしないことです。
つまり、仕方のないこととして諦めることが最も効果的な対策になります。

私自身も、失恋したときに元恋人について考えないようにすればするほど忘れられなくなってしまったので、考えないようにすることを諦めてみました。

すると、元恋人のことがあまり頭の中に思い浮かばなくなり、精神が安定したのです。

「やらない力」は、頭の中で考えることや感じることに対しては全く効果を発揮しません。

忘れたいことがあるときは、考えないようにするのではなく、コントロールすることをあきらめて、考えてしまうことを前提にしていきましょう。

「スタンフォードの自分を変える教室」の最も重要なこと

スタンフォードの自分を変える教室の第9章の最後には、「意志力に最も大切な3つのこと」が書かれています。

それは「自己認識」「セルフケア」「自分にとって最も大事なことを忘れないこと」です。

意志力がどのように働くかを本書ではしつこいほどに教えてくれました。

  • 「自己認識」それは自分自身に対して、冷たい目を向けずに興味深く理解しようとすることです
  • 「セルフケア」それは失敗した自分自身に対して、厳しい言葉を浴びせるのではなく、許すことでストレスや自己嫌悪と戦うことです
  • 「自分にとって最も大事なことを忘れないこと」それは最初に話した3つの力の1つ、望む力です。

私たちは普通に生活していると、自分自身を振り返ることをしなくなってしまうし、自分に対して厳しく接してしまうし、大事な目標を忘れてしまいます。

この3つを常に自分の中で持ち続けることで、意志力の最大の敵である誘惑や自己批判やストレスに立ち向かうことができるのです。

「スタンフォードの自分を変える教室」の実践

「スタンフォードの自分を変える教室」には、章ごとに実践するべきことが記載されていました。

その中でも、私自身が実践してみて1番効果があると思ったものを取り上げていきます。

  • 第4章 「あとで取り返せる」と思っていませんか?
  • 第6章 「決心するだけ」を楽しんでいませんか?
  • 第7章 「万能の自分」を待っていませんか?

この言葉たちは私にとって非常に効果的でした。
日頃から、将来の自分は素晴らしくなっているはずであると想像しながら、明日から変わると決心をし、翌日にはまた同じことを思っていました。

しかし、結局今の自分が変わらなければ、将来の自分にも変化は起きないのです。

今日の明日は、明日の今日であり、常に決断を下すのは今日の自分であるということを忘れずに生きていこうと思います。
この実践は、他にも多く存在しており、私が紹介した方法が合わないという人もいると思います。

そんなときは本書を見て、いろんなものを試してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は名著「スタンフォードの自分を変える教室」の要点をかいつまんで解説させていただきました。

元々の内容が多く、重要なことが多いのでなかなかまとめ切ることができませんでした。
まだまだ重要な内容が本書には眠っているので、ぜひ手に取ってみることをおすすめします。

自分を変えるためには、まずは自分を理解することが大事です。

その大きな一歩を踏み出すのには、大きな労力がかかるかもしれませんが、その一歩を踏み出すことさえできれば、あなたは変わっていくことができるはずです。

少しずつでもいいので、自分を変えるために前に進んでいきましょう。