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ドラえもん『のび太の宇宙小戦争』は大人になってから見直すと学びの多い映画

のび太の宇宙小戦争のあらすじ・レビュー

  • のび太の宇宙小戦争のあらすじがしりたい
  • 子供の頃見た記憶があるけど、おとなになってからも楽しい?
  • リメイクする可能性はあるのか?
  • しずかちゃんの牛乳風呂は再現可能か?

こどもの頃に誰もが見る機会があるであろう、ドラえもんという作品。
こどもの頃は夢のようなひみつ道具と、ドラえもんという絶対裏切らない友人の存在が羨ましかった人も多いと思います。

作者の藤子・F・不二夫先生は、こどもだけでなく、大人にもメッセージを込めていました。
映画『のび太の宇宙小戦争』もその1つです。自ら最前線に立ちクーデターに毅然と立ち向かうパピの姿、国民を第一に気遣うパピの姿は、真のリーダーといえるでしょう。

中間管理職にいる人達、初めて部下を持つようになった社会人の人達、上司としてどう振る舞えばいいのか悩んでいませんか。自分の内なる声に素直に向き合いたいのに、自分に正直になれずについついポジショントークをしてしまう自分が嫌になったり・・・。大人になっていくにしたがって、人は様々なしがらみに囲まれていきます。

そんな悩みを持つ方は、今、改めて『のび太の宇宙小戦争』を見てみてはいかがでしょうか?
まずは、このエントリーで要約を見直したり、見どころをチェックしてみてください。

物心ついた時には、ドラえもんのマンガが家にあり、初めて見た映画もドラえもん。ドラえもんと共に育ち数十年。社会人になり、中年と呼ばれる年齢になってきても、大事なことはドラえもんから学びます。今回は『良い上司とは』や『部下の活かし方』について、パピから多くを学びました。

ヌー

あらすじ

パピとの出会い

のび太の宇宙小戦争のあらすじ - パピとの出会い
スネ夫とジャイアンはスネ夫の家でプロ顔負けのジオラマを作ります。

その目的は、SF映画の撮影。しかし、不器用だからと作成に入れてもらえず仲間はずれにされたのび太は、しずかを誘いドラえもんと3人で映画撮影を始めます。財力にまかせた多くのプラモデルと、出来杉による本格的な演出で、SF大作を撮影するスネ夫たち。

対抗してSF作品を撮影したいのび太ですが、しずかはメルヘン映画を撮りたいと、自分の人形を投入して現場を仕切ります。

裏山での撮影中、しずかのお気に入りのうさぎの人形がいなくなり探し回るのび太たちでしたが、人形は見つかりません。諦めてのび太が家に戻ると、うさぎの人形はのび太の家の庭に転がっていました。喜ぶのび太は、うさぎの人形は自分で家に戻ってきたとしずかに報告します。

しかし、パピという宇宙人がうさぎに乗って逃げて来ていたのでした。

ピリカ星を救いに

のび太の宇宙小戦争 - ピリカ星を救いに

のび太たちは、パピの故郷ピリカ星が、独裁者・ギルモア将軍のクーデターで、国民が迫害を受けている惨状を聞きき心を痛めます。クーデターの首謀者・ギルモア将軍が自分に追手を差し向け、のび太たちや地球に迷惑がかかると心配するパピでしたが、のび太は力強く

「僕たちが守るから安心して」

と約束します。映画ではいつもこういうときののび太の勇気には感心しますよね。

のび太の宇宙小戦争 - クジラ型宇宙船

順調に撮影を進めるスネ夫たちでしたが、ある日スネ夫の撮影セットに正体不明のクジラ型飛行船が攻撃を仕掛てきました。スネ夫のプラモデルやセットは壊滅的な被害を受けますが、ジャイアンが池の岩を投げつけて何とか撃退します。

「空飛ぶ飛行船なんて、ドラえもんの仕業だ」

と、決めつけたジャイアンとスネ夫は、のび太の家に殴り込みに行きます。

そこで、飛行船の正体は、ギルモア将軍の情報機関『ピシア』の戦艦で、パピを捉えに来た刺客だと知ります。ギルモア将軍に対抗するレジスタンスの希望を打ち砕くために、大統領であるパピを捉えて処刑するというギルモア将軍の野望を知った一同は、ギルモアを打倒するためレジスタンスを救うと意気込みます。

ピリカ星へ

ジャイアンの攻撃で戦艦にダメージを受けたギルモアの参謀・ドラコルルは、自動車廃棄場に隠れて戦艦の修理とパピの捜索に全力を上げます。パピがしずかの家に隠れていることを突き止めたドラコルルは、確保のためにしずかの家に進軍します。一方、ドラえもんの捜索により戦艦の位置を特定したのび太たちは、入れ違いにスネ夫のラジコン戦車で戦艦撃破に向かいます。

のび太の宇宙小戦争 - しずかちゃんの牛乳風呂シーン

母親から夕食前に風呂に入るよう言われたしずかは、パピの隠れ家にしたドールハウスで、かつてからの夢である牛乳風呂を楽しみます。一応、この映画ではサービスシーンと言われています(笑)。気持ちよく牛乳風呂を楽しむしずかですが、ドラコルルの軍勢に囲まれ、服を着るか着ないかのうちに捉えられます。スモールライトを見つけたドラコルルは、地球人を巨人化させないようスモールライトを回収してしまいます。

のび太の宇宙小戦争 - 戦車戦闘シーン

しずかの家に戻った一行は、ドラコルルからのメッセージでしずかが攫われたことを知ります。しずかを救うため、スネ夫を中心に、艦隊戦に対抗できるようプラモデルの戦車の改造を急ぎます。一方で、他の星の人間に迷惑をかけてしまったことに責任を感じたパピは、皆に隠れて一人でピシアに投降してしまいます。

のび太たちは、パピを追って地球にやってきたロコロコの案内で、パピを救うためピリカ星に向かいます。

最終決戦

囚われたパピを救うため、のび太・ジャイアン・ドラえもんチームは本国に乗り込みます。しずかとスネ夫はレジスタンス基地の守備のため残ります。

ドラコルルの妨害に遭いながらも、のび太チームは、本国に隠れるレジスタンスと合流することに成功します。しかし、それもドラコルルの策略で、のび太たちの行動はピシアに把握されていました。こうして、レジスタンスの秘密基地は奇襲に遭い、のび太たちは捉えられてしまいます。

のび太の宇宙小戦争 - スモールライト

一方で、レジスタンスの宇宙基地に残ったしずかとスネ夫は反乱軍とともにピシアの攻撃に対して反撃を行います。
スネ夫のラジコン戦車がここで大活躍。宇宙での決戦は、レジスタンスの大勝利に終わります。

しかしながら、パピとのび太たちが捉えられて死刑執行が行われることを知ったしずかは、スネ夫と救出に向かおうとします。
スネ夫は自分たちも捕まり処刑されてしまうと二の足を踏みます。怯えるスネ夫に言葉を失うしずかは、ひとりラジコン戦車に乗り込み、のび太たちの救出に向かうのでした。

そして、ピリカ星に着陸してのび太たちを救出に向かうしずかちゃんとスネ夫。
しかしそこにも、ドラコルルの策略が張り巡らされていたのです・・・・。

登場人物

パピ

のび太の宇宙小戦争 - パピ

ギルモア将軍の追手を逃れて地球にたどり着いた、ピリカ星の大統領。8歳で大学を卒業しましたが、ピリカ星では「よくあること」と謙遜します。ギルモア将軍のクーデターで追い詰められた時は、最後まで戦う姿勢を見せますが、配下は捲土重来を期待しパピを逃がします。

のび太たちと変わらぬ年頃ながら、大人からも全幅の信頼を受けるなど、人格的にも成熟している様子が伺えます。しずかを救うために身を投げだしたり、処刑台に立っても正義を信じる姿勢を崩さないなど、理想とするリーダー像を体現したような人格者です。

しずかを救うためにドラコルルと交渉した際に、「僕が一度でも嘘を付いたことがあるか」というパピに対し、言葉を詰まらせたドラコルルの様子を見ても、敵にも認められる人格者だったようです。

ロコロコ

のび太の宇宙小戦争 - ロコロコ

パピの飼い犬。ピリカ星では地球の犬と違い、パソコンの操作や車などの操縦も覚え、執事代わりの役割もこなさなくてはならないため優秀だそうです。無口だと言いながら、延々といつまでも話し続けることが出来る特技を持ちます。敵から身を隠すためインゲン豆のような形状にカモフラージュできます。

とにかくしゃべるのが大好きで、のび太、ドラえもんもうんざりしますがその多弁さが後に皆を救うことになります・・・。

ギルモア

のび太の宇宙小戦争 - ギルモア

ピリカ星の将軍でクーデターの首謀者。反抗的な国民を自分に従わせるため、パピを捉えて処刑することに強くこだわります。猜疑心が強く誰も信用しない性格ながら、街中に自身の肖像画を飾らせるなど、自己顕示欲は強いですが、冷酷で自分に逆らう者は根絶やしにしなくては気がすまないなど、小心者の一面を併せ持ちます。

最後はドラえもんたちの活躍に刺激された市民に追い詰められるなど、イタリアの独裁者ムッソリーニを思わせます。

ドラコルル

のび太の宇宙小戦争 - ドラコルル

パピ追跡の任務を受けて地球にやってきた、冷静で知略に富むギルモア将軍の参謀。戦力的には圧倒的有利な状況ながら、力任せに攻撃するのではなく探査機を粘り強く張り巡らせて、最終的にしずかの部屋に設置した『壁紙秘密基地』を探り当てるなど優秀な戦略家です。しずかを連れ去った時にスモールライトを奪うなど、的確な行動によりドラえもん達を窮地に陥らせます。

圧倒的な力を見せるスネ夫のプラモデルに対しても、冷静に分析しアンテナが弱点だと気付き無力化に成功します。最終的にはスモールライトの効果が切れたことで逆転勝利するのび太たちでしたが、最も手強い敵キャラクターの一人であったことは間違いないでしょう。

みどころ

冷戦の最中の作品

1985年公開の作品。月刊コロコロコミックでは1984年から半年ほど連載されました。当時はスター・ウォーズ・エピソード6『ジェダイの帰還』公開後ということもあり、作中にはスター・ウォーズへのオマージュとも取れるシーンが多く見られます。クーデターで国を追われた国王とレジスタンスという物語の構成自体がスター・ウォーズ的構成です。

本作1番の魅力は、大統領として尊敬を集めるパピでしょう。大統領パピは、常に最前線に立って皆と行動します。自分の意見を押し付けず、周囲の意見を採用することで、結果的に周囲の人の最大限のパフォーマンスを引き出します。これこそリーダーとして理想的な姿でしょう。

この映画では、ドラえもんのひみつ道具はサポート的な役割に徹し、主にスネ夫のプラモデルで戦います。空気砲やショックガンの存在はのび太がほのめかしますが、最後までそれらの道具は使いません。時代は冷戦の最中で米ソ対立が激化。アメリカはスターウォーズ計画はじめ、ソ連に軍拡競争を通じた経済破綻に追い込む時期です。

このような時期の映画ですから、作者からの反戦メッセージ的なものもあったのかもしれませんね。

強敵と困難を通じての成長

強敵の存在も見どころのひとつです。ドラえもんが相手の戦艦を見つけ出したと思えば、先手を取られて先回りされ、元の大きさに戻って戦おうとした時にはスモールライトを奪われている。ドラコルルの卓越した戦術眼により、常に先手を取られており、この強敵をどう打ち破るのか見ていてワクワクしてきます。

また、様々な困難を通じて登場キャラが成長していく様子も観ものです。

のび太の宇宙小戦争 - スネ夫

  • 普段はだめでどうしようもないのび太ですが、この映画では大統領のパピを救うべく立ち上がります。
  • はじめは、弱音ばかり吐いていたスネ夫もしずかちゃんの言葉に勇気をもらって救出に向かいます。
  • しずかちゃんの男顔負けの勇気ある姿には時の小学生は皆、大好きになっちゃいましたね。
  • そして、最後のジャイアンの闘牛士さながらの戦闘シーンも観ものです。

武田鉄矢さんのテーマソング(少年期)

武田鉄矢さんのテーマソング(少年期)
そして、こののび太の宇宙小戦争のもう一つ注目しておきたいのがテーマソング。
実は武田鉄矢さんが作詞作曲に加えて自ら歌唱されています。

「ああぼくはどうして大人になるんだろう」

という歌詞がとても印象的で、時の小学生たちの心に強い印象を残しました。

マンガとアニメ

天井裏の宇宙戦争

1980年発行のてんとう虫コミックス19巻収録。スター・ウォーズへのオマージュを全面に打ち出した作品です。作中にはR3-D3なるロボットや、レイア姫的な姫も登場しています。1977年公開のスター・ウォーズから藤子・F・不二夫氏が大きな影響を受けていたことは間違いないでしょう。

ドラえもんののび太の・・シリーズの多くは80年代から90年代に作成されました。

そして、2000年代に入ってCG技術などが向上したことを踏まえてリメイクが作られています。のび太の宇宙小戦争についても、リメイク版が作成される可能性があるそうです。

宇宙での戦闘シーンなどCG技術の向上により迫力が増すかもしれません。これも、楽しみですね。

まとめ

宇宙小戦争というタイトルからSF作品を想起させます。本作は、スター・ウォーズへのオマージュが描かれていますが、スター・ウォーズも宇宙を舞台にしながら、内容的には社会派ドラマです。独裁者に対抗する市民といった構図を軸にしています。それは、本作にも当てはまり、宇宙小戦争とはいうが、宇宙空間での戦いはありません。遠い宇宙のピリカ星を舞台にした、独裁者対市民の戦いです。

ドラえもん映画といえば、のび太たちのワガママな要求をドラえもんがひみつ道具で実現するというのがいつものパターンですが、今作はのび太たちの要求に答えると言うよりは、人助けのための冒険です。極めて政治的でシリアスな内容の作品で、大人向けの作品とも言えます。

SFとファンタジー満載であるはずのドラえもんにおいて、ひみつ道具による非現実的なシーンはなく、戦艦と戦車でのリアルな戦闘シーンが繰り広げられます。人質に取られたしずかを救うのも、ひみつ道具によるチートな救い方でなく、パピが身代わりになるという、海外のスパイドラマのような、ある意味ドラえもんらしくないリアルな展開の連続が玄人好みといえます。シリアスな本作ですが、出会ったばか
りのパピを助けるため知らない星に行くことを躊躇しない、のび太やジャイアンの正義感は普遍ですね。

ヌー