成功哲学を語るときの入門書としてオススメしたいのがナポレオン・ヒル著 『思考は現実化する』です。
この本では、どんな人でも成功できることを詳細に分かりやすく紹介しています。
大成功の定義は人それぞれですが、例えば、莫大な資産を稼ぎ出した人も、スポーツで偉大な成績を残した人も、事業で大成功した人も基本的には変わらないことを紹介しています。
要するに考え方に問題があったのです。
誰もが持っている頭脳ですが、その使い方によって偉大な人生を送ることもできれば、残念な人生を送るだけの人もいます。
それを決めるのは、自分の頭脳の使い方だけなのだということを『思考は現実化する』では紹介しているのです。
頭脳の使い方を間違った方向で努力していることで無駄な時間を費やしているのです。正しい頭脳の使い方を学び、それを実践することでどんな問題も解決できることをこの著書では学ぶことができます。
これは時代や国境、言語をこえた人類に共通する教えなのです。
人生の成功の定義もまた考えさせられます。
お金を稼ぐこと、名声を得ることだけが人生の成功者と考えがちですが、それよりももっと自分の人生にとって大切なことに気が付かせられます。
例えば、朝にパートナーとコーヒーを飲むことができる日常のささやかな一コマでさえも、幸せに感じることができるのです。
私たちは、お金があれば幸せになれる。有名になれば幸せになれると勘違いしまいがちです。
人生の目的はそんなところにはありません。
自分の思い描いた人生を歩むために何をすべきなのか?
そのことに気が付かされてくれる作品なのです。
そもそも、人生を有意義に過ごすためのエネルギーは、自分自身の中にあるのです
誰もが、最初はそれがわかりません。
人は依存する人生を送りがちです。
親が与えてくれる。先生が道を示してくれる。上司の言っていることに従えば良い。
本当は違うのです。
自分の人生の設計者は自分なのです。
自分が自分の人生の設計図を書いて、それを実行するのです。
依存した人生を歩むことをやめましょう。
まずは自立することです。
成功の第一歩は自立から始まります。
そんな、考えてみれば当たり前のことでさえも気が付かずに人生を送っている人が、いかに多いのでしょうか。
自分の人生は自分で切り拓くのです。
そのことを具体的に示してくれるのがこの作品なのです。
目次
著者「ナポレオン・ヒル」ってどんな人?
幼少期
ナポレオン・ヒルはアメリカのヴァージニア州の小さな村の丸太小屋で生まれました。
とても貧相な小屋でした。
しかし、何事にも前向きな両親に育てられました。
貧乏な生活の中でも、工夫をすれば暮らしが豊かになるとの教えのもとで育っていきます。
カーネギーとの出会い
豊かな生活ではないため、臨時雇いの新聞記者をしながら高校に通っていました。学費を工面するために働いていたのです。
そして、この新聞記者見習いとして働いている時に運命の出会いがありました。
鉄鋼王で大富豪であったアンドリュー・カーネギーをインタビューする機会に恵まれたのです。
そこで、ナポレオン・ヒルはカーネギーからある提案を受けます。
それは、カーネギーが考えている成功哲学を一つのプログラムにすることだったのです。
カーネギーと言えば「カーネギーホール」や「カーネギー財団」で有名な大富豪です。
カーネギーからナポレオン・ヒルへの依頼
そのカーネギーが成功した考え方を後世に残すべき事業にナポレオン・ヒルを指名したのです。
カーネギーの提案は無茶苦茶なものでした。
20年程度かかるであろうその事業に無給で携わることを要求してきたのです。
既に成功している人の哲学は図書館に行けば調べることができます。
しかし、カーネギーは、今はまだ成功の途上である人物をナポレオン・ヒルに紹介し、どのような場面で失敗し、どのような場面で成功するのかをじっくり観察することを求めたのです。
その人物の中には後に、「T型フォード」で大成功を収めるヘンリー・フォードも含ました。
カーネギーが無給でナポレオン・ヒルにこの提案をしたのには、理由があります。
それは、カーネギーの成功哲学を教え、また、成功するであろう人々を紹介し、その人々の失敗や成功を詳細に学んでいるナポレオン・ヒルが成功しない理由は無いと考えたのです。
カーネギーにとってみれば、ナポレオン・ヒルがこのプロジェクトを行うことが、彼が成功者になると考えていたのです。
正に、それは的中します。
思考は現実化するの出版と成功
後にその教えを「思考は現実化する」という著作にまとめることによって、大ベストセラーとなり、講演や著作によって莫大な資産を手に入れることができたのです。
そして、今でも「ナポレオン・ヒル財団」としてアンドリュー・カーネギーの成功の哲学を後世に伝える活動に取り組んでいます。
どんな人が読むべき?
人生は、何度も壁にぶつかります。
そして、壁にぶつかった時にその壁から逃げてしまう人と立ち向かう人の二種類に分類されます。
今まで壁から逃げてきた方
「思考は現実化する」は、壁から逃げてしまう人に是非お薦めの本です。
壁が新しい自分に出会えるチャンスなのです。
逃げている人は、そのチャンスのシグナルをいつも見過ごしている人なのです。
この本を読むことで、ピンチをチャンスに変えることができるのです。
そもそも、ピンチを乗り越える能力は、誰もが持ち合わせているのです。
ただ、それに気が付いていないだけなのです。
自分のポテンシャルを引き伸ばしたい方
この本を読むことで、自分自身に眠っている潜在能力を拡大して、生かす能力を学ぶことができます。
それは、今まで自分が見ていいた風景とは全く違うものです。
しかし、自分自身は変わっていません。
変わったのは、考え方。
頭脳の使い方が変わっただけなのです。
今までは「どうせ出来っこない」「私には無理」「できるわけがない」と思い込んでしあっていたものが、「できるかもしれない」「成功するかもしれない」「とりあえずやってみよう」と考え方が変わるのです。
『思考は現実化する』で得ることのできる気づき
この本を読むことで、ちょっとした気づきを感じることができます。
それは、ちょっとした気づきかもしれませんが、人生にとっては大きな出来事です。
今までの考え方と全く違う自分に出会えるのです。
そのためには、まずは自分の頭で考えることです。
親や先生、上司の言っていることを鵜吞みにせず、自分の頭で考えるのです。
そのための方法をこの本では紹介しています。
「思考は現実化する」では、考えること、学ぶこと、計画を立てること、実行に移すことを具体的に紹介しています。
そして、そのことを習慣にして身に付けてしまうことにより、生活に変化が現れ、自分自身の生活が充実したものになることは、間違いがありません。
また、今までは苦痛、困難だと感じていた出来事でも、成長するための栄養素だと考えることもできるようになるでしょう。
自分自身の人生は、自分が創っているのだということに気が付くはずです。
だとしたら、後は、計画して実行するだけなのです。
自分の頭脳で考える。
そんな当たり前のことに気が付かせてくれる作品なのです。
4つの考え方
「思考は現実化する」では、18章において、考え方の詳細を詳しく説明しています。
そして、その考え方を要約していくと4つの考え方にたどり着きます。
その1 : 願うこと
まず一つ目は、願うこと。
自分の目標を願う事です。
「どんな自分になりたいのか」「自分が何を望んでいるのか」「自分の目標はこれだ!」
このように具体的な目標を願うのです。
目的地が無ければ旅は始まりません。
ですから、自分の旅の目的地を明確に願う事から始まるのです。
その2 : 信じること
キチンと願いが整理できたのであれば、二つ目は信じることです。
「自分であれば必ずできる」「自分はやり切れる」「できないわけがない」
自分を信じてあげることです。
ついつい、「自分にはできない」「やれるわけがない」「自分ダメ人間だ」と思いがちです。
そうやって、自分ができない人間だと自分を思い込ませて、現実から逃げようとするのです。
そうすることは、簡単です。
その方が楽なのです。
しかし、楽な人生を送りたいがために、ため息や愚痴を繰り返す人生が果たして望んでいる人生なのでしょうか?
そのためには、自分を信じてチャレンジすることです。
その3 : 他人の意見に振り回されないこと
自分が信じられたのであれば、3つ目の考え方に進みましょう。
それは、他の人の意見に耳を貸さないことです。
親は言います 「お前には無理だよ」
先生は言います 「どうせ出来っこないよ」
そんな意見には耳を貸さないことです。
実行するのは、親や先生ではありません。
自分自身なのです。
自分が体験するわけでもない他の人の意見は参考にしないことです。
「オリンピックで金メダルを取りたい」
「プロ野球の選手になりたい」
周りの人は「はい、はい」と聞き流すでしょう。
でも、自分だけはできると信じて取り組むことです。
他の人の意見はいい加減なのです。
自分を信じ切れた人だけが、その栄冠を手に入れることができるのです。
自分のことを一番知っているのは自分です。
自分を信じて、他の人の意見に流されないことです。
他の人の意見で自分の人生を決定していたら、必ず後悔をすることになります。
その時に「親に従ったから」「先生がダメだと言ったから」と言ったところで人生が変わるわけではありません。
自分の人生は自分で決めるのです。
他の人の意見に耳を傾けている暇はありません。
その4 : 実行にうつすこと
そこまで覚悟が決まったら、4つ目に移ります。
後は、実行あるのみです。
なりふり構わず、実行しましょう。
それだけを、そのことだけを考えて、行動に移すのです。
偉大なプロ野球選手
イチローもそうでした。
毎日の練習の積み重ねが、大リーグでの偉大な記録を作ったのです。
日本から大リーグへ移籍するときも
「日本人の野手は無理だよ」「体が小さすぎる」「すぐに日本へ帰ってくるよ」
なんて言われていました。
彼はそんな言葉には振り回されず、自分のやるべきことを毎日繰り返していたのです
その行動の積み重ねが、偉大な結果を作ったのです。
行動することこそ自分の人生を切り開くカギとなるはずです。
4つの考え方を手に入れただけでも、人生が大きく変わるはずです。
まとめ
「思考は現実化する」を読むことで、考え方が変わります。
そして、その内容を実践することで、人生が変わります。
この作品には、成功哲学の英知が詰まっているのです。
読んで実行しない手はありません。
人生がつまらなく感じている人、失敗ばかり繰り返していると感じている人、生きる目的が見つからない人。そんな人にお薦めの本です。
しかし、読むだけでは人生は変わりません。是非その成功哲学を自分の人生に行動として実行することが成功の秘訣なのです。
小さい事から行動してみましょう。
それが習慣に変わります。
正しい、有意義な習慣を増やしていくことで成功者へ近づいていくのです。
いつの時代でも、住んでいる地域や使っている言語が違っていても、成功者が考えていることは同じです。
これはどんな自己啓発書にも共通する考え方です。
1908年に新聞記者だったナポレオン・ヒルがアンドリュー・カーネギーにインタビューをしてから、20年の歳月をへて、「思考は現実化する」はプログラム化されました。
日本では1999年に発行されていますが、増版を繰り返し読み続けられているのは、そこに成功の本質が描かれているのだと思います。