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学問のすすめ(福沢諭吉)を徹底解説!初心者でも要約を読んで、わかりやすく内容を理解しよう!

学問のすすめ(福沢諭吉)を徹底解説!初心者でも要約を読んで、わかりやすく内容を理解しよう!

明治時代の代表的な出版物である、「学問のすすめ」。

1万円札の顔になっている、「福沢諭吉」が書いたものです。

明治時代であるため、江戸時代からの大きな時代の変化の時期です。そんななか、知識人である福沢諭吉が書いた学問のすすめは、どのように国民に寄り添い、働きかけたのか。

フリスクン

 小学生から日本の歴史が大好き。中学、高校では、日本史につまずいている友人に教えると、分かりやすいと友人間で評判に。実はこう見えて現在、大学生。大学では、歴史に基づいたビジネスを考えています。

『学問のすすめ』は当時3000万人社会の日本で340万人以上が読んだベストセラー。世界史の奇跡とも言われる明治維新の精神面の支柱ともなったこの書籍は今こそ見直す価値があるといえるでしょう。この記事では、本著を読書嫌いでもわかりやすく内容を要約から理解して、いずれ手に取りたい!と思えるようにまとめてみました。

サイト管理人:大山俊輔

本職は英会話スクールの経営者。当スクールの英語学習法でも福沢諭吉の勉強法を実は取り入れていて、福沢諭吉には並々ならぬ愛着があります。

また、読んだことがない人は要約を読んで、少しでも内容を理解しましょう。

学問のすすめを徹底解説!

学問のすすめは、名前だけは聞いたことあるけど、どういう本なのか分からない。
そのような方も多いのではないのでしょうか?

そこで、学問のすすめについて、徹底解説していきます。

学問のすすめってどんな本?

学問のすすめは、明治時代の啓蒙思想家である、「福沢諭吉」が、1872年~76年(明治5年~9年)にかけて書いた、啓蒙、すなわち人々に、正しい知識を教え導くための書物です。

テーマは、従来、江戸時代の規律を重んじる道徳を厳しく批判し、西洋的な合理的な考えを重んじることと自由主義を推奨しているのが特徴です。
まさに明治時代に入るための基礎の考え方である書物ですよね。
200年以上続いた江戸時代の思想を、変えるためのものになっています。

当時は、全17編で合わせて340万部の発行物を誇るベストセラーとなります。これは、すごい数字です。当時の日本の人口が約3000万人とされていますので、単純に計算して実に全国民の10人に1人が買った計算になります。

著者の福沢諭吉ってどんな人?

学問のすすめの著者である福沢諭吉。1万円札の顔としても有名な方ですが、実はどんな人かを知らない方もいると思います。

福沢諭吉は、明治の啓蒙思想家・教育家の1人です。学問のすすめを書いた以外にも、後の慶應義塾大学の前身である、慶應義塾の創設者です。

ここでは、福沢諭吉の生涯を追っていきます。

1834年(天保5年)、現在の大分県に当たる、豊前国中津藩の藩士、福沢百助の次男として生まれます。
しかし、百助は、諭吉が3歳のころに亡くなってしまいます。諭吉は不遇な少年時代を過ごしました。
しかし、学問への志がとても強く、諭吉は20代の時にオランダとの貿易の窓口であった、長崎へ出て、蘭学(日本へ入ってきたヨーロッパの学術や文化の総称)を学びます。

そこから中津藩の屋敷に、蘭学塾を開きます。そして、諭吉自身は、独学で英語を学び始めます。
その後、幕府の使節に付き添い、3回ほどヨーロッパへ渡ります。

そこで仕入れた西洋の情報を、「西洋事情」として刊行し、ベストセラーとなります。
そして1868年(慶応3年、明治元年)、築地にあった蘭学塾を芝(港区)に移し、当時の年号にちなんで、慶應義塾と名付け、設立します。これが、現在の慶應義塾大学に至ります。

慶應義塾では、当時あった身分差に関係なく、西洋の学問を学びたい人を受け入れました。

この4年後に、学問のすすめを刊行し、1873年に啓蒙活動を目的として立ち上げた明六社という出版社の結成に関わります。

明六社が刊行した「明六雑誌」には、諭吉の論文が3本掲載されています。

1901年(明治34年)に諭吉は脳出血で亡くなります。

生涯ずっと啓蒙活動をし、人々を教え導いた福沢諭吉。
明治を代表する、偉人ではないでしょうか。

サイト管理人:大山俊輔

福沢諭吉の英語学習法とそのハチャメチャな人生について下記のエントリが面白くまとめています。あわせてご参照ください。

 

学問のすすめの内容を分かりやすく解説!

学問のすすめは全17編の論文から構成されています。
人は同等であることから、人望論まで、様々な論文を扱っています。

学問のすすめの内容は?

学問のすすめは、様々な論文を扱っていますが、思想やテーマははっきりしています。

江戸時代の、厳しい道徳に対する批判をし、西洋的な合理的な考え方や、自由主義を進めている内容になっています。

江戸時代のような道徳の思想であると、権利者にゆだねてしまい、自ら考え、行動することが無くなってしまいます。
明治時代となって、西洋の文化がなだれ込んだ時代だからこそ、江戸時代の道徳の思想を捨て、合理的な考え方をし、自由主義の元で、自ら思考して実学を修めることが求められると説いています。

学問のすすめの特徴の一つは、極端な実学重視です。
書籍の中では、「もっぱら勤むべきは人間普通日用に近き実学なり」と書かれています。
これは、「実学」を何よりも先に学ぶべきであると説いています。

実学というのは、ひらがなや、手紙の書き方、そろばんなど、町人が日常的に使う基本的な技術にあたります。これを習得した後には、地理学や、物理学、歴史や経済など、高度な実学を学べと記載してあります。

このように、明治時代の基礎を作る教育を説いた書物であると言えます。

学問のすすめの冒頭である、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」を解説!

学問のすすめと聞いて、真っ先にこの冒頭部が浮かんでくるのではないでしょうか。
言葉は知っていても、内容はどのような事を言っているのか、解説していきます。

福沢諭吉は、この言葉を通して、伝えたいことがありました。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
それならば、天から人が生まれてくる以上、人間全員は同じ身分であって、差別などは無いはずである。
しかし、現在には財産や権利などの差がある。
また、人は、人間の心の働きを持って、天地の間にある万物を活用して衣食住を満たし、各々安心して生きることができるはずだ。

と、このように人はもともと自由であるという考え方を説いています。

学問のすすめはどんな人におすすめ?

ここまで、学問のすすめについて、著者の歴史から、概要まで、徹底解説しました。
ここでは、どんな人におすすめの本であり、どこが面白い部分なのか。
主観的な部分も踏まえて解説したいと思います。

どこが面白い?つまらない?

私の観点から行きますと、面白い部分は、なんと言っても歴史背景とともに見れる点です。江戸時代から、明治時代へ移り変わるときに、西洋の思想を入れるための書物ですので、歴史的背景とともに読むと、「明治に入り、文化や建物など何から何まで変わった中で、こんな思想を普及していたのか!」と、新たな発見があるため、とても面白いです。

内容を注目しますと、学問のすすめというくらいですから、学びというのがいかに大切か説かれているので、とても為になるものとなっています。

つまらない点と言いますと、全17編あるなかで、テーマは統一されているのですが、様々な論文を扱っているので、読む人にとっては、読みにくい部分もあるところです。
人によるかも知れませんが、途中で読むのをやめてしまう方もいると思います。

どんな人におすすめの本?

学問のすすめは、日本史好きにはもってこいの本です。先程解説した歴史的背景とともに読むと、より感心でき、面白く感じると思います。

また、仕事に不満を抱えていたり、今の職場が辛かったりとする人も、学問のすすめを読むことによって、職場に応用できる点が多くあると考えています。

まとめ

私は、歴史好きです。様々な時代を経て、現在があるのだと思うと、とても面白いです。学問のすすめは、実際に読んだ本でもあります。

歴史と照らし合わせると、すごく感動する作品ですので、これを期に読んでみて下さい。

また、学問のすすめは、現在まで様々な形で出版されています。活字が苦手な方は、漫画版もありますので、手にとっていただければと思います。

これから先、職場や人間関係などが多様化する未来が予想されています。
そんな中でも、学問のすすめを読むことによって、日々学びを忘れず生きることができると考えています。

フリスクン&大山俊輔