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『失敗の本質 −日本軍の組織論的研究−』のポイントを3つでまとめて要約しました!

『失敗の本質 −日本軍の組織論的研究−』のポイントを3つでまとめて要約しました!

今回は読書大好きな私が「人生を変えられた!」と感じるベストセラー「失敗の本質 −日本軍の組織論的研究−」の大事なポイントを5分で解説致します。

  • 「失敗の本質」が聞いたことあるけど、読んでない・・・
  • 気になっているけど、難しそうで中々手が出ない・・・
  • 組織の運営に行き詰まっている管理職・リーダーの方・・・

Takeshi

根っからの営業マン。不動産、医療、介護業界などでずっと仕事をしてきました。失敗の本質も何度か読み直す過程で仕事に役立てようとしています。MBA保有。

この記事では、読書嫌いの方にでもベストセラー名著『失敗の本質』のエッセンスが分かるようにポイントをまとめました。

要約を見てから購入するか判断したいという方から、まずはまとめだけ見てしまいたいという方まで私の感想も含めて手短かに解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

そもそも『失敗の本質 −日本軍の組織論的研究−』はどんな本?

この本を一言で言うと「旧来からの日本の本質を解き明かし、それを現在に活かすための気付きを与える」本です。

第二次世界大戦中の日本軍の6つの軍事作戦から日本軍の失敗の本質を分析し、
その本質が単なる軍事作戦上だけでなく、現在の日本にも通ずることを明らかにしています。

第1章 失敗の事例研究(6つの軍事作戦の詳細研究)
第2章 失敗の本質(失敗の分析)
第3章 失敗の教訓(失敗の本質と現在への課題)

という構成になっています。

第1章で6つの軍事作戦を事細かに分析しており、普段から軍事的なものに親しんでいる方でない限り、
かなり難解のためここでつまづいてしまう方が多いようです。

ただそれを乗り越えてしまえば、普段ビジネスをされている方には大いな気づきを与えてくれる良書です。

「失敗の本質」の3つのポイント

それではここから「失敗の本質」の中でも私が特に大事だと感じたポイントを3つについて
実際に「失敗の本質」の中で実際に用いられたワードを基にわかりやすく解説します。

① 適応は適応能力を締め出す

”一つの組織が、環境に継続的に適応していくためには、組織は環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなければならない。こうした能力を持つ組織を、「自己革新組織」という。日本軍という一つの巨大組織が失敗したのは、このような自己革新に失敗したからなのである。”

戸部 良一,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎. 失敗の本質 (Japanese Edition) .

上記のように組織には環境適応できるように自ら革新する能力が必要です。
ここだけ見ると日本軍は環境適応が出来ない組織だったと想像できるでしょう。

しかし、本書では

「日本軍は環境に適応しすぎて失敗した」、

戸部 良一,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎. 失敗の本質 (Japanese Edition)

としています。

それはなぜか?

「適応は適応能力を締め出す(adaptation precludes adaptability)」

つまり環境に徹底的に適応しすぎたがために特殊化し、ちょっとした環境に変化に再適応できなかったと述べています。

・・・ご自身の働いている環境にも同じこと言えませんか??
これを見た時、私はかなりドキッとした記憶があります。

② 失敗の蓄積・伝播を組織的に行なうリーダーシップもシステムも欠如

日本軍と米軍の差の一つとして語られる「学習できる」組織であったかどうか

ハワイ奇襲作戦・マレー沖海戦で戦果を上げた日本軍ですが、この2つの敗退から米軍はその後の戦略を変更するほど学習しています。

ガダルカナル島での一斉突撃という日本軍の戦法は全く功を奏さなかったにもかかわらず、その後の戦場でも繰り返し行われました。

失敗を情報共有し、それを改善策につなげるように組織文化がなかったこと、その情報を共有するシステムも欠如していたこと、これが徹底的に日本軍と米軍の差を時を追うごとに開かせた要因だと思います。

果たして今の日本企業にこのような組織文化・情報共有システムを存分に活用できている企業がどれだけあるのでしょうか?

③ 不均衡の創造

環境に変化のない状況であれば組織はその環境に適合すれば良いですが、その環境が激しく変化する場合はどうでしょうか?

適合しているその組織を変化していかなければなりません。

環境が変化した場合には、諸要素間の均衡関係をつき崩して組織的な不均衡状態をつくり出さねばならない。均衡状態からずれた組織では、組織の構成要素間の相互作用が活発になり、組織のなかに多様性が生み出される。

適応力のある組織は、何かしらの不均衡を自ら作り出しています。

女性管理職の割合増加など政府が数値目標を公言しています。
「多様性」・「ダイバーシティ」などの言葉も巷でよく聞かれます。

自ら均衡状態を崩し、その結果多様性が生み出されるべきであるにも関わらず。
日本企業はそれが苦手なのか多様性を外部要因によって作り出そうと見えます。

そのような方法で多様性が生まれ、適応力のある組織になればいいですが「本質」に変化がない限り、日本軍の二の舞になりかねないので
私たち一人一人が考え続けなければいけません。

「失敗の本質」から学べること

「失敗の本質」を読んで私が感じた一番の思いは、「人生を通じ、学習し、変化(向上)し続ける必要がある」ということです。

自分の身の回りを見渡しても、

固定電話 → ガラケー → スマートフォン
ガソリン車 → ハイブリッド車 → 電気自動車

など大きく環境が変化しています。

今時ガラケーしか使えない人は、多くのサービスにリーチできないですし、ビジネスのチャンスも逃すことになります。

今回のコロナ禍の中で否応なくリモートワークに突入した企業も多かったでしょう。
そのツールを使いこなせない方も多く見受けられました。

環境が大きく変化する昨今、それに適応するよう自らを変えていかなければいけません。
それには日々学び、自身をアップデートしていく必要があります。
(変化を先んじることができれば、尚よしですね!)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は私の独断と偏見で「失敗の本質」の大事なポイント3つを紹介させて頂きましたが、本書には他にも多く現代のビジネスにも適用されるような示唆に富む分析が掲載されています。

「今回紹介されている3つのポイントをもっと詳しく知りたい!」
「その他の分析についても学びたい!」

という方は、是非とも本書を読んでみてください。

日々変化する環境の中で、環境適応への労力を惜しんだ段階で衰退が始まります。

これは個人でも企業でも同様です。
我々日本人の先人たちの教訓を活かすも殺すも現代に生きる私たち次第です。

私がこの本から学んだことは上述させていただきましが、読まれる方によって一番印象に残る箇所も変わると思います。
少しでも気になりましたらぜひ一度本書をお読みになっていただければと思います。

Takeshi&大山俊輔