ビジネス書の世界的な大ベストセラーである『7つの習慣』。読んだことはなくても、名前だけは聞いたことがある・・・という人も多いのではないでしょうか?
有名である一方、その本の分厚さや独特の言い回しのハードルが高いため、途中で挫折してしまう人もいるようです。
サイト管理人:大山俊輔
この記事では、名著『7つの習慣』の内容を、初心者向けに分かりやすく要約しました。『7つの習慣』を難しそう、と敬遠している人や、過去に途中までしか読めなかったけど、内容が気になる方という方。あきらめるのはまだ早いですよ!わかりやすい要約を心がけましたので、エッセンスだけでも理解いただければ幸いでございます!
目次
『7つの習慣』ってどんな本?
まずは『7つの習慣』がどのくらい読まれている本なのか、また『7つの習慣』の著者について紹介します。
自己啓発書の世界的な大ベストセラー
『7つの習慣』は20世紀に最も影響を与えたビジネス書第1位に輝いた大ベストセラーです。40ヶ国語に翻訳されており、全世界での販売部数は3,000万部を記録しています。
なぜ、全世界でそんなにも売れているのでしょうか?
それは『7つの習慣』の内容が、国や宗教、時代に関係ない普遍的なものだからです。『7つの習慣』以降のあらゆる自己啓発本には、この本の要素が必ず入っているとすら言われています。
著者のスティーブン・コヴィーってどんな人?
『7つの習慣』の著者である、スティーブン・コヴィーは国際的に高く評価されるリーターシップ論の権威です。アメリカのタイム誌によって「世界で最も影響力のあるアメリカ人25人のひとり」に選ばれたこともあります。
ビジネスコンサルタントの会社を立ち上げ、世界各国の政府や企業のリーダーに対しても、広くコンサルタントとして活躍。『7つの習慣』以外にも、ベストセラー本を多数出版しています。
2012年7月、79歳で永眠されています。
どんな人におすすめの本?
『7つの習慣』はビジネスマン向けの本と思われているかもしれません。確かに、下記のような人たちにっては、特におすすめの本です。
- ビジネスで成功したい人
- 個人で事業を立ち上げたい人
- これから社会に出る新社会人
しかし、『7つの習慣』は人生で成功し、幸せをつかむための習慣について書かれています。あらゆる人の人生にとって必要なメッセージが込められているた、上記以外の人でも読むことで得られるものは大きいでしょう。
『7つの習慣』を読む前に知っておきたいこと
これから『7つの習慣』に書かれた習慣について、個々に説明していきますが、その前に『7つの習慣』を実践する前に知っておきたい考え方のベースについて、お伝えします。
「インサイド・アウト」へ「パラダイム・シフト」する
「パラダイム」とは世界に対する「その人のものの見方」のことです。これは、その人が生まれた時から得た知識や経験によって作られます。全ての人で異なります。
私たちは世界をあるがままに見ていると思いこんでいますが、実はこの「パラダイム」を通してみています。
多くの人が自分の見方や考え方が正しいと思いこみ、相手が間違っていると決めつけてしまいます。また、何かに失敗すると、他人や環境が原因だと言う人も多いのではないでしょうか?
コヴィー博士はこのような他人や環境など自分の外に原因を求める考え方を「アウトサイド・イン(外から中へ)」と呼んでいます。
『7つの習慣』が目指す考え方は、それとは逆の「インサイド・アウト(内から外へ)」です。
つまり、今の状況を変えたければ、誰か(アウト)が変わってくれるのを待つのではなく、まず自分(インサイド)が変わらなくてはならない。
そして、自分(インサイド)が変わるためには、「パラダイム・シフト」でものの見方を変えることが必要、ということです。
「関心の輪」と「影響の輪」について
特に、インサイド・アウトの概念を具現化するものとして、「影響の輪」と「関心の輪」という概念が登場します。
「関心の輪」とは、すなわち、「変えられないもの」です。あなたが直接的、間接的に影響を及ぼすことができないものです。芸能ニュース、世界情勢、経済、他人の感情も含めて興味を持つかもしれませんが、あなたの主体性を通じて変えることはできません(あなたが、いつか大きな存在になれば別ですよ)。
ですので、「関心の輪」からは距離を置くことを本書では勧めています。例えばですが、
- テレビを見ない。
- SNSで他人のマウンティングに振り回されない。
- ニュースを見て感情を上下させない。
などなど、身近にできることはたくさんあります。
一方で、「影響の輪」とは「あなたが変えられるもの」です。具体的な自分自身の努力や行動によって自分が変化することを通じて、周囲に直接・間接的に影響を及ぼせるものこそ、あなたが常にアンテナを貼るべきことなのです。
サイト管理人:大山俊輔
「パラダイム・シフト」と「インサイド・アウト」
これが7つの習慣の実践する前に身につけておくべき考え方ですので、ぜひ覚えておいて下さい。
「原則」を大切にして「人格」を磨く
「7つの習慣」には、「原則」と「人格」という言葉が頻繁に登場します。
「原則」とは時代や場所が違っても変わらない、価値観や真理のことです。例えば、人としての「誠実さ」「正直さ」「人間の尊厳」「貢献」「可能性」「勇気」などが挙げられます。
また、「人格」とは簡単に言うと「自分がどういう人間か?」ということです。人格と言うと、生まれもった性格というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、コヴィー博士は、人格は生まれついてのものではなく、後天的に作られるものだと語っています。
「人格」は自分を支える土台のようなものです。よって、いくら表面的なスキルやテクニックで自分をよく見せても、「人格」を疎かにしては成功することはできません。
誰もが価値を認める「原則」を大切にして、人格を磨く。それを実現するための具体的な行動が『7つの習慣』に書かれています。
『7つの習慣』を実践した先にある「自立」と「相互依存」
『7つの習慣』は
- 個人が「自立」するための「私的成功の習慣(第1~第3の習慣)」
- 自立した個人が「相互依存状態」になるための「公的成功の習慣(第4~第6の習慣)」
- その状態を維持するための「再新再生の習慣(第7の習慣)」
と大きく3つの段階に分けられます。
人は生まれた時は誰しも人に「依存」している状態です。
それは当然です。自活する能力のない子供からスタートして、そこから少しずつ成長し、自分の人格を磨くことで、「依存」状態から「自立」する。そして「自立」した個人が対等な関係で協力し合う「相互依存」状態になるために必要な行動が、『7つの習慣」なのです。
『7つの習慣』のそれぞれの習慣を徹底解説!
7つの習慣全体図
では、『7つの習慣』のそれぞれの習慣について、詳しく解説していきましょう。
第1の習慣 主体的である
第1の習慣は「主体的である」ことです。これは「自分の行動を自分の価値観に基づいて選択すること」です。
例えば人に悪口を言われた時。感情的になって「不機嫌になる」のか、私の欠点を教えてくれたことで「感謝すること」のかはその人の選択です。
私たちは主体的に行動を選択しているように見えて、感情的・反射的に行動を選択していることがしばしば起こります。しかし、状況や条件づけに左右されているのでは、動物と変わりません。人間は動物にはない「自分の反応を自分で選択する能力」を持っています。
自分の行動を主体的に選択する、という習慣を身につけるための方法はとてもシンプル。日々の自分の反応が「主体的な選択か?」「単なる反応か?」と問いかけ続けることです。
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
スティーヴン・コヴィーは第2の習慣について、
”自分の葬儀の場をイメージしてみてほしい。そして、弔問客たちに、あなたの人生をどのように語ってほしいか、深く考えてみてほしい。”
と述べています。
これが、第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」ということです。
つまり、自分が人生の終わりに「どうありたいか」を考えてから、今日という1日を始めるということです。
私たちは、目の前の現象に囚われすぎて、自分が目指すところを疎かにしがちです。人生の最後に「どうありたいか」を考えることで、今日からの行動は確実に変化していきます。
この習慣を身につけるためには、著者は下記のような「個人のミッションステートメント(自分のための憲法)」を書き出すことをすすめています。
- どのような人間になりたいのか(人格)
- 何をしたいのか(貢献・功績)
- それらの土台となる価値観と原則
ミッションステートメントを自分の行動の基本ことで、自分が思い描いた最後に確実に近づいていきます。
第3の習慣 最優先事項を優先する
タイトルを見たあなたは「最優先事項を優先する?そんなことは当たり前じゃないか」と思ったかもしれません。しかし、私たちはしばしば自分にとって優先すべきことを優先していないのです。
コヴィー博士は物事を重要度と緊急度で分ける方法を紹介しています。この時の重要度は第2の習慣に出てきた、ミッションステートメントに照らし合わせることで決まります。
1番重要なのはもちろん「重要度も緊急度も高いこと」です。
次に重要なのが「重要度が高く、緊急度が低い」(第2領域)ことです。しかし、私たちはこの第2領域を優先していません。
人間関係を育てる、将来のための勉強をする、などの未来への投資のための行動がこの第2領域を含まれます。これは、自分で意識して時間を使わないと、疎かにされがちな行動です。
「重要度は低いが、緊急性が高いこと」=電話や無駄な会議、無意味な付き合いなど
「重要度も緊急性も低い」=遊び、テレビ、待ち時間など
私たちはこれらに時間を取られてしまうことが非常に多いからです。強い意志を持ってこれらにかかる時間を極限にまで減らします。そして、
「重要度が高いが、緊急性は低いこと」に積極的に時間を投資するようにして下さい。
第4の習慣 Win-Winを考える
「Win-Win」とは、「自分も勝ち、相手も勝つ」という考え方です。つまり、人間関係において、みんなが望ましい結果を得て満足する状態を目指す姿勢です。
世間には「自分が勝ち、相手が負ける」という「Win-Lose」。逆に、「自分が負け、相手が勝つという「Lose-Win」という考え方がはびこっています。
コヴィー博士はWin-Winを実現できないときには、勇気を持ってNo Deal(取引しない)を選択すべきだと語っています。
「自立」した個人が、互いに信頼関係を築くことができれば、必ずいつかWin-Winの関係を築くことができるからです。
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
Win-Winの関係を築くために重要になってくるのが「まず理解に徹し、そして理解される」という姿勢です。
つまり、自分のことを理解して欲しければ、まず相手の話を聞きなさい、ということです。
そのために必要なことが下記の4つの段階です。
第1段階 相手の言葉をそのまま繰り返す
第2段階 相手の言葉を自分の言葉に置き換える
第3段階 相手の気持ちを言葉にする
第4段階 相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に、相手の気持ちも言葉にする」
私たちは相手の話を聞く時につい評価したり、助言しようとしたりしがちです。しかし、まずは相手の身に共感して、相手に感情移入すること。それによって、相手も心を開いて、信頼関係を築くことができるのです。
第6の習慣 シナジーを創り出す
シナジーとは、簡単にいえば、全体の合計が個々の合計よりも大きくなるということです。
つまり、一プラス一が三にも、それ以上にもなる状態です。個人個人が出した案よりもベターな第3の案ができた時、シナジーが創り出されています。
シナジーには次の3つが必要です。
- 高い「信頼残高」
- Win-Winを考える姿勢
- まず相手を理解しようとする努力、
全ての人が第1〜第3の習慣を実践して「自立」していること。そして、第4~第5の習慣も実践し、相手との違いを尊重した時に初めて、高いシナジーが生み出されるのです。
第7の習慣 刃を研ぐ
最後の習慣は「刃を研ぐ」です。これは、第1~第6の習慣を果たすために最も大切な「あなた自身」を常に手入れし、高めていくことです。具体的には、四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)をそれぞれ磨いていきます。
*肉体
体に良いものを食べる・十分な休養をとってリラックスする・定期的に運動を行うなど
*精神
個人によって磨く方法は異なる。
揺るぎのない穏やかで、明るい心をもつこと。ミッションステートメントを守り抜こうとする意志。
*知性
読書などを通して、先人の知恵や知識、思考法を常に学び続ける。得た知識を適切にアウトプットする。
*社会・情緒
社会で良好な人間関係を築く。それによって、情緒が安定する
この4つの側面をバランスよく磨くことで、第1〜6の習慣にも良い影響を与えて、好循環が生まれていきます。
まとめ
今回は「7つの習慣」の内容を初心者向けに要約したものをお伝えしました。
この本は、ビジネス成功のための原理や幸せになるための近道が詰まっています。時代や世界を超えて読まれている本です。もっと内容を詳しく知りたい方はぜひ『7つの習慣』を自分でも読んでみて下さい。
日本では『7つの習慣』は漫画も出版されています。具体例を交えながらわかりやすく紹介されていますので、分厚い本が苦手という方は手にとってみてはいかがでしょうか。
大山俊輔