ラグビー日本代表の試合だったり、チュートリアル徳井の脱税事件だったりとテレビを一切見ないはずの私でも多少は世の中の動きが気になってしまう。そんな令和初の10月もまもなく終わります。
あー、いやいや。
そんな事知ったって、自分の人生には関係ないし。
なんて、思いながらこれだけ大きなニュースですと流石に気になってしまいます。
ところがどっこい、こうして自分が変えられないものに気持ちの焦点を持っていくことはとてももったいないな。
そんな風に思った時にふと出てきたのが、『7つの習慣』にも登場する「影響の輪」と「関心の輪」の概念です。
サイト管理人:大山俊輔
このエントリでは、名著『7つの習慣』でも登場した「影響の輪」と「関心の輪」という概念を紹介します。
令和元年となる2019年は様々なことが起きています。
世界の景気減速、日本の消費増税、台風等による天災の被害・・・。
確かに、世の中は理不尽な外部ファクターにより私達の人生やビジネス・キャリアにも影響を与えます。
ですが、自分自身が変えることができるのは「自分の影響の輪」のみです。ついつい、外に対して不満が出てしまう時にこのエントリを参考にして、日本中を「影響の輪」でいっぱいにしていきたいです。
目次
「関心の輪」と「影響の輪」について
私達は日々の中で様々な問題(関心事)に向き合っています。
その関心事は、あなた自身が影響を及ぼすことで変えることができるもの。また、それができないものがあります。
例えば、世界の貧困問題やテロの問題はもちろん大変な問題ですよね。
台風がくるかこないのかも残念ながら現在の私達は祈るしかできません。
あるいは、TOKIOが解散するのかしないのかも私達にはどうすることもできません。
こうした関心の対象は、私達が影響を及ぼすことのできない(コントロールできない)問題です。
一方で、明日自分が何時に起きるのか。
あるいは、ギリギリに起きて慌てて食事もせずに会社に行くのか余裕を持って起きて本を読んで会社に行くのか。
こうしたことは、自分自身が影響を及ぼせる(コントロールできる)問題です。
サイト管理人:大山俊輔
『7つの習慣』では私達の周囲の出来事などは、その関心の有無と影響を行使できる属性のものであるのか否かで分類し、そして、優先順位付けをすることができます。これが「関心の輪」(Circle of Concern)と「影響の輪」(Circle of Influence)の概念です。
関心の輪に集中すると危険なわけ
世の中には、影響を及ぼせないことにばかり気持ちの焦点がいってしまう人がいます。
・ 芸能人のスキャンダル(チュートリアル徳井の脱税事件を変えることはできませんよね)
・ 米中貿易戦争(アメリカと中国の間に入って仲裁できるほど、私達は大物ではありません)
・ 電車に乗り遅れて運転手にムカついた(運転手さんに説教する意味はありません)
・ 厄介な同僚や顧客の悪口(人を変えることはできません)
・ 景気が悪いことに対しての政治に対しての不満(確かに辛いことですが自分一人では変えられない問題です。民主主義で一票を行使しましょう。)
こうした、影響を及ぼすことができない「関心の輪」に意識を向けすぎると非常にストレスがたまります。
なぜなら、関心の輪にある問題は自分が変えることができる対象ではないからです。
こうして、溜まったストレスはさらに増幅して更に変えることのできない関心の輪ばかりに興味が向かいます。
こうなると、常時ニュースを見ながら自分一人では変えることのできない問題に文句を言ったり、これまた、どうしようもない芸能スキャンダルの評論家になってしまったりします。結果としてその人が影響を及ぼせる輪がますます狭くなってしまいますよね。こうなると、一生不平不満路線の人間になってしまいます。
そうならないようにするのが、「影響の輪」の概念です。
「影響の輪」に集中すべきわけ
コヴィー博士は『7つの習慣』の上部概念として「インサイドアウト(内から外へ)」を紹介しています。
何故、あらゆる習慣に先立ってこの「インサイドアウト」を紹介しているかというと、あらゆる変化は自分の内側(自分の思考、行動)からはじまるからです。
子供がすくすくと育ってもらいたいのであれば、「まず自分自身が良い親になる」。
良い会社にしたいのであれば、「経営者自身が良き一個人となる」。
そのために登場する「第1の習慣」が「主体性を発揮する(主体的である)」です。
主体的になれば、あなたの興味の関心は「あなたが変えることができるもの」に集中します。
そうすれば、あなたの影響力により、何らかの変化を与えることができます。こうして、あなたが影響を及ぼすことのできる範囲が、家庭から会社へ、そして、より大きな輪へと変わることだってあるかもしれないのです。
私たち一般人の変えることができるもの、変えることができないもの
それでは、ここでは具体的に私達が変えることができるものと、できないものを考えてみましょう。
つまり、私達は売上10兆円を誇るグローバル企業のCEOではありませんし、日本の総理大臣でもなく日々頑張る一個人という設定です(合ってますよね)。
「関心の輪」=「変えられないもの」=「あなたが直接的、間接的に影響を及ぼすことができないもの」=極力関心を持たないようにする
ここから、分かることは「関心の輪」とは現状のあなたが「変えられないもの」です。「変えられないもの」の代表としては、「過去の出来事」「他人」「自分の周囲外の問題」を指します。身近な話で言えばこんな感じでしょうか。
「過去の出来事」
・ 学生時代の努力不足でいい大学に行けなかった
・ あの時もう少し勇気があれば起業していたのに
・ 好きな人に告白できなかった
「他人の課題」
・ 職場の同僚の発言がムカついて仕方がない
・ 電車が予定時刻より早く来て乗り遅れて運転手に対して苛立った
・ クレーマー対応が大変でネガティブになってしまった
「自分の周囲外の問題」
・ 世界の貧困問題
・ 米中経済戦争による世界経済の不安定化
・ 芸能人のスキャンダルや政治家や官僚の汚職問題
いかがでしょう?私達はこうした問題を変えることはできませんよね。
もし、1日24時間の中で自分がこうした問題に時間を使っていることが多いと思ったときには是非、後述する「影響の輪」に注力するようにしましょう。
このような思考パターンで生きていくとこのようになります。
「影響の輪」=「変えられるもの」=「あなたが直接的、間接的に影響を及ぼすことができるもの」=極力関心を持って行動につなげる
一方で、「影響の輪」とは「あなたが変えられるもの」です。具体的な自分自身の努力や行動によって自分が変化することを通じて、周囲に直接・間接的に影響を及ぼせるものこそ、あなたが常にアンテナを貼るべきことなのです。
上記のような過去の出来事や他人の課題やマクロ問題は自分で変えることができません。
ですが、例えば下記のように考えれば、「関心の輪」を「影響の輪」に転ずることは可能です。
「過去の出来事」→「未来の出来事」
・ 学生時代の努力不足でいい大学に行けなかった → これから頑張れば良い
・ あの時もう少し勇気があれば起業していたのに → 本当に起業したいのであればいつでも遅くない
・ 好きな人に告白できなかった → 次の人に行こう
「 他人の課題」→「自分の課題」
・ 職場の同僚の発言がムカついて仕方がない → 自分は人を幸せにしようと思う
・ 電車が予定時刻より早く来て乗り遅れて運転手に対して苛立った → 運転手さんを恨んでも仕方ない。次はもっと余裕を持って駅に到着しよう。
・ クレーマー対応が大変でネガティブになってしまった → 他人のふり見て我が振り直せ。自分は感じ良くしよう。
「 自分の周囲外の問題」→「いつか自分がビッグになった時に影響を及ぼせる(けど今じゃない課題)」
・ 世界の貧困問題 → 自分の成長と発言力の増大を通じてひょっとするといつか貧困問題に貢献できるかも!(でも、まずは、自分の身の回りから)
・ 米中経済戦争による世界経済の不安定化 → これは、問題が大きすぎ!(まずは、自分の身の回りから)
・ 芸能人のスキャンダルや政治家や官僚の汚職問題 → まずは一票を自分の信じる政治家に投票することでお勤めは果たしてる。あとは、自分が頑張ろう。
こうやって考えていくと、極力自分の興味の範囲は今の自分の実力で影響を及ぼせる範囲内に自動的に集約されます。そして、自分の影響の及ぼせない外部環境や他人に対しての不平を言う回数も自ずと減っていくことでしょう。
こんな感じのイメージです。
まとめ – まずは変わるのは自分
影響の輪と関心の輪の議論の行きつくところは「結局の所、変えることができるのは自分自身」ということです。「変えることのできない」ものに気持ちの焦点をずっと持っていかれると、本当にネガティブになってしまいますし、常に他人や環境のせいにする「他責の人」になってしまいます。
逆に自分と自分の影響の範囲を意識して自分が変わることのできる人は、スキルアップしたり、他人の評価もあがりますので、少しずつ、自分の影響を及ぼせる範囲が拡がっていくはずです。そうなれば、いよいよ、かつては関心の輪で遠い存在のように見えた大きな問題にも自分が影響を及ぼすことができるようになるかもしれませんね。
そうなると、いよいよ、『7つの習慣』でも出てくるように「公的成功」が見えてくるかもしれません。
ですが、「公的成功」の前にかならず「私的成功」が先立ちます。
その代表が、今回紹介した「関心の輪」と「影響の輪」の概念と言えるでしょう。
私も、ニュースに振り回されないように頑張ります!
それでは!
大山俊輔