大山俊輔
さて、仕事をしようと思った矢先に別のことで頭がいっぱいになることはないでしょうか?
・ 仕事をはじめたばかりなのにランチのことが気になる
・ 朝、すれ違いざまにぶつかった人のことを思い出す
・ 嫌いな人のことを考えてしまう
・ 失敗したときのことを思い出してしまう
動物はこんなことを考えることはないですよね。
生き物の中で唯一、人間だけが未来のことを考えることができます。
確かに動物は、老後のことを心配して貯金をしたりしません(笑)。
また、同じように人間だけが過去の行いを悔いたり、憤ることができます。
同じように、ワンちゃんが昔のことを思い出し怒りをしていたらビビりますよね(笑)。
かつて、人類も他の動物たちと同じように「今」だけを生きていた時期があります。
しかし、それは遠い昔のこと。
私たちは過去と未来を旅することができたからこそ、素晴らしい文明を作り出したのです。
一方で、あまりに日常でこの過去と未来の間を行ったり来たりすることは、脳にとって非常に疲れをもたらします。
いろいろと考え事をしていると、頭がボーッとしてきますよね。
ただでさえ、脳は体重の2%程度の重量しかないにもかかわらず、消費エネルギーの20%近くを使う大食漢。
そこで、気持ちを「今ここ」に持ってくるために最近ブームなのがマインドフルネスです。
マインドフルネス(瞑想)には様々なテクニックがあります。
そのいくつかを↓のエントリで紹介しています。
このエントリではすぐに実践できる「おっさんマインドフルネス」として、
・ ボディスキャン
・ マインドフルウォーキング(歩行法)
を紹介しました。
しかし、この3つも実践するには気持ちの切り替えが必要。
仕事の最中や、友達とカフェにいて雑談している合間に実践するのは難しいですよね。
でも、今、自分の頭は心ここにあらず。
なんとかしたい。そんな時にオススメなのが、「ラベリング」です。
ラベリングとは?
あまり難しく考えないでください。
ラベリングとはすなわち、自分の行動や感情を実況中継することです。
「あ、今鼻を触った」
「今、●●さんにムカついた」
「昨日の仕事の失敗を思い出している」
「なぜか、シモネタが思いついた」
「今、やるべき仕事じゃない作業になっている」
「蚊に刺されてかいてしまった」
こうしたことは、普通の方であれば日々起きていると思います。
しかし、人間の人間たらしめている前頭前野が実際に制御する思考や行動は40%程度。
それ以外は、自動運転モードでより原始的な部位で処理されています。
実際、あなたは歯を磨く時にこんなこと考えていませんよね。
・ 今日は歯磨きチューブからこれくらい歯磨き粉を出そう
・ 歯ブラシは右斜40度から磨こう
・ 歯を磨く時間は3分にしよう
こんなことをいちいち考えていると、人はあっという間に体全体で必要なカロリーを脳だけで消費してしまいます。
そこで、習慣化していることは基本、脳は考えないでも出来るようにしてくれているのです。
同じことが思考習慣でも繰り広げられています。
こうした、現在と未来の思考のタイムトラベリングは私たちが子供の頃からずっと繰り返されてきています。
しかし、作業、プレゼン、そして、ここ一番という集中が求められる時にこの状態ではベストパフォーマンスは出せません。そこで、人間脳である前頭前野にコントロールさせるためのテクニック。
それがラベリングです。
仕事がいまいちはかどらない時はきっと、あなたの頭の中でタイムトラベリングが無意識のうちに始まっています。一旦、実況中継者になった気分で自分の周囲、頭の中で起きていることを簡単な言葉にしてみる癖をつけてみましょう。
・ 雑念
・ ネガティブ
・ 他人のこと
・ 過去のこと
などなど、頭の中をよぎったことに対して簡単なラベルをつけると良いと思います。
そして、パソコンのデスクトップで使わなくなったファイルをドラッグ・アンド・ドロップでゴミ箱に運ぶときのことを想像してみてください。そして、ゴミ箱へ「ポン!」。
これで終了です。
しかし、それでも、頭の中にいろいろな感情が出入りしてしまう時。
そんなこともあることでしょう。
その時は座りながら、深呼吸を1度した後、ゆっくりと呼吸することに集中しましょう。
そして、その呼吸を数えるか、もしくは、
「吸っている」
「吐いている」
と呼吸そのものにラベリングをしてみてください。
これで、気持ちは今現在に戻ってきます。
そして、今ここにある仕事に集中できます。これこそが、シングルタスクですね。
人類はマルチタスクができない!(マルチタスクは百害あって一利なし!?の理由)
これも立派なマインドフルネスだと言えますよ。
簡単なので、是非実践してみてください!
大山俊輔
PS:それでもダメなくらい雑念Maxの時は、頭の中で「ストップ!」というのも一つです。