Hey guys.
しゅみすけです。本職は英会話教室の社長をやってます。
今日は「チェックリスト付き!シャドーイングでもオーバーラッピングでもないーリスニングに効果絶大な勉強法とは?」ってことで話します。
今回の話は、多くの人が気づいていない、でも、リスニングの真理のお話になります。
僕らが五感を使って、見る、聞くって行為をしてますが、このことが何を意味するのか。
この本質がわかれば「あっ確かに」ってシンプルな話なんですが、ほとんどの方が見落としてる大事なことです。
でね。皆さん、リスニングできるようになりたいですよね?
きっと、皆さんもいろんなリスニング勉強をしてると思います。
広告やYouTubeでシャドーイングがいいって聞いたらシャドーイング。
オーバーラッピングだと言われればオーバラッピング。
はたまた、TOEICの準備のためにディクテーション。
でも、ちょっとマシになったかなってくらいで、いざ、外国人と話したりドラマを見てたらちんぷんかんぷん。
下手すると良くなったのは、「シャドーイングとかディクテーションとか勉強法のネーミングに詳しくなったことくらい」という方も、いらっしゃると思います。
皆さんの気持ちはですね。本当によくわかります。
ただ、僕は、ちょっと違ったことがあります。
何だと思います?それはですね。
僕が英語学習をしていた頃、今のようにシャドーイングなんて市民権を得ていませんでした。
驚かれる方いるかも知れませんが、実は僕は英語学習者当時、シャドーイングやってません。
100%とは言わないですが、ほぼやってません。
オーバーラッピングも、ナンチャッテではやりましたが、ほとんどしていません。
でも、今日紹介する、とあることをやってたことでリスニングができるようになりました。
僕はぶっちゃけ、リスニングは海外生活が長い日本人のほとんどの方よりできる自信あります。
それは今日、この動画でお話する「とある」こと。
このことを無自覚ですがやってたからです。
今、情報過多の時代、ほとんどの日本人の英語学習者が、この素朴で当たり前のことをやってません。
今日これから僕が話すことは、私たちの脳がどのようにして、会話を聞いて理解しているのか。
そして、どうすれば、今まで聞けなかったものが聞けるようになるのか。
このことを脳科学、認知科学的な視点を入れつつ、実体験してもらえるように解説します。
実際のリスニングもしてもらうと同時に、注意すべき点をチェックリストとして公開します。
正直これから話す結論を聞くと、最初は「えっ。それだけ?」と拍子抜けすることでしょう。
そして、解説を聞いて理解することで、「あ、そういえば確かに」と納得するはずです。
そして、実践に移すことで今まで聞こえなかったものが、「あっ、聞こえた」という出来事が確実に前より増えることをお約束します。
ということで、楽しみにしておいてください。
今回の記事は、こちらの動画「チェックリスト付き!【ほとんどの日本人がやっていない】リスニングに効果絶大な勉強法とは?」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
それでは、皆さん準備はできましたか?
それでは、Let’s get into it!
目次
【90%の人が知らない】英語のリスニングを上達させる勉強法とコツとは?
まず最初に、結論です。
「シャドーイングでもオーバーラッピングでもないーリスニングに効果絶大な勉強法」。
それは、「黙って聴く、そして、黙って字幕を見る」。
僕は、この学習を「清聴」、正確には、「意図的清聴」と呼んでいます。
以上です。
って、それだけかよ?
そう思った方。
そんなあなたは、僕らが聞いて理解するって行為の本質をまだ理解できてないんです。
でも、僕達子供の時、日本語を聞いて理解できるようになるときも、子どもなりにこの「意図的清聴」をしています。
このことをした結果、日本語が聞けるようになってるんです。
ついでに言うと、話せるようになったんです。
論より証拠です。
まず、1つ、字幕を消した動画を使って体感することにしましょう。
このチャンネルは、いろんなレベルの方が聞いていると思います。
そこで、今回ピックアップした動画は、初心者の方には難しすぎず、簡単でもない。
そして、そこそこ聞ける方でも、あ、大体分かった気がするけど、聞き落とした。
そんなふうになるものを使うことにしました。
初心者の方から中上級の方いずれも、効果を体感してもらえると思います。
それでは、流してみます。
英語を聞いて理解するとは?
はい、聞いてみてどうでしたか?
初心者の方は、かなり難しかった。
中上級者の方は、60%~70%くらい聞けたけど、わからないこともあった。
そんな感じじゃないかと思います。
心配しないでください。
これから「意図的清聴」をやってみたら聞けるようになります。
そのためには、まず、最初に聞いて理解するってのが何を意味するのか。
僕達の脳で何が起きているのか。
これを知っておく必要があります。
まず、最初に「聞く」=「聴く」だと思ってる人多いと思います。
えっと、日本語では同音異義語なので、字幕無しで聞いてた方はわからないかも知れません。
最初の聞くがいわゆる聞くです。
2つ目の聴くが、耳編、聴覚、視聴覚室の聴の方の聴くです。
この2つの「キク」の違いわかりますか?
まず、2つ目の聴覚の方の聴く。これは、想像しやすいと思います。
純粋に耳で音を拾う行為のことです。
ここで問題があります。
多くの人は、リスニングの問題をこの聴覚の聴く、の問題だけだと思っています。
言い換えると、耳の問題、音の問題だと思ってるってことです。
確かに、この聴覚の方の聴くもリスニングンのテーマではあります。
でもね。別に僕ら、耳が悪いから聞こえないんじゃないです。
英語の会話の音自体は耳まで届いてるんですから、これは耳の問題じゃないです。
じゃ何が問題なの?ってことですが、本当に大事なのは最初の「聞く」です。
これは、正確に言うと「聞いて、理解する」ということ。
この違いわかりましたか?
聴覚の聴くは、リスニングの問題を耳の問題と思ってるってこと。
そう錯覚すると、同じ場所で何十回、ヘタしたら100回とかシャドーイング、オーバーラッピングして「それでも、聞こえない。自分は耳が悪いんじゃないか。」なんて、勘違いして、問題の本質からどんどん遠ざかります。
でも本当の問題は最初の聞く。
これがリスニングでした。
聴覚の聴くは耳の問題と錯覚すること。
でも、1つ目の聞くは「聞いて、理解する」。
これは、脳の問題なんです。
だから、解決策は何か、脳の何処かにあるんだということになります。
ちなみに、目や耳ってのは生理学的には脳の一部、脳の体外に露出した出先機関という見方もあります。このことを頭の片隅において、皆さんの頭の中で起きているリスニングっていう行為で私たちの体内で何が行われているのかを見てみることにしましょう。
これは日本語でも英語であっても私たちの体内で起きていることは一緒です。
では、見てみましょう。
②音情報を蝸牛で電気信号に変換する
③電気信号を脳の聴覚野に送る
④過去に自分が創造、培ってきた記憶情報・知識を物差しに「「意識が」」電気信号を評価する
⑤「意識」の指示に基づいて脳は下記いずれかを行う
こんなことが僕らの身体で起きているわけです。
なんか、難しいと思ったかも知れませんが、リスニングができるってのは、音を電気信号に変えて、その電気信号を脳が「過去情報のフィルタ」に基づいて、組み立て直して理解できる、あるいは、それがないので理解できない。
そういうことなんです。
ちなみに、これは目で見ている行為でも同じです。
僕たちが見てると思ってるのは、物体に光があたって反射した波形情報を目で一旦電気信号に変えています。
そして、その電気情報を脳内の「過去情報というフィルタ」に基づいて、再度脳内に映し出し直したものです。
話を戻します。
今、皆さんは、この「聞いて理解する」ところに課題があるわけです。
では、どうやったら聞こえるようになると思いますか?
何百回もシャドーイングすることだと思います?
違います。
さっきの私たちに体内で起きていることを時系列で見てみましょう。
そう、答えはひとつ。
自分の脳内にある過去情報というフィルタを書き換える。
これが正解なんです。
過去情報ってのは、皆さんの脳内に蓄積された記憶、情報、感情などすべての集まりです。
この過去情報の集まりが、脳の中でニューロンっていう神経細胞を通じてネットワークを作っていて、これがパソコンやスマホでいうところの、OSのような役割をしています。
つまり「聞ける」と言うのは、この過去情報のフィルタのネットワークがすでに構築されているのか、いないのか。
この違いなんです。
英語が聞こえるようになるには?
聞こえるか、聞こえないかの差は、「過去情報のフィルタのネットワークがすでに構築されているのか、いないのか」。この差でしかない、ということがわかりました。
となると、聞こえるようになるには何をする必要があるのでしょうか?
わかりますか?
そう、過去情報のフィルタを書き換える必要があるってことです。
そうすると、次の質問が出てくるはずです。
では、どうすれば過去情報のフィルタを書き換えることができるのか?
さっき言いましたよね。脳ってのは、パソコンやスマホといったコンピューターと同じです。
パソコンも、OSの中に入っていることをベースに情報を処理します。
入ってないことは、処理できません。
でも、パソコンやスマホって定期的に賢くなりますよね。
そう、OSアップデートです。
ようは、これなんです。
僕らの脳のOSをアップデートする、ってのは、「過去情報のフィルタを書き換える」ってことです。
でも、僕らはパソコンじゃないです。
プログラムをサーバからダウンロードしてインストールとかってしてませんよね。
でも僕らの脳って、ぶっちゃけ、パソコンより遥かに優秀です。
なぜかと言うと、パソコンと違って、脳は24時間365日アップデートすることができるからです。
ほんまかいな?と思った方。ほんまです。
もっと掘り下げて話してもいいですが、英語から話がそれるので、ここらにしておきます。
ただ脳のアップデートは1つ弱点があるんです。
なんだと思いますか?
脳は、パソコンと違って、とある起点となる行為がないとアップデートは全く起きないんです。
では、この起点となる行為は何だと思いますか?
ここでとある、キーワードがでてきます。
そう。「気づくこと」、つまり「気づき」です。
この「気づくこと」を通じて、僕らはいつでも自由に脳のネットワークの組み直しをして、OSのアップデートをすることができます。
でも「気づき」が起点であるため、気づきがある人は、どんどん変わってきますが、気づきがない人は前のまま同じ事を繰り返してしまいます。
これが、リスニングができようになる人、ならない人の差の部分です。
「清聴」が大事な理由と従来の英語のリスニング学習法に欠けていること
はい。ってことで、皆さんにもおなじみのリスニング学習法を振り返ってみてください。
そうすれば、気づきがあったのか、なかったのかがわかります。
例えば、リスニングで王道と言われているシャドーイング。
あるいは、僕が初心者に勧めているオーバーラッピング。
どうでしょう?
どちらも、だめっていうわけじゃないです。
ただですね。いずれの学習法にも弱点があるんです。
なんだと思いますか?ここまで聞いていると直感的に分かった方もいるかも知れません。
そう。この「気づき」が限定されてしまうんです。
やってみたらわかります。
とりあえず、シャドーイング、オーバーラッピングやってみます。
皆さんもやってみてください。
はい。では、ちょっとオーバーラッピングやってみます。
ちなみに、今回はドラマ風の教材です。
注意事項としては、1人で2役、3役はしないほうがいいです。
ますます、意識が逸れちゃいますから。
できれば、手間はかかりますが、今回はこっちの人、と決めた人のパートだけに集中するようにしてください。
あと、会話は早いです。
オーバーラッピング、シャドーイングで会話早すぎると、口が追いつかない人多いです。
僕らが英語を話すとき、必ずしも早口になる必要はありません。
早いと思ったら、速度を0.75とか0.5に落として全然問題ないです。
ただし、意図的清聴をする際は、実際の速度で行います。なぜか分かりますよね?
実際には、早口の人も遅いもいて、聞こえてくる英語の速度を落とすことはできないからです。
あと、早口で練習しすぎると、英語話すとき早口じゃないといけないって誤った観念を無意識の内に形成することもあります。
はい。では、流してみます。
はい。どうでしたか?
どこに意識を持っていった気がしますか?
字幕?音声?自分の動かしている口?
そう。いろんなことに意識を持ってかれています。
特に、口を動かすことにかなり意識とられますよね。
シャドーイングは、そもそも、聞けてない人は口パクになってしまったはずです。
オーバーラッピングは字幕も読むので、かなりマシですが、それでも、追いかけて口を動かすことに精一杯。
そんな方多かったと思います。
この状態でどうでしょう?
気づきはあるでしょうか?ちょっと振り返ってみてください。
そう。ほとんどないんです。
もしくは、かなり限定されてしまうんです。
気づきが少ない、ないということは何を意味するのでしょう?
そう、「過去情報のフィルタを書き換える」こと。
つまり、OSアップデートがほとんど起きません。
なので、聞き取りはあまり改善しません。
では、なぜ、シャドーイングやオーバーラッピングは気づきが限定されてしまうのか。
気になりますよね?理由は簡単です。
「脳は1つのことにしか集中できない。マルチタスクができない。」これが理由です。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の神経学者アール・ミラー博士は、こういっています。
「なにかをしているときに、別のこと、別のタスクに集中することはできない。なぜなら、2つのタスクの間で干渉が生じるからだ。人は、マルチタスクをこなすことができない。できるという人がいるとしたら、それは単なる勘違いだ。」
さて、オーバーラッピングにせよ、シャドーイングにせよどうでしょう?聞きながら、口を動かしてます。どちらも意識的行為ですので、マルチタスクなんです。
だから、「気づきが限定されます」。気づきが限定的だと、アップデートが起きないので、聞き取りの改善に限界がでてしまうのです。
こう理解すると簡単ですよね。
チェックリストつき!「清聴」実践時に必須の「気づきのポイント」
では、この「気づき」を最大化するためにどうするか。
それが、さっき僕が紹介した「意図的清聴」です。
ちなみに、「意図的清聴」って言葉ググっても出てこないので、多分、僕オリジナルの用語です。
「意図的清聴」のポイントは、自分の意識を「字幕を見る」こと、「音を聞く」ことだけに集中することです。
言い方を変えると、それ以外のことはしないことです。
とはいっても、ぼーっと見て聞くだけじゃだめです。
それだと、単に「清聴」、静かに聞いているしてるだけです。
ではなくて、「意図的」である必要があります。意図的、というのは、どういうことか。
そう。つまり、意識する、ってことです。
ただ、こう言われても何を意識すれば良いのかわからないと思います。
ここで、僕がチェックリストを公開します。あとで、もう一回、さっきの動画をこのチェックリストに基づいて、聞いてもらいます。
①比較(音 VS 文字)
人間の意識の仕方は、2つ方法があります。
1つは比べること。つまり、AとBの比較です。
そして、もう1つは焦点を合わせることです。
1つ目は比較ということで比較的練習しやすいと思います。
では、何を比較するのか。それは、「実際の音声」と「文字」です。
でも、僕言いましたよね。比較です。
では、ここで何を比較するのか。それは、「実際に聞こえてくる音」と「字幕の文字をベースに想定している音」を比較しています。
僕ら、日本人は学校で一応英語教わってます。
なので、字幕を見るとどう読むのかはだいたい予想できます。
ただ、この「どのように音として聞こえてくるのだろう」っていうのは、僕らの「過去情報のフィルタ」に基づいて多分こうだろう、って、思ってる音です。
でも、実際ネイティブの会話の音を聞くと違いますよね。
音単位でも違いますし、単語単位、文単位のリエゾンもあります。
こうした違いの部分にギャップがあります。
ギャップがあると、「あれっ」っとなります。
これが「気づき」です。
この「気づき」があると、「あ、こういうふうに実際ネイティブは発音するんだ、ということが、皆さんの脳でアップデートされます。
そうするとどうでしょう?
2回目当然ですが、聞こえる確率があがるってわけです。
はい。これはイメージしやすかったと思います。
オーバーラッピングしてる方も、ある程度、ここまではできてると思います。
ただ、「意図的清聴」をすることで、意識の焦点は比較することに100%向かいます。
当然、発声しながらするよりも、気づきの機会は俄然増えるわけです。
②焦点(特定のテーマに集中する)
2つ目の意図的清聴のキーワードは「焦点」です。
焦点、ってのは特定のことを意識するってことです。
このことを理解するため、ぜひ、試してもらいたいことがあります。
例えば、自分が駅まで歩くとします。
普段なら、何気なく歩いてしまうと思いますが、家を出た時に、「今日、駅までの道のりで通過するビルの中に、どれくらい、歯医者さんがあるのか意識して歩いてみてください。」と言われて歩いたとします。
どうなると思います?
普段なら意識せず通り過ぎてたビル、あるいは、そのビルの2階、3階、そして、通りの看板にも目をやります。
そうすると、必ず、自分が知らずに通り過ぎていた場所の中に、1つや2つくらいは歯医者さんが見つかると思います。
そうするとどうでしょう?
今後、同じ道を歩くときには歩き方が変わってきます。
「あ、そういえば、あのビルの3階に歯医者さんがある」とか、思いながら歩くようになるはずです。
なぜだと思いますか?
そう。あなたの「過去情報のフィルタ」がアップデートされたからです。
実は、英語でも同じ事をしないといけないんです。
ただ、「歯医者さん」ならぬ、英語のリスニングでどこに焦点を当てるかがわからない。
そんな人も多いと思います。
どこに焦点をあてるか?それは、これから僕がいう2つの点に注意するんです。
1)動詞+αをキャッチ
ということで、1つ目です。動詞+αをキャッチ。
これが意味することは、ずばり、主語と述語をキャッチするってことです。
会話って、基本、この3つのパターンなんです。
「〇〇が」+「⚫️⚫️だ」、「〇〇が」+「⚫️⚫️する」、「〇〇が」+「⚫️⚫️する」+「〇〇を」。
聞いて理解するってのは、会話の主語と述語がわかれば、言いたいことがわかるんです。
ただキャッチするのが難しい箇所があります。
それは、「⚫️⚫️する」の部分、つまり、述語の部分です。
逆に主語は、日常の会話の多くではそこまで難しくないです。
なぜかと言うと、ほとんどの会話って、I とか Youとか物を含めた固有名詞が主語だからです。
となると、難しいのは、述語の部分ってことなんです。
もちろん、レベルが上がると、主語の部分が関係詞とかで修飾されて長くなったり、動名詞なんかが主語になるともちろん、主語も難しくなります。
でも、当面は述語です。
となると、何が大事になってくるか。
それは、動詞なんです。ここで1つ問題があります。
会話の動詞って、ほとんどが、have / get / take / make / go / come / thinkとか身近な動詞の確率が高いんです。
今回の動画でもそうです。
でもどうでしたか?皆さん。
1回目に聞いたとき、結構、聞こえなかったものが多かったと思います。
なぜ、こんなことが起きると思いますか?
2つ理由があります。
1つは音の視点です。ちょっと考えてみてください。
さっき、僕が言った、have / get / take / make / go / come / thinkに共通することってなんだと思いますか?
発音が早かった?
そう、大事なポイントの1つ目は、スペルの短い単語なんです。
スペルの短い単語の多くは、発音が一音節です。
なので、音だけで聞き取るのは難しいというのがポイントです。
そして、もう1つ、こうした動詞の過去形を見てください。
had / got / took / made / go / came / thought、みんなバラバラです。
これが何を意味するのか。会話で、この音として聞きにくい、でも、述語の超重要キャラとなる動詞を瞬時に理解しないといけないんです。
じゃあ、僕らはめちゃ耳が良くならないといけないのでしょうか?
そんなこともありません。実はなんですが、英語を聞ける人って、別にこうした短い音を全部、音だけを頼りに聞いてるわけじゃないです。
じゃ、どうやってこの短い音で聞こえてくる動詞を拾ってるか。
それは、動詞の後ろに来る目的語や前置詞などとの組み合わせに慣れてるってことなんです。
言い方を変えれえば、「動詞+α」のフィルタが出来上がってるんです。
例えば、haveという動詞一つとっても、
もあれば、
もあります。
口語的には、どっちもほぼ同じ意味です。(have got = have)
あるいは、
I’ve got a good memory for names.
どうですか?
下の方が音だけを頼りに聞こうとすると難しいです。vegottamamoryってなんかごちゃごちゃで聞こえますよね。たとえば、
あるいは、
これも同じです。
音だけを頼りに理解しようとすると、2つ目はvegottasurpriseまでセットであたかも1つの単語のように感じてしまいます。
でも、英語聞こえる人はちゃんと聞こえてるんです。
なぜかって?もちろん、最初に聞いたときには聞こえてる人も、皆さんと同じようにごちゃごちゃできいてた時期があります。
でも、ちゃんと字幕、音と照らし合わせてそう聞こえるんだ。ってことと、haveって動詞がhave gotで言うこともあるんだっていう情報をここで「過去情報のフィルタ」としてアップデートします。
そして、haveっていいたら、I have a pen.だけじゃなく、have a surpirseだったり、have a memoryといった目的語が来るんだってことをここで、アップデートをします。
そうするとどうでしょう?
当然、似た会話を聞くことがあると、「あ、これは知っているものだ」というフィルタが作動するので、聞き取れるようになります。
これだけなんです。
もちろん、器用な人で、オーバーラッピングしながら同時にこうしたことをすべてできる、って人もいるかもしれません。
でも、さっきのMITのアール・ミラー博士の言葉を思い出してください。
「なにかをしているときに、別のこと、別のタスクに集中することはできない。なぜなら、2つのタスクの間で干渉が生じるからだ。人は、マルチタスクをこなすことができない。できるという人がいるとしたら、それは単なる勘違いだ。」
ほとんどの人は複数の対象に意識的活動をすることができません。
やってると思ってても、それは、勘違いだってことです。
2)連語(フレーズ)
あと、もう一つは連語を意識しておくとです。
ただ、ここで特に僕が注意しておいてほしいと思うのは、文頭に出てくるいわゆるフレーズ的なものです。
先程の会話でも、
I can see why you like him, Jenny.
You’re sure I haven’t interrupted anything?
I guess we’re at that age now.
Is it okay if we change our plan a bit this week?
I’m looking forward to meeting him.
Would you mind meeting him at the airport?
といった会話の前半部分(太字部分)を見てみてください。
こういう言葉の塊ともいえるフレーズは、皆さんの学習する英語で何度も何度も登場します。で、登場したときどうするか?
できれば、ここで、自分が登場人物だったらどうするか?
という視点で、文を少し書き換えておくといいです。例えば、
Do you mind if I sit here?
(ここに座ってもいいですか?)
Do you mind if I open the window?
(窓を開けてもいいですか?)
Do you mind if I ask you a question?
(質問してもいいですか?)
Do you mind if I borrow your pen?
(ペンを借りてもいいですか?)
Do you mind if I turn off the TV?
(テレビを消してもいいですか?)
こんな感じです。
こうすると、僕達の頭の中はどう書き換えられるか?
「Do you mind if」という塊が聞こえてくると、後ろには概ね、主語+動詞の文章がくるものなんだと、過去情報のフィルタが書き換えられます。
そうすると、実際、会話が聞こえてくると、Do you mind ifって聞こえてきたときには、どんなことを頼まれるかわからなくても、何か頼んでくるんだってことを半分分かった状態で聞くことができるようになっていきます。
こうやって、予測しながら聞くことを、予測文法って言ったりします。
リスニングが上手な人は、耳がめちゃくちゃいいって言うよりは、この予測文法力が高いおかげで、耳だけに頼らず聞けるようになっているからリスニングが上手なんです。
最終チェック
ここまでやると、かなり、皆さんの脳の中の「過去情報のフィルタ」はアップデートされたはずです。
理由は明白です。別に百回同じ場所をオーバーラッピング、シャドーイングしたからではないです。
ちゃんと、皆さんの脳がアップデートされて、新しい情報が上書きされたからです。
ここで、ちょっと練習も兼ねてこの気づきが本物の方なら聞こえる確率が高くなっているであろう、別の会話を今から流してみます。
この会話は、本質は、今聞いてもらったことと同じようなポイントが課題の会話です。
でも、話し手も変わってますので発音の癖も違います。そして、トピックも違います。
はい。どうですか?
かなり聞こえた気がしませんか?
まだ、難しい方は、さっきの箇所をもう2~3回やってみて、その後、この会話をもう一度聞き直してみるといいでしょう。
そうすると、だいぶん改善するはずです。
もうわかりましたよね。
人間は「気づかないと」ずっと、過去情報の書き換えが起きません。
なので、過去と同じ処理をずっと繰り返してしまいます。
そうなると聞こえないものは聞こえないままです。
悲しいけど、そういう生き物なんです。
だからこそ、以前、聞こえなかったものを聞こえるようになるには、まず、何度もシャドーイングする、とか、オーバーラッピングする前することがあるんです。
もうわかりますよね。「意図的清聴」です。
なぜかというと、「気づき」が大事だからです。
極論ですが、この気づきさえあれば、別にオーバーラッピング、シャドーイングしなくてもリスニングはどんどん伸びます。
実際、僕はそうでした。
それでもあえて、僕はオーバーラッピングを学習のメインにすべきと言ってます。
なぜだと思います?
それは、やはり、音読することが大事だからです。
そして、自分自身も発声して、自分の発音を良くしていくことも大事だからです。
そして、オーバーラッピングは初心者にとってバランスが良い学習法だからってことなんです。
はい。ってことで、今日紹介した「意図的清聴」は、オーバーラッピングやシャドーイングをする前にやってみてください。
意図的です。単に流し聞きしてもだめですよ。
今日のチェックリストに基づいてやってみてください。
そして、これから使う教材で「意図的清聴」するのは言うまでもありませんが、過去にやってきた教材についても、もう一回、「意図的清聴」してみてください。
取りこぼしていた「気づき」が大量にあることに気づくでしょう。
これができてる人は、同じ教材、同じ時間かけて学習したとしても、脳のアップデート回数が劇的に変わるので、リスニングの改善度もバク伸びします。
ということで、これが、今日僕が伝えたかったことです。
まとめ
はい。今日のまとめです。
今回は、チェックリスト付き!シャドーイングでもオーバーラッピングでもないーリスニングに効果絶大な勉強法とは?
ということで、多くの方が知らないリスニング法として「意図的清聴」を紹介しました。
この「意図的清聴」は別に勉強法として、大々的に誰かが紹介しているわけではありません。
やっぱり、シャドーイングやオーバーラッピングのほうが華がありますからね。
でも、華があっても大事なのは気づくこと。
気づかないと、フィルタをアップデートすることはできません。
そのためには、あえて、特定のことに意識を集中させる必要があるという話でした。
今日も最後まで見てくれてありがとうございました。
これからも、みんなの英語学習のあるあるの落とし穴におっこちないよう、その対処法もたくさん紹介していきます。
それでは次回の動画でまたお会いしましょう。
Bye guys!