- ドラえもんのび太の大魔境の解説がしりたいのあらすじが知りたい
- 大人が見ても面白い?
- 原作との違い
- 登場キャラを知りたい
- ジャイアンの活躍が知りたい
- 約束先取り機について知りたい
本記事では、ドラえもん『のび太の大魔境』のこのような疑問にお答えします。
ヌー
ドラえもん映画史上、ジャイアンが最も輝いた作品と言われる本作での、ジャイアンの活躍を観てください。いつものガサツなガキ大将ではなく、真のリーダーとしての姿がそこにはあります。 SFに馴染みのない人には少し難解に思えるかもしれない、タイムループ系の作品ですが、映画を見てよく分からなかった人は、この記事で理解したあとでもう一度映画を見ると、より楽しめます。
また、ドラえもんの歴代映画の一覧とランキングをまとめたページも作ってみました。
どのドラえもん「のび太の・・」シリーズをみてみようか悩んでいる方はこちらのエントリもご参照くださいね。
目次
あらすじ
ヘビースモーカーズ・フォレスト
いつもの空き地で「世界は調べつくされて、冒険が少なくなってきている」と、力説するジャイアンは、ドラえもんに頼み秘境を探すようのび太に命じます。
地球は調べつくされて秘境なんてないと言い切るドラえもんですが、一応調べてくれます。ママにお使いを頼まれたのび太は、空き地にいた捨て犬にソーセージをあげ、ペコと名付け可愛がります。
のび太たちと一緒にアフリカの衛星写真を見ていたペコは、散歩よりも写真を見ることを選びます。のび太たちが帰ると、ペコが見つけた写真に不思議な石像が写っていました。
出来杉に見てもらいますが、石像についてはさすがの出木杉も見たことがありません。石像がザイール川のコンゴ盆地の奥にあると聞いた出木杉は、『ヘビースモーカーズ・フォレスト』
という、最後の秘境と呼ばれている場所があると教えてくれます。
巨神像の地図
全員集合し、ジャイアンを探検隊の隊長として秘境に向かいます。どこでもドアで少し離れた場所に着いた探検隊は、怯えながら森に入っていきます。
謎の巨神像を目指す探検隊ですが、3kmも歩くと疲れてきます。のび太やスネ夫、しずかは用事があると言っては次々にどこでもドアで家に帰ります。
もっと刺激のある冒険がしたいというジャイアンを、【猛獣おびきよせマント】で猛獣に襲わせます。ジャイアンを襲う猛獣を、皆が交代でやっつけます。スリルを味わえたと満足するのび太たちですが、活躍の場のなかったジャイアンはひとり機嫌が悪くなり、今度探検なんて言ったやつはぶん殴ると、帰っていきます。
その夜、寝ているジャイアンの枕元に巨神像が現れ、一度思いついた探検を途中で投げ出すなと、巨神像までの地図を渡します。
再び乗り気になったジャイアンはみなに集合をかけ、昨晩の話しをします。スネ夫もしずかも塾や習い事がありますが、冒険を続けることに賛成します。
「腕と勇気だけで危険を切る抜けるのだ」
ジャイアンはひみつ道具を置いていくようドラえもんに命じます。
悔いるジャイアン
地図を頼りにジャングルを進む探検隊。川でワニの群れに襲われますが、ひみつ道具を置いてきているため太刀打ちできません。どこでもドアで逃げようとしますが、ワニにかじられ粉々にされます。
危機一髪の所で原住民に救われます。救ってくれた原住民の村には、巨神像の木像がありました。
酋長の話しでは、巨神像に会うには3つの命が失われると言います。のび太やスネ夫は帰ろうとしますが、ジャイアンは絶対に巨神像に行き、宝を持ち帰ると宣言します。 ジャイアンは、神を恐れない愚か者と言われ、怒った村人から村を追い出されてしまいます。危険が迫りながら帰ることも出来ず、みんなが愚痴を言い、ジャイアンは、「全部オレのせいだ」と、ヒステリーを起こします。
ジャイアンの本心を知るペコは、やさしく慰めます。
3つの試練
初めの試練、ライオンの群れに出会う一行ですが、道具がなく戦うすべがありません。突然、巨神像が現れライオンを叩きのめします。王国への道は開かれたという巨神像に質問するのび太たちですが、答えないまま姿を消してしまいます。
巨神像のことで盛り上がるのび太たちですが、ジャイアンは黙ったままです。【電車ごっこロープ】で雪原を越え、ヘビースモーカーズ・フォレストに辿り着きますが、オドロオドロの谷を越えなければ先に進めません。
みな怯みますが、ジャイアンは一番手を名乗り出ます。簡易エレベーターで谷の底に降りようとした時、崖が崩れジャイアンは落下します。【重力ペンキ】でどうにか谷底にたどり着きますが、そこでは死霊に襲われます。逃げ惑う一行ですが、ジャイアンは立ち向かい、死霊の正体を見破ります。
スネ夫が死霊の声の秘密を解き明かした時、ペコが正体を明かします。正体を明かしていいのか、のび太たちを見極めていたのでした。
ペコの王国
ペコの案内でバウワンコ王国に向かいます。大昔の地殻変動で外界と閉ざされ、独自の進化を遂げた国です。
王国はペコから王位を奪ったダブランダーに支配されています。ペコは父の腹心であったブルスス将軍の家に向かいますが、ダブランダーに襲われ廃墟となっていました。
庭では子犬のチッポが兵士に襲われています。飛び出してチッポを救うペコ。兵士はペコの姿を見て城に逃げ帰ります。
火を吐く車や空飛ぶ船を製造する奴隷として、村の人々は連れて行かれていました。救出に向かう間、ペコは日本に辿り着いた経緯を話します。
5000年前のバウワンコ1世は、空飛ぶ船などの兵器が、外の世界との争いの元になると考え、それらの武器の使用を禁じ、平和に暮らせる世界を作ったのです。巨神像は守り神として製造されました。
ペコの父王の代で、大臣となったダブランダーは世界征服の野心を抱き、父王を暗殺し、ペコも棺に入れて墓地に連れて行かれる途中、川に落ちました。そのままペコは川を流れ海で日本船に拾われ、日本でのび太たちに出会ったのでした。
バウワンコ1世の予言
城の地下牢に閉じ込められたブルススを救うため城に侵入し、救出に成功しますが、ペコの帰還が知られダブランダーの執拗な捜索を受けます。
のび太たちが来たことが5000年前の予言どおりだと言うブルスス。
『5000年後、10人の外国人が、巨神の心を動かして王国を救う』
残りの5人が来るのを待ったほうがいいのかも知れないとしずかは言いますが、ペコは待てません。
空腹の問題を解決するため、【先取り約束機】で空腹を満たします。約束を果たすため、明日は今日の分まで食べないといけませんが、空腹は満たされました。
のび太たちが見つからず苛立つダブランダーですが、コスは夜になるのを待てと言います。伝説にならい、必ず巨神像の心を動かしに来るので、そこを捉えるよう進言します。 夜になり、巨神像を目指す一行ですが、巨神像が目前に迫った時、ダブランダーの大群に囲まれます。
動き出した巨神像
ブルススが身を呈したおかげで巨神像に近づきますが、【火を吐く車】や【空飛ぶ船】の大群に襲われ、追い詰められます。
数で敵わないと悟ったペコは、皆に逃げ道を示し自分1人で巨神像に向かいます。黙っていたジャイアンも、皆を逃しペコの後を追います。ペコと口論になるジャイアンですが、最後には固く握手します。
「たけしさんは、ずっと1人で責任を感じていたのよ」
と、いうしずかに、黙ってうなずくのび太とドラえもん。3人とも後を追います。最後まで悩むスネ夫も合流し、ジャイアンは涙を流します。
巨神像に陣取るダブランダーの大群を前に、予言の残りの外国人は現れなかったと嘆くのび太。その時、しずかはあることに気が付き、【先取り約束機】を使います。
サベールたちに囲まれるのび太たち。最後かと思われたその時、未来からドラえもんたちがひみつ道具を持って助けに来ます。未来ののび太、ジャイアン、スネ夫、しずかが追手を引き受けるスキに、巨神像の内部へとたどり着きます。
未来のドラえもんの案内で巨神像の心を目指します。ジャイアンは途中宝の部屋を見つけますが、こんなものいらないと、先を急ぎます。 遅れるのび太は追手に追いつかれます。ペコがかばい相手と戦います。のび太も名刀電光丸で追っ手の相手をします。
心に辿り着いたジャイアンたちは全力で巨人像の心を押し、巨人像は起動します。動き出した巨人像は、ダブランダー軍を圧倒します。
逃げだしたダブランダーは王宮へ行き、姫をさらおうとしますが、間一髪でペコが間に合いダブランダーを捕らえます。 未来のしずかに、約束を守るよう言われたしずかは、タイムマシンで過去に遡り、ひみつ道具を持って自分たちを助けに行くと約束します。
ペコと姫に別れを告げ、今回の旅に満足するのび太たち。
「これで終わりじゃない。自分たちを助けに行くんだ。文句あっか」
と、ジャイアンの号令で、自分たちを助けに走り出します。
登場人物
ペコ
空き地でおなかを空かせて倒れそうなところをのび太に救われます。おなかを空かせていたのでペコと名付けられます。
バウワンコ王国の王子ですが、クーデターで国を追われ日本にやってきます。剣の名手であり、アフリカから日本に来るまでの船旅の間に日本語を取得した天才犬です。
ブルスス
ペコの父王の代から使える将軍。ダブランダーの兵に囲まれても臆さず、1人で戦うことでペコたちを巨神像内部に侵入させました。
チッポ
兵に襲われている子犬。ペコたちに助けられ、その後はいろいろと仕事を手伝います。
ダブランダー
バウワンコ王国の大臣だったが、世界征服の野心を持ちクーデターを起こします。父王を暗殺し幼いペコをも殺そうとしますが、失敗に終わります。
コス
ダブランダーの参謀です。
サベール
ダブランダーの部下。剣の名手で、ペコを抑えることができるのは彼しかいません。
みどころ
命がけのスリルを感じる大冒険がしたい。というジャイアンの思いつきからはじまった今回の冒険。ジャイアンは、ひみつ道具を置いていくという縛りまで作ります。そのことで、皆に危険が迫っていることを悔いるジャイアン。 言葉少なく行動で示そうとする姿勢が見逃せません。ジャイアンの活躍を是非堪能してもらいたいです。
今回は、ジャイアンの指示で、いつものひみつ道具を使えないという縛りがあるのも面白いところです。
しずかの機転で、未来の自分たちに助けて貰う代わりに、自分たちも過去の自分たちを助けに行かなくては行けないという、無限ループも見どころです。これって実は永遠にループするんですよね。
みどころ
1982年公開なので、なんと38年前の作品です。当時では珍しかったであろう、タイムループを取り入れるのがさすがの先見性ですね。それから38年、今では珍しくなくなりましたが、この作品のおかげと言っても過言ではないでしょう。
別の惑星には行きませんが、アフリカのジャングルの奥地に人とは違う進化を遂げた種族がいるという冒険心くすぐられる展開も良いですね。
ペコのような異世界の住人と友情を築き、共に問題を解決していくのはドラえもん映画の鉄板です。シリーズ第3作となる本作では、その手法が確立され、脚本のクオリティが高い作品ですね。
後の作品のような社会問題へのメッセージ性は弱いですが、出会いと別れ一期一会が涙を誘う、初期の傑作ですね。
ヌー