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ビートルズの「All my loving(オールマイラビング)」の英語歌詞・和訳をカタカナよみがな付きで徹底解説!

この歌は英語教材級-ビートルズAll-my-Lovingで発音・リスニング・英文法をマスター【カナ記号・和訳付き】

Hey guys.

しゅみすけです。本職は英会話教室の社長をやってます。

今日はですね。前回に続き、ビートルズで英会話、ということで、もう1回、ビートルズの名曲でバッチリ英語を学んでもらいます。
前回は、Norwegian Woodについて解説していますので、こちらの動画「【洋楽で英語学習】ビートルズ ノルウェーの森(Norwegian Wood)で発音・リスニング・英文法をすべて解説【カナ記号・和訳付き】」をご覧になってみてくださいね。

そして、今回紹介する曲はAll my Lovingです。

この記事では、ビートルズの名曲、All my lovingの歌から僕たちが学べる英語の文法、発音、そして、単語なども含めすべて解説します。僕は過去の記事でも、英語が話せるようになりたい、聞こえるようになりたいなら、まずはインプット学習をしましょう。中でも、初心者にはオーバーラッピングだって言ってきました。

でも、オーバーラッピングとかシャドーイングってイマイチわからない。本当効果あるの?って思ってる方。

たぶん、ここにもいますよね。そんな方にまずおすすめするのが洋楽なんです。なぜなら、実は洋楽を歌う行為って、よくよく考えるとオーバーラッピングそのものなんです。

オーバーラッピングをすれば、発音が良くなる。英語の語順に順応する。文法の勉強にもなる。そして、結果として英語を英語のまま聞き取って理解できる。

つまり、リスニング力が劇的に改善する。さらに言えば、スピーキングへの効果も絶大です。そう、いいことづくめなんです。僕の周りでも、なんかよくわからないけど英語そこそこ上手な人います。だいたいね、洋楽好きです。

今日紹介するAll my Loving曲も初心者にとっては、リスニング学習の練習でまず真っ先に取り組みやすい曲なんです。発音のポイント、文法などもバッチリ解説しつつ、初心者でもついてこれるようにカタカナ字幕もつけました。

ってことで、皆さん準備はできましたか?

それでは、
Let’s get into it!

今回の記事は、こちらの動画「【この歌は英語教材級】 ビートルズAll my Lovingで発音・リスニング・英文法をマスター【カナ記号・和訳付き】」でも解説していますので、あわせてご覧になってください。

ビートルズの「All my loving(オールマイラビング)」を選んだ理由

はい。まず、最初に、なぜ、今回All my Lovingという曲を選んだかをお話しておきます。

ビートルズってわずか8年間の活動期間中にどれだけの曲を作ったかご存知ですか。なんと、200曲以上。すごすぎですよね。

基本、ビートルズの歌は英語学習に向いた曲が多いと言われてますが、中でも、初心者向け、僕たち日本人にも馴染みの曲となると数が絞られてきます。

中でも、普段から僕が初級者向けのリスニング教材選びで、注意してもらいたい点として、最も大事なのが、シンプルな単文主体であること。どういうことかって言うと、主語・動詞主体で、特に、誰が・どうする・何を。このSVO文型中心のシンプルなものであること。

また、使われている単語が日々の会話でも登場頻度の高いコア単語中心であることなどです。

今回のAll my lovingも前回のNorwegian Woodに匹敵するくらい、シンプルな英語で中学英語主体です。皆さんのリスニング、スピーキング学習から、文法の学び直しまでピッタリと思って今回、紹介します。

この曲のポイントとして、いいな、って思ったことを上げるとすると、

  1. 命令文と平叙文に慣れられる
  2. 指図・禁止・依頼などの表現
  3. 意思の助動詞will
  4. 未来形の捉え方

この辺りが勉強になります。これは、このあと解説していきます。

「All My Loving」の作者名義調べたらびっくりしたんですね。作詞・作曲:Lennon–McCartneyになっていることです。あれ、2人なんだ、と思ってたんですが、実質的にポールマッカートニー作の曲だといわれてるそうです。僕も、この企画をすることで知ったんですが、ビートルズの曲ではこのように、名義上は共作の形になっているものが結構あるみたいなんですね。ただ、実質的には片方の手による曲、というパターンが多いようです。

ちなみに、この曲が作られたのはツアー中だそうです。「ちょっと詩人のように詩を書いてから、あとで曲を付けた」。とポール・マッカートニー本人が言ってるそうで、歌詞が先にできた曲で、あとで、メロディをピアノで作ったそうです。実際は、ギターの曲です。なお、曲中のリードボーカルは言うまでもなく、ポール・マッカートニーです。

では、ここで実際に曲を流してみましょう。前回に続いて、今回もちょっと援軍に来てもらって、音楽を再生することにします。

ビートルズの「All my loving(オールマイラビング)」実際に聴いてみよう!英語歌詞・カタカナ表記・和訳つき

ちなみに、歌う時、皆さんも意識しておくと良いことがあります。それは、以前別の動画でも紹介した喉発音を使うようにしましょう、ってことです。詳しくは「日本人が今スグに外国人の発音を手に入れる方法(発音記号やフォニックスなどする前に真っ先にすべきこと)」の動画をご参照ください。

ここでは超ザクッとやり方だけいいますが、あくびをふぁーあってやって喉を開いて、lower placementとなる声帯の上下辺りをベースポジションとします。声帯の下のゲップエリアだと、声が低すぎて、何箇所か歌えない箇所があったので今回はあくびでふぁーあってなる辺りで声を出すようにします。

では、今野先生ギター、僕、ボーカルということでちょっと字幕付きで曲を流してみます。はい。

Close your eyes and I’ll kiss you
Tomorrow I’ll miss you
Remember I’ll always be true
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you

I’ll pretend that I’m kissing the lips I am missing
And hope that my dreams will come true
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you

All my loving I will send to you
All my loving
Darling, I’ll be true

Close your eyes and I’ll kiss you
Tomorrow I’ll miss you
Remember I’ll always be true
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you

All my loving I will send to you
All my loving
Darling, I’ll be true

All my loving
All my loving
Ooh
All my loving I will send to you

ビートルズの「All my loving(オールマイラビング)」の英語発音・文法のポイント

はい。では、ここから曲を使った英語解説に入ります。まずは曲タイトル「All My Loving」から説明します。

曲タイトルの意味は「私の愛の全て」「僕のありったけの愛」といったかんじですかね。なお、日本語で「私の」と「全ての」を並べる場合「私の全ての」、直訳しちゃうと、My allになっちゃいそうですが、英語ではこのように「all my~」とすることが多いです。また「loving」は動詞「love」を名詞化した動名詞の形になっています。

loveは名詞でもあるので、all my loveでも文法的にはいいかな?
だけど、進行形にしたlovingの方が言葉に躍動感、動いてる感じが加わって、日本語でも愛、ってよりは、ありったけの愛、って感じが僕は感じ取れます。

Close your eyes and I’ll kiss you
Tomorrow I’ll miss you
Remember I’ll always be true

君の目を閉じて そして僕は君にキスをしよう(※1)
明日僕は恋しくなるだろう(※2)
覚えておいて 僕はいつも誠実でいる(※3)

では、ここから歌本番です。

“Close your eyes and I’ll kiss you”

前半close your eyesは主語なしの動詞からスタートしてます。命令文ですね。「目を閉じて」という意味です。ちなみに、目が「eyes」、複数形になっているので、両目を閉じてっていう場面をイメージしてください。

そして、後半、and I’ll kiss you、は、後半は未来形の文で「I’ll」は「I will」の省略形です。close your eyes の命令文+andで、・・してごらん、そうすれば、、、という意味になります。なので、文の訳としては、目を閉じてごらん、そうすれば、僕は君にキスをする、となります。他の例文でもう少し視点を変えて見てみましょう。例えば、

Go straight, and you’ll see the Tokyo tower.

Go straight, 命令文で、まっすぐいってください、and そうすれば、you’ll see the Tokyo tower 東京タワーが見えてきます。構成は同じですね。

Tomorrow I’ll miss you

ここでの「miss」は「恋しく思う」、「寂しく思う」ぐらいの意味の動詞です。発音はI willじゃなくて、I’ll、そして、miss you もくっついてミシューと聞こえます。全体で、I’ll miss youです。文全体で、明日僕は恋しくなるだろう、って感じです。

“Remember I’ll always be true”

これも、最初のClose you eyesと一緒で、主語なしで動詞「Remember」から始まる命令文です。「Remember」には「覚えている」、「思い出す」両方の意味がありますが、歌詞の文脈からいえばどっちでもいいです。

僕は、覚えておいて、としました。Rからはじまるので、舌をつけず、ウーっと犬の鳴き声みたいにしながら、ウーRemember.というと日本人でもRっぽく発音できます。I’ll always be trueは、I’ll=私は、always=いつもで、be動詞。be動詞は、イコール、なので、I’ll always be trueで僕はいつもtrue、誠実な状態でいる、つまり、誠実でいる、って言う感じです。

全文で、覚えておいて 僕はいつも誠実でいる、って感じの意味です。

And then while I’m away, I’ll write home every day
And I’ll send all my loving to you

そしてそれから僕が離れている間 毎日家に手紙を書こう(※4)
そして君に僕の愛の全てを送ろう(※5)

“And then while I’m away, I’ll write home every day”

ここは、「while~」は接続詞で「~の間」ということで、ここではwhile 「I’m away」という文が入っています。なので、And then、 そして、 while I’m away 僕が離れている間、っていう感じですね。文法的にはこっちが従属節です。

で、後半が、主文です。普通の会話なら、I’ll write home every day while I’m awayって感じで話すことのほうが多いですが、これは歌で、And thenとセットにしやすかったので、従属節が最初に来たのかなと思います。でも、どっちでもいいです。

で、後半の主文、I’ll write home everydayですが、I’ll write 僕はwrite=手紙を書く、home=故郷に家に、everyday、毎日ってことです。「誰の家なのか」という点が、文章上表れてはいませんが、歌詞全体の文脈や前のwhile I’m awayの流れからすると、「君のいるところの家」と解釈すればよいでしょう。

全文で、そしてそれから僕が離れている間 毎日家に手紙を書こうって感じです。

なお、主節がI’ll write homeってことで未来形になってるのに、while I’m awayの従属節の部分が原型なのはどうして?と思った人もいるかも知れません。文法的には、時や条件を表す副詞節における文は現在形って学校でならいます。諸説あるんですが、僕が一番しっくりくるのは、willってのは助動詞で未来って教わりますが、will自体は遡ると名詞で意志という意味があります。

当然、意志なので、心の動きが入ることが多いのですが、時や条件は意志は介在しないですよね。だから、条件節であるwhile I’m awayは原型でいいよっていう学者もいます。時と条件を表す副詞は他にも、when、after、before、until、as soon as、あと、if、unlessなどがあります。

If it rains tomorrow, I will stay at home. or I’ll stay at home if it rains tomorrow.
明日雨が降ったら、家にいます。
I will call you when you finish dinner. or When you finish dinner, I’ll call you.
君が夕食を食べ終わったら電話するよ。
“And I’ll send all my loving to you”

で、次、「send」(送る)という動詞は「何を」「誰に」という対象(目的語)を2つとることができる動詞です。ここの文では、I’ll sendの後、「all my loving」をto 「you」に送るってことですね。で、訳としては、そして君に僕の愛の全てを送ろう、そして、僕のありったけの愛を送ろう、となります。

I’ll pretend that I’m kissing the lips I am missing
And hope that my dreams will come true
僕は恋しく思っている唇にキスをしているふりをしよう
そして僕の夢がかないますように
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you
pretend: 振りをする
the lips I’m missing. ここになくて寂しい
hope+that節:~が~することを望む(hopeとwishの違い

次です。最初の、”I’ll pretend that I’m kissing the lips I am missing”の解説です。ここは、ちょっと文が実は複雑です。

最初に、「pretend」は動詞で「~のふりをする」という意味です。ここでは「that」以下のことのふりをする、という意味です。で、「that」以下の文ですが、I’m kissing、僕がキスをするって現在進行系です。で、ここでも、このkissingの後、the lips後ろにthatが省略されています。

なので、文章としては、

I’ll pretend that I’m kissing the lips that I am missingってのが正確な文章です。the lips that I am missingで、I=僕が、am missing=恋しく思っている、the lips=その唇を、っていう意味です。

一文にすると、僕は振りをするんだ、僕が恋しく思っているその唇にキスをしているって。日本語的に並べ直すと、僕は恋しく思っている唇にキスをしているふりをしよう。となります。でも、英語に慣れるためには、英語の語順のまま理解することに慣れていくことが大事です。なので、最初に僕が言ったような前から訳する語順の感覚で理解するほうが英語に慣れるのが早くなると思います。

“And hope that my dreams will come true”

ここは簡単ですね。冒頭の「And」は直後の動詞「hope」と前の文の動詞「pretend」とをつなぐものと解釈すると、意味が通じます。「come true」は「実現する」という意味の表現。ドリカムですね。覚えておくと便利だと思います。

ちなみに、動詞hopeの後ろが、my dreams come trueでした。以前、紹介した、基本動詞の回でも話しましたが、願い事系の動詞はhopeとwishがあります。hopeは後ろが現在形、未来、wishは仮定法になることが多いって話をしました。でも、そんなルール覚えるのは現実的じゃないですよね。

これも、イメージ覚えてたら一発です。

hopeは実現する可能性が高い願い事。素敵なプレゼントがほしいな、今年はいい彼氏が欲しい、なんてのは、「こうなってくれたらいいな」というポジティブな期待や希望ですので、目の前のことや近い将来のことです。こんなときがhope。だから、現在形、あるいは、willを伴う未来形になることが多いのです。一方で、wishの願い事は、実現する可能性の低い願い事です。

I wish I were a bird. 鳥になれたらなぁ、なんてのは、実現性がほぼない願い事。現実に反しているような出来事を空想する際に使うので同じ願い事でもwishで、後ろは過去や過去完了になります。なぜ、wishが仮定法になることが多いかもこれでつながったかと思います。っこれは、ちょいうんちくです。

All my loving I will send to you
All my loving
Darling, I’ll be true

僕の愛の全て 僕は君に送ろう(※6)
僕の愛の全て(※7)
愛しい人よ 僕は誠実でいる(※8)

“All my loving I will send to you”

ここは、前に出てきた文章「I’ll send all my loving to you」とほぼ同じといってよいですが、送るもの「all my loving」の部分が先頭に来ています。倒置みたいな感じですね。

で、次。

“Darling, I’ll be true”

「Darling」はカタカナ表記すれば「ダーリン」です。日本語では特に女性が使う言葉のように思われている節がありますが、英語上の意味は「最愛の人」といったようなもので、性別関係ないです。なので、Darling, I’ll be true. be trueで誠実でいる、といった感じです。なので、Darling, I’ll be true. で、愛しい人よ 僕は誠実でいる。といった感じですね。

はい、これで歌の説明はオッケーかな。大丈夫だね。

日本人のリスニングができない最大の理由とは!?

はい、いかがだったでしょうか?
前回のNorwegian woodに続いてこのAll my Lovingも英語学習という観点で見て、本当に学ぶことが多い歌でした。

皆さんね。リスニングというと、書店に行ってリスニング用の教材買ったりしませんか?
でも、なかなかいいものってありません。あるいは、YouTubeで聞き流し系の教材も多いですが、ホントに聞き流して、ぶっちゃけ、お寺の読経を聞いてる状態になってしまってる人も多いはずです。

リスニングで大事なのは、文字ベースで読んでみた時に8割9割の内容がわかる英語であること。だけども、音として聞いたら50%とか60%くらいしかわからないもの。これが第一の条件です。例えば、このAll my lovingも文字として読めば、知らない単語は、多分、僕のブログ見てる人はほとんどなかったと思います。

一方、音で聞いたらさっぱり?という方も多いはずです。実は、日本人のリスニングできない一番多い理由は、この、音、そして、英語の語順のまま理解できないから取り残されてしまう、ということが聞こえない最大の原因なんです。

焦って、単語帳買っても今日の歌に出てくる単語はほぼすべてご存知でしょ?

でも、聞こえなかった。なら、解決すべきは、まず、文字で読んで理解できる英語を英語のまま聞いて理解できるようになる訓練をするってことです。それが、オーバーラッピング、シャドーイングに代表される意図的なインプット学習です。今回のAll my lovingのような歌は、まず、こうしたインプット学習法を試す入り口としてドンピシャって思ってます。

あと、1つ大事なことは、こうした歌詞に登場する基本的な単語と意味から、実際にネイティブがこうしたシンプルな単語、いわゆるコア単語をどう使い回すかを学ぶことです。

実際、今回のAll my lovingの曲に登場した動詞を見てください。

close
kiss
miss
remember
be動詞
write
send
pretend
hope
come (true)

いかがですか?

英語が上手になる人は、意識してか意識してないかは別に、ネイティブがよく使うこうした基本単語の秘密に気づいて自分の英語のスタイルを変えていきます。

結果として、応用が効く基本動詞を様々な上手に使いこなすようになるので少ない単語で、いろんな場面で会話を作ることができます。当然、使う単語が絞られるので、脳の負荷も減ります。そして、結果的に自然と会話ができるのです。

これが英語が上手になる人に起きていることです。ってことで、前回紹介した基本動詞の回はこうしたよく使う動詞のコアイメージをしっかりと捉える上でとても大事なことを話しています。合わせて聞いてみてください。

まとめ

はい。今日のまとめです。
今回は、【洋楽で英語学習】ビートルズAll my Lovingで発音・リスニング・英文法をすべて解説、ということで、お話をしてきました。

この歌も、前回のNorwegian Woodに続き、基本動詞のおさらい、英語の基本文型を学び直すにはドンピシャの歌です。英語学習は楽しくない、という方も、これくらい短い歌でまずオーバーラッピングしてみて、その後、リスニング改善したら、ホント、儲けもんです。英語学ぶの絶対楽しくなりますので、まず、こうした洋楽のシンプルな歌から始めてみてください。効果は保証します。

それでは次回の記事でまたお会いしましょう。

今回の記事は、こちらの動画「【この歌は英語教材級】 ビートルズAll my Lovingで発音・リスニング・英文法をマスター【カナ記号・和訳付き】」でも解説していますので、あわせてご覧になってください。