私自身ロスジェネ世代ど真ん中の1975年(昭和50年)生まれ。
子供の頃は、バブル景気の大人たちを見てきてそして、社会人になってからは長期停滞の日本経済とともにしてきました。
団塊世代の次に大きな人口を持つロスジェネ世代。
日本経済はコロナ禍もあり、ますます厳しくなることでしょう。
減っていく市場に狭まる仕事の選択肢。
そのような中、確実に年を重ねていきいずれ50代、60代に突入する私達ロスジェネ世代は国にも家族にも頼れないことを前提に、次のライフプランを考えておく必要があります。
このエントリではそんなロスジェネ世代のサバイバル論についてまとめています。
目次
ロスジェネ世代の状況
日本経済については、今までも様々なエントリを書いてきましたが非常に厳しい状況が続きます。
- 1997年からほとんど成長しない国内市場
- 少子高齢化により年間50万人以上(中核都市以上)の人口が失われていく
- 社会保障の給付年齢のスライドと現役年齢の高齢化
つまり、あまりもらえない社会保障のために長いこと働かなくてはならない状況です。
このような状況で私達ロスジェネ世代を見てみましょう。
ロスジェネ世代人口:2000万人弱
平均年齢:30代後半~40代前半(2020年時点)
実に、全人口の6分の1がロスジェネ世代に属していると言えます。
中でも、その2000万人のうち約400万人は非正規、フリーター、無職であると言われています。
では、なぜこのような問題が発生してしまうのでしょうか。
日本の課題は新卒時のポジションが生涯固定化してしまう身分制度です。
同じ能力であっても、社会人になったタイミングの時に仕事があったのか、なかったのかで身分が長期固定化されます。
つまり、正社員で潜り込めるのか、潜り込めないのかで勝負が決まってしまう、きわめて流動性が低く敗者復活戦の少ない労働市場であると言えます。
実際、大卒の就職率のグラフがここのありますが、ロスジェネ世代の就職率は一番悪かった2000年代初頭で55%です。
2010年代後半が80%近くあることを考えると、如何にこの世代が社会に出るタイミングで日本経済が厳しい状況にあったのかがわかります。
さらに、その正社員制度から漏れてしまうと、非正規雇用、パート、派遣などの仕事をするしかないのですが、こうした仕事では年功序列制度の枠外であるため、給料が増えていくことはありません。
したがって、30代、40代になっても給料が増えず、正社員の同世代との賃金格差は更に拡大していきます
日本の少子化問題の本質は、保育制度の問題ではなくこうした現役世代の貧困化、すなわち経済問題が理由です。
なにせ、結婚できなければ子供はうまれないですから。
保育業界いた自分がいいますが、保育園を作り続けても少子化は悪化し日本から子供いなくなりますよ
今後日本の状況は改善しない
では、日本経済が今後改善して現在40代前後のロスジェネ世代にチャンスがやってくる可能性はあるのでしょうか。
これは非常に難しいと言わざるを得ないでしょう。
実際、2010年代は一時的な景気回復(とはいえ、その成長率はお寒い限りですが)を通じて失業率は低下しました。しかし、その雇用の受け皿の殆どが介護、警備をはじめとしたサービス業界でした。また、大企業や公務員の採用も改善しましたが、この新卒至上主義社会では、その恩恵はその時期に社会人になる若者に限られてしまいます。
さらに、菅義偉政権では中小企業の淘汰なども進むことで、コロナ禍で厳しい状況にある中小企業が更に追い込まれて、こうした企業から失業者が発生し競合関係になることが考えられます。
菅義偉政権の政策が日本経済と中小・ベンチャー企業に与えそうな影響
つまり、20代から恵まれない雇用環境にあったロスジェネ世代に国や大企業から、何か恵みの雨のようなものが降ってくる確率は非常に低いと言えるでしょう。
ロスジェネ世代のサバイバル方法
このような恵まれない社会人生活を10〜20数年を送ってきたロスジェネ世代ですが、ひとつ、私達の世代の多くが理解していることがあります。
それは、お上には期待しないということ。
ことこのタイミングで、世の中に期待しても仕方ありません。
今の状況と付き合いつつ、なんとか、自分で食っていける状況に少しでも近づいていくしかありません。
それは、今、非正規雇用の方であっても、大企業で恵まれてる(ように錯覚している人)であっても同じです。
今の時代、大企業であれ、ある日突然はしごを外してくる可能性はあります。
私のように起業してしまっている人も、自社の事業に頼るのではなく、もう1つ自分をなんとか守るための体制を作っていく必要があります。
限られた時間で、しかも、資本を投資しにくい状況で出来ることはどのようなことでしょうか。
その1:自分で食っていくための手段を確保する
ブログ(アフィリエイト)
まずは、ブログです。
ブログとはいえ、単に日記を書くわけではありません。
ブロガーというと、作家さんであったり、有名企業社長や芸能人が書くものと思っている方がいましたらその誤解は早めに解くほうがよいでしょう。実際に、ブロガーの中には月間数百万から多い人では1000万円以上を稼ぐ人もいます。
では、どのようにして彼らはこのような報酬を手にしているのでしょう?
自分が比較的興味があったり、知っているジャンルでかつスポンサーがいる業界・業種を探してそことマッチした記事を定期的に紹介していくのです。
数百万とはいかずとも、月数万円でもここから所得を得ることが出来るようになればかなり気持ちも楽になりますよね。余裕が生まれて貯蓄したり、次のようなことも出来る可能性が生まれてきます。
非公開: 副業エンジニアと語る! – ブログアフィリエイトって?ブログを書くだけで本当に稼げるの?YouTube
次はYouTubeです。
これは、ブログと同じように初期投資をかけずに始められるというメリットがあります。
YouTuberの中には数億円稼ぐヒカキンのような人もいますが、そのようなジャンルを目指さずとも、次数万程度稼ぐユーチューバーは数多くいます。
ただし、ブログと比べるとYouTube(Google)というプラットフォームに依存するためある日突然、アカウントが停止されたりするリスクがあることも忘れてはいけません。できれば、ブログ、SNS、YouTubeなど複数のプラットフォームの1つとして見ていくのが良いでしょう。
非公開: ブログ・YouTube・Twitterのコンボは引きこもり系こそ採用すべき戦略クラウドソーシングで副業をする
次の可能性はクラウドソーシングです。
ランサーズ、クラウドワークスといったサービスが有名ですが、こうしたサービスに登録して仕事を探すのです。
エンジニアやデザインのスキルがある方ですと案件は山のようにあります。
ですが、今までネットは使うだけで作ることはなかった、という方も仕事は意外と多くあるものです。
例えば、記事のライティングであったり単純作業系の仕事も結構募集が出ています。
まずはこうした副業で少しずつなれていき、徐々にスキルを身につけるのが良いでしょう。
株などへの投資
仮にあなたが今までしっかりと貯金してきたという場合。
あるいは、上記のようなコツコツを通じて、手元に余裕ができてきた場合。
こうした時にはじめて株やFXなどの投資も考えてみても良いでしょう。
しかし、もともと株やFXが好きではない方が突然はじめてもなかなかうまく行きません。私も元証券会社にいましたが、性格的に株の投資は好きではなく、むしろ、こうしたブログのようなコツコツ積み上げていく作業が好きです。
なので、自分にそれなりに自信のある方が考えるのが第一。
そして、投資するとしても、それはあくまでも余剰資金の範囲で行うのが鉄則です。
本格的な起業
最終的に起業というのも選択肢としてあります。
私は、何も考えずに30歳の時に飛び出して起業しました。
何度か死にかけましたが、いまのところなんとかやってました。
しかし、コロナでまたピンチです。
起業といっても、居酒屋をオープンすることから介護事業所をつくること、あるいは、Webの会社をつくることまで選択肢は様々です。
しかし、一つ理解しておくべきは会社化して人を雇うことになるとそれなりの覚悟が必要なことです。今回のコロナ禍で、人を雇うことの意味を思い知った経営者は本当に数多くいます。
まず、大事なことは自分を守ることです。
ブログで1円でも稼ぐようになっている時点で、起業は起業です。
あわてず、まず、自分の生活に余裕がでるところまではこうした初期投資のかからない事業から始めるのが良いでしょう。
その2:自分は自分と割り切る(他人と比較しない)
次に、同年代の他人のことは意識しないことです。
- 学生時代、自分の方が優秀だと思ってたのに新卒で躓いて気づけば向こうは家もあって家族もいて・・・・。
- どうして、自分は・・・・。
こうした感情は持ってしまいがちです。
しかし、今の日本社会は前述のように新卒至上主義社会です。
この歪はまだしばらく、本当の崩壊に差し掛かるまでは続くことでしょう。
もちろん、政治活動などに身を投じるのもいいですが、まずは、自分がこうした厳しい世の中でもサバイバルしていくこと。その第一歩は比較しないことです。
大企業のサラリーマンも40代後半から50代になると黄昏研修など、理不尽な未来が待ち受けています。
確かに、家庭も持てて家も買えて羨ましいと思うかもしれませんが、彼らは彼らで定年まで、常に卑屈にしがみつく人生なんです。これもある意味可愛そうです。
最近よく聞く黄昏研修(たそがれけんしゅう)とは
であれば、ある種、そうした枠組みから外れたロスジェネに世代の人たちは、さっさと、自立する手段を確立して、こうしたゲームを見ないことです。厳しい世代ではありますが、私の知り合いでも30代、40代に入ってからこうした副業などで、余裕を得て自分の人生を楽しんでいる人は結構います。
まずは、他人と比較ないこと。
そして、少しずつでも前に進んで成長する自分を褒めてあげる。
これが大事です。
その3:何をするにせよWebの最低限の知識はこれを機会に身につける
最後にWebの最低限の知識です。
今まで、Webは読む側。
YouTubeも見る側。
こういう方がほとんどだと思いますが、今のうちに、少しでもいいので作る側、すなわち生産者側になる活動に加わることです。
例えば、ブログを作っていくにはこんな知識が必要です。
- レンタルサーバの契約とドメイン取得
- ワードプレスの導入
- ワードプレステーマを入れる
また、ワードプレスをカスタマイズしていこうという方ですとhtmlとCSSという言語の最低限の知識は必要です。
理想としては今すでに知っていることですが、慌てる必要はありません。
実地で作業していくうちに覚えていけばよいのです。
もし、それも心配という方でしたら1度でいいので最低限の知識だけはオンラインクラスなどで学ぶという選択肢もあります。
私も実際そのようにして、こうしたWeb周りの言語とillustrator/photoshopといった画像加工ソフトの最低限の知識だけ身につけました。
しかし、やらないで動かないのが一番もったいないことです。
はじめは、見た目が悪くても全然構わないので、初めていくのがよいでしょう。
その4:地方への移住
もう一つの選択肢は東京や大阪といった大都市圏から遠ざかっていくことです。
しかし、これをするためにはまず、上記のサバイバル法で書いたような方法でとりあえず生活できる程度の状況にしておく必要があります。
地方の最大のメリットは生活費の安さです。
なぜ、安いかと言うと仕事の選択肢が少なく平均所得が低いからですよね。
では、どのタイミングで地方移住を検討する価値が出てくるのか。
それは、上記1~3あたりのことに着手しはじめて、月3万円でもいいので自分の力で稼げる状態ができたときからでしょう。
それがない状態でいきなり地方に移住すれば、仕事探しからのスタートです。
見つかる仕事の多くは、労働集約的な仕事、つまり、時間の切り売りとなってしまう可能性があります。
そうなると、Webの知識を身に着けたり、ブログを始めたりといったことをする時間がなくなってしまいます。
だからこそ、まずは仕事の多い都会でまず今の状況にくすぶりながらも最低限の知識を身に着けて、売上があまりなくてもブログを始めて続けることができる状態まで持っていくことが大事だと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現状の平行線の未来は正直あまり明るくないというのが今の日本社会です。
国全体では厳しいところですし、ロスジェネ世代は更に報われなさMaxです。
このまま、50代、60代に突入すると体力や気力も衰え始めてしまいます。その前に、今、自分ひとりでも生きていけるようにするための、
基盤づくりをしておくことが大事ではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
大山俊輔