大山俊輔ブログ ー 脳科学による習慣ハック・歴史・経済のサイト

日本はコロナとの戦いを『玉川区役所 OF THE DEAD』的解決を目指すが、経済との戦いで一人負けする予感・・・・

玉川区役所オブ・ザ・デッドとコロナウィルス

大山俊輔

こんにちは。習慣デザイナー・ハビットマンShun、もとい、b わたしの英会話の大山俊輔です。

コロナウィルス騒動は本当に大変ですね。

子供の学校が急に休校になってしまった方、インバウンド市場が突如蒸発して大変なことになってる業界、そして、なんだかよくわからないリモートワークとやらをやってる方々。

当社もこんなページ作りましたよ。
参考 新型コロナウイルスに対するbの取り組み b わたしの英会話

人それぞれ、別々に大変な状況かと思いますが、この状況ですとリーマンショック超えは確実になりそうです。というか、昨年10月の消費増税で年率換算マイナス6.3%、いやいや、確定値はこんな数字出ましたよ。

明らかに政策ミスですが現状、企業や個人ができることといえばこんなパッケージくらい。

結局、借入になっちゃうんですよね。

今回のエントリでは、平時と非常時について。
そして、そこにゾンビ映画(ドラマ)と絡めてこのエントリを買いてみました。

ここで紹介するザ・日本的ゾンビドラマとして

『玉川区役所 OF THE DEAD』

をご紹介します。
かなりゆるゆるのドラマで怖い要素ゼロです。私は以前Amazonプライムで全部見ちゃいました(笑)。Netflixは取り扱いないかも?
Amazonプライムビデオはこちら

私のゆるーい予言ですが、日本はコロナとの戦いは『玉川区役所 OF THE DEAD』的解決を目指して、世界的にもそこそこ優秀な成果を出す一方、経済との戦いでも同様に『玉川区役所 OF THE DEAD』お役所的対応をして世界から取り残される。

これが私の悲観的シナリオです。
そうならないことをもちろん祈りながら書いていますよ。

ではいきましょう。

『玉川区役所 OF THE DEAD』とは?

まず、はじめに『玉川区役所 OF THE DEAD』を紹介します。
私はこういう番組の紹介は上手じゃありませんので、このドラマの冒頭でのシーンをご紹介します。

16年前メキシコで大発生したゾンビはやがて数が減り、20××年の日本ではその存在は日常化していた。 各地方自治体はゾンビを管理・捕獲する特別福祉課を設置した。しかし玉川区の特別福祉課はワケあり職員だらけであった。赤羽晋助も、目的もなくたるんだ人生を送っている。課を出入りする医科大准教授の幸田健司も、大のゾンビ好きという変わり者である。 そんな中、ゾンビ発生の連絡が入るが、予想外の騒動に発展する・・・・。

アメリカのゾンビ映画って基本ヤバいじゃないですか。
もうちょっと、ゾンビも足が早かったり、拡散スピードが早くて人類の対処が間に合わないうちに政府が崩壊して、生き残った人間が武装する。

そう、何がヤバいかというと人間がヤバいんです。

ですが、このドラマの設定ではゾンビパニックはさっさと解決します。
というのも、ゾンビが弱いから(笑)。思ったより歩くのも遅くて、政府も普通に機能している。そんなこんなしているうちに、人々はこの状況に慣れていき、日常に戻っていく。

そして、たまーに発生するゾンビ(このドラマでは人権に配慮して「死なないご遺体」と言います(笑))は各地方自治体にゾンビ専門の福祉課が誕生して、粛々と対処していく。

そんなパロディーゾンビドラマです。
今思えば、出演者はなかなか豪華で林遣都、広瀬アリス、金子ノブアキなど芸能界を全く知らない私でも名前は知ってる人々が出演してます。

『玉川区役所 OF THE DEAD』的解決とは?

では、『玉川区役所 OF THE DEAD』的世界観とは何でしょう?
これはつまり平時、つまり日常です。で、平時といえば、そう。日本得意の「お役所仕事」です。

ゾンビパニックも一段落すると、人々は平時に戻って日常生活をはじめる。
そして、役所も機能して淡々と死なないご遺体(ゾンビですよ)に対処する。

これが前提です。

主人公に至っては、この不景気な時代に公務員になれてよかったー!
なんて喜んでます。もちろん、公務員ですが仕事はゾンビ(死なないご遺体)の片付けです(笑)。

玉川区役所オブ・ザ・デッド

これはつまり私が日々厳しく指摘していたお役所仕事的な対応なんです。
でも、これはこれでこのドラマのような世界では許されます。

それは何故かといえば相手(ゾンビ)が弱いから。
こういう平時は、日本的お役所仕事は強いです。黙々とやっつけますから。

『玉川区役所 OF THE DEAD』とコロナウィルスの共通点

では、『玉川区役所 OF THE DEAD』とコロナウィルスの共通点とは何でしょう?
それは、このウィルスの毒性が比較的弱く(拡散力は強いのがやっかいですが)、お役所仕事的対処と相性が悪くないことです。

実際、コロナウィルスは2月と比べて、患者数の増加に伴い今まで未知だった部分が解明され対処法も医療機関はじめ見えてきました。様々な論考がありますが、水際作戦は日本は失敗しましたがその後コロナウィルス上陸後の対処は意外かもしれませんが世界的にも健闘していると思います。

それは、このウィルスとの戦い方をある種割り切ったともいるのでしゃないでしょうか?

つまり、敵の上陸は諦めて許す。そして、一定数の羅漢も覚悟する。一方で、医療リソースは温存するため、軽症者は自宅で治癒するまで待機させ、重症者の対処に注力する。つまり、無駄な検査でパニックは起こさない。

これです。

急にPCRのこと詳しく言い出す人も増えましたがもしあれをやるとどうなるでしょう?
恐らく、武漢、イタリア、韓国の二の舞を演じていたと思いますよ。

医療パニックにより医者も感染者となり、そして、感染者でない人も病院に殺到して感染者に。そして、医療リソースがパンクした結果、重傷者はトリアージ(医療選別で放置)される。こうして、平時なら助かるはずだった重症者の死者が増える。

これがイタリアで起きているものと思われます。
本当に心が痛む状況です。

日本も多少のパニックはあります。トイレットペーパーやティッシュに殺到するのは仕方ないですが、PCR検査に殺到すれば大変なことになります。どうも、最近のテレビニュースキャスターはそれを煽ってるように見えなくもありません。だから、私、テレビ嫌いなんですよ。

テレビニュースは見ないアートボード 1ほとんどのニュース(新聞含む)が良い習慣を蝕んでしまう3つの理由

こうして、前回、人々が冷静に自分の体で起きることを理解するために、アニメ『はたらく細胞』をご紹介しました。

はたらく細胞『はたらく細胞』 – コロナウィルスと人体を理解するための必須教材

ただですね。対コロナの戦争に日本は比較的早く勝利をおさめる可能性に期待したい一方で、対経済の戦争ではこの日本的お役所仕事作戦は通用しないんです。

今後日本で起こること、そして、期待する解決策

既に2月から百貨店や旅館などインバウンド系の恩恵を受けていた業界では恐ろしい数字が出始めてきました。

・ 三越銀座店の2月の売上高は、対前年比36.2%減
・ 大丸心斎橋店が同45.5%の減少
・ その他の百貨店も、総じて売上二桁減

はっきり言って異常事態です。

コロナで騒いでますが、どちらかというと問題は経済の方にシフトし始めています。
流石に遅い政府も、一応、こんな玉を先週土曜日に発表しました。

私は安倍さんがデフレ脱却の錦の御旗で政権に復帰した時は期待しましたよ。実際、初年度2013年だけは満点の経済政策でした。でも、2013年だけですよ。つまり1年だけ。その後の消費増税以降、すごく彼に対しての評価は厳しいです。なんせ消費税倍にしちゃいましたから。これは経済苦の自殺者を倍にする効果があるわけですよ。

とはいえ、現行法の枠組みの中では「無利子」「無担保」というのはかなり思い切りました。なにもないよりは、一応評価したいところです。うちも使っちゃおうかな。

ただです・・・。
これじゃ問題は解決しません。

だって、お金とはいえこれ借金なんです。
で、今、多くの人や企業が失ってるのは売上なんです。
お金は売上がない結果として失ってるわけです。

だから、借金になっちゃうと、結局未来の売上から返していくしかありません。当然、そのお金は本来は投資や消費に回るはずのお金ですから、経済が沈没するのは間違いありません。となると、みんな、投資も消費もしませんから雇用も悪化します。その結果どのような世界が待ち受けてるでしょう?

そう、雇用悪化に伴うロスジェネ世代Ver2の誕生と少子化のさらなる進展です。

もちろんないよりはあったほうがましなので、ここから先、もう少し大胆な政策が取られることを祈るばかりです。ぶっちゃけ、この状況なら私が前回書いたように全部コロナのせいにして金融、財政爆ふかししてしまえば、前回の増税のミスもすべてチャラにできます。

コロナ債による財政政策コロナウィルス騒動は日本を内需主導・脱外需依存型経済に戻す大チャンス

あの時は消費減税+10兆円の補正予算を3年位連続で。
そう書きましたが、現時点のマクロ経済への影響を見ると10兆円では足りなさそうですね。最低でも15兆〜20兆円は真水で実体経済に注ぎ込まなくては現状維持もおぼつきません。

そして、日本は世界でもっとも金余り。
しかも、自国通貨建ての国債を発行して無限の資金供給ができる。日銀引受だってこんなときだからいいでしょう。
唯一のリスクはインフレですが、ありえません。だって、20年ずっとデフレだった国ですから(笑)。

無限の財政的リソースとフリーハンドを持った世界でも数少ない国。
我が国はいまそんなラッキーな国なんです。

それが証拠に、この局面で円高が進んでいます。
あれ、「円の信任がー」って騒いで消費増税煽ってた人、どこ行った?(笑)
世界の投資家は馬鹿じゃないです。

共通通貨で身動きの取れないユーロや、通貨暴落リスクを抱えている韓国よりはるかに政策当局は持ち玉を持ってるわけです。ドラクエで言えば、中ボス倒すのにレベル50ではぐれメタルソード装備して、イオナズン唱えられる状態ですよ(笑)。

でも残念ながらやらないでしょうねー。

日銀もこんなこと言ってます。

そうです。
得意の「みーてーるーだーけー」の注視です。

でですよ。

いまでこそ、パニックになってるアメリカや中国はいずれどうするでしょう。
あの人達、パニックになりやすい一方、一段落すると本気出して対処するんです。役人の言うことなんて聞きません。だって、トランプさんにいたっては、

FRBやる気あんのかー!こらー!

ですから(笑)。

となると、コロナショックをお役所仕事的にいち早く乗り越えたはずの日本だけこの経済危機に対してお客所仕事で取り残される。

その先に見えてくるものは何となく予想できます。
なぜなら、同じことリーマンショックの時にありましたもんね。

ちなみにリーマンショックで有名になった米投資銀行リーマン・ブラザーズ。実はリーマンの破綻すること5ヶ月前に私の働いていたベアー・スターンズが先立って破綻しました。色々学ばせて頂いた良い会社だったので残念です。話戻します。リーマンショックの時、既にお亡くなりになられましたが、与謝野さんはこんなこと言ってました。

で、その結果はどうだったでしょう?
他国がなりふり構わず、金融・財政強調でアクセルふかす中、日本だけ取り残されました。
その結果、超円高とデフレのダブルコンボ。

これで日本は2013年まで沈没しました。
もし、日本の政策当局があの時と同じ現状認識で現行法の範囲で経済対処をすればどうなるでしょう?今回も、超円高と超株安と実体経済の沈没というやばい状況が見えています。

恐らくGDPのマイナス幅はひょっとすると、リーマン時のマイナス6.0%(名目)は上回るのではないでしょうか。
こうならずに、日本が経済に対して非常時の対応をとることを祈るばかりです。

いでよ!
令和の高橋是清!!

大山俊輔