大山俊輔ブログ ー 脳科学による習慣ハック・歴史・経済のサイト

「続ける方法」を研究した私が、続けることを手放した話

習慣を管理する仕組みを振り返りながら創造が自然につながるCurrentへ目を向けるイメージ

昔、私は「脳を騙せば誰でも続けられる」という本を書きました。

英会話、筋トレ、早起き、ブログ。何度始めても続かなかった自分自身と、英会話スクールのお客様のデータを観察し、気合へ頼らず行動を自動化する方法をまとめた本です。

ベビーステップで始める。挫折しやすい「峠」を先に知る。脳の抵抗を小さくし、反復によって自動運転へ移す。

この考え方には、今でも役立つ部分があります。特に英語のように、ある程度の反復が欠かせない技能では、毎回の意志力に頼らない仕組みが大切です。

ただ、最近になって一つ気づきました。

私は「続ける方法」を研究しながら、誰よりも自分を続けさせることに苦しんでいたのかもしれない。

気合をやめても、管理者は残っていた

以前の私は、気合と規律で自分を動かそうとしていました。

その後、脳科学や心理学を学び、ベビーステップや報酬、習慣の自動化を使うようになりました。さらに、道具を準備し、摩擦を減らし、環境によって行動が起きやすくなるよう工夫しました。

方法は少しずつ優しくなりました。

しかし、どの段階にも共通していたものがあります。

「将来のために何をするべきか」を私が決め、別の私をそこへ連れていくという構造です。

腕力で押す代わりに、脳や環境をうまく操作するようになった。それでも「私が私を管理しなければならない」という前提は残っていました。

計画を手放したら、止まっていたものが動き始めた

2026年、TODOリストと緻密な計画をいったん手放し、「これをやらなければ」ではなく、「なんか気になる」「少し触ってみたい」という小さな感覚に従う実験を始めました。

私はこの、今ここですでに動いている流れをCurrentと呼んでいます。

やったことは、大きな決断ではありません。

一文だけ書く。一つだけ調べる。妻との雑談から出てきたアイデアへ、1センチだけ動く。

すると、一つの作業が別の作業を呼び、本、英語教材、新サービス、オウンドメディアへと次々につながっていきました。

同じ行動を毎日繰り返していたわけではありません。本を書いた翌日に教材を作り、その次にはサイトを触っている。

しかし、振り返ると、創造そのものは止まっていませんでした。

「続ける」から「続いてしまう」へ

今の私は、過去の習慣術を間違いだったとは思っていません。

気合しか知らなかったところから、脳の自動化へ。脳を操作するところから、環境設計へ。それぞれの段階で、行動の摩擦は確実に減りました。

ただ、その先にもう一つ段階がありました。

自分を上手に動かすことではなく、すでに動いている流れを発見すること。

毎日同じことを続けられなくても、興味が形を変え、人や情報や次の作品へつながっているなら、創造は続いている。

私にとっての新しい習慣とは、そのような状態です。

習慣は、同じ行動を守ることだけではない。
あとから振り返ったとき、計画していなかった何かが、形を変えながらずっと作られ続けていた。それが「続いてしまう」という感覚です。

この変化については、ZPFのサイトで意志力・脳科学・環境設計・Currentの4世代に分けて、もう少し詳しく整理しました。

習慣化とは?「続ける」から「続いてしまう」へ|Current型の新しい習慣

過去の習慣術を否定するのではなく、どこまで役立ち、どこから苦しくなったのか。そして、その先に何が見えたのか。

同じように「続けなければ」と自分を押し続けている方には、一つの別の見方になるかもしれません。