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作業中BGMのオススメは? – 仕事の内容とのバランスが重要!

仕事と音楽の関係

大山俊輔

こんにちは。習慣デザイナー・ハビットマンShunもとい大山俊輔です。

今日は月曜日です。

私は、幸い早起きができる体質のようで月曜日のいつものルーティンの通り5時くらいに目を覚まして、緑茶をたてながらラジオ体操をして、その後、朝の仕事をしていました。(このブログは途中まで書いて、ジムから戻ってきた後に残りを書きました。)

今日のテーマは習慣デザイナーの立場から見た作業中の音楽のオススメは?
という内容です。

人によっては、職場でラジオが流れている場所もあるかと思います。
あるいは、テレビすら放送された職場環境もあるかもしれません。

が、結論ですが音楽という視点では、そのような場所は職場環境としてあまりおすすめできません。このエントリでは職場や自宅で作業効率を良くするためにはどのような音楽が良いのか(あるいは、音楽なしが良いのか)についてをまとめました。

そもそも音楽は仕事効率を高めるのか

人によっては、音楽をかけたほうが仕事が集中できる。
そう感じている人もいることでしょう。

あるいは、どんな音楽ですか?
という質問に対しては、

人によっては、「私はクラシックを聴いてます」という人もいるでしょう。
あるいは、「自分は邦楽」、いえ、「ラジオ」という方もいらっしゃることでしょう。
ここでいう音楽というのは実に人によって解釈がことなるものなのです。

なお、私の場合はこんな感じです。

ステージ1:
・ 朝は6時から放送されている文化放送の「おはよう寺ちゃん活動中」という番組をラジコで聴きながら、スタッフ朝礼で話す内容などをまとめて送る。
・ その後、手帳に今日一日することのレビューをして、最後に「今日も頑張るぞ!」といって、ジムに出陣します。
ステージ2:
・ 職場などでは基本無音声
・ 音楽を聴くときは、クラシックかジャズか

ポイントは2点

この議論で重要となるのは下記の2点です。

 

ポイント1: どのような音楽を聴いているのか
ポイント2: どのような作業を行っているのか

いずれの切り口も作業効率を考えると重要になりますので、下記にまとめてみました。

ポイント1: どのような音楽を聴いているのか

まず、聴く音楽の種類です。
人によっては、クラシックという人もいるかと思いますが、中には職場でずっとラジオが流れているようなところもあることでしょう。

この議論については、英国の研究によって下記のことが分かっています。
この実験は、2007年に英国グラスゴー・カレドニアン大学で行われました。

40人の被験者に対して行われた認知テストの中で下記のような結果が出ました。

1.テンポの速い曲
2.ゆったりした曲
3.環境音
4.無音

この結果で明確だったのは、無音が一番良かったこと。
基本、1~3の音声もすべて点数が下がりました。

中でもテンポの速い曲が最もパフォーマンスを悪化させた。
それに次いで、ゆったりした曲。環境音も悪化することに変わりなかった。

つまり、無音が最強なんですね。

ポイント2: どのような作業を行っているのか

次のポイントは作業内容です。
その人が属する業界や職種によって、同じ作業と言っても全く異なります。

例えば飲食店で働く方であれば無音状態というのは少し厳しいですよね。
一方で、Webデザイナーだったり文章を書く人であれば先ほど紹介したように無音状態が最強であると言えます。

以前、別のエントリでも紹介しましたが脳科学的には人間はマルチタスクを行うことができません
「頭を使う作業を行う」ことと「音楽を聴く」ことは、一見、同時進行で行っているように見えますよね。ですが、実際のところ脳はシングルタスクを何度も切り返す処理を行います。パソコンで言えば、何度もブラウザと他のアプリを立ち上げては閉じてを繰り返すような負荷を脳に与えてしまいます。

中でも脳で言うところの前頭前野、行動経済学で言うところのSystem2を使う作業は100%できません。

多動力とマルチタスク 人類はマルチタスクができない!(マルチタスクは百害あって一利なし!?の理由)

ルーティン作業(無意識作業)はOK

一方で、ルーティン化に成功した作業であれば話は別です。
例えば飲食店で、達人の域に達した調理人さんが音楽を聴きながら料理を作っても料理のクオリティが落ちることはありません。

それは、その料理人さんが度重なる訓練を通じて、調味料の具合や調理についてSystem1を使い処理することができる域に達しているためです。基本、System1での処理は無意識の領域ですので、音楽の負荷とかち合ったとしてもそこまで効率が落ちることはありません(でも、ゼロというわけではないです)。

ですので、結論としては、

① まず自分がどのような作業をしているのかを確認する
② System1系の作業(ルーティン:作業系)なら音楽を多少はならしてもOK
③ System2系の作業(頭を使う:記憶系)は無音がベスト

ということになります。

大山のケース

さて、私の場合ですが上記のルールに基づいて下記のように聴いています。

ステージ1:System1系の作業
・ 朝は6時から放送されている文化放送の「おはよう寺ちゃん活動中」という番組をラジコで聴きながら、スタッフ朝礼で話す内容などをまとめて送る。
・ その後、手帳に今日一日することのレビューをして、最後に「今日も頑張るぞ!」といって、ジムに出陣します。

まず、私は朝スタッフ用の朝礼のマテリアルを作成するところから1日をスタートします。
この作業時間はだいたい20分くらい。この業務は、ほぼ、テンプレ化されており頭を使わなくても処理できるルーティン業務です。

私はこの時間帯に緑茶を飲みながら少しずつカフェインが効いてくるまでの間ルーティン系の仕事をしながら「おはよう寺ちゃん活動中」などのラジオを聴きながら仕事をしています。

テレビは見ませんが、最低限、ここ最近のニュースはこの番組で扱われる範囲ですがキャッチアップできますし、脳への負荷も少ない業務なので特にBGMの悪影響も少なく仕事をすすめることができます。

緑茶は朝飲むと体にいい朝のカフェイン摂取はコーヒーより緑茶のほうが仕事がはかどるらしい
ステージ2:System2系の作業
・ 職場などでは基本無音声
・ 音楽を聴くときは、クラシックかジャズか

次に、職場に来てからの作業です。
ここでは、例えばメルマガやブログの執筆のような頭を使う作業が増えてきます。
そのため、上記の原則に則り、最も脳への負荷が少ない無音状態で基本仕事を進めています

ただ、他のスタッフなどと作業場所を共有する時に無音だとお互い気を使うこともありますよね。
そのようなときには、脳の言語処理に関わる部位(ブローカ野やウェルニッケ野)を音楽で稼働させないように、極力、クラシックかジャズ等声の入らないBGMにするようにしています。

ボサノバとかですとポルトガル語わからないのでOKかもしれませんが、クラシックか自然音(川のせせらぎなど)がベストでしょう。

その他:時間帯での調整
・ 集中力が高い午前中はなるべく無音
・ 単純作業に切り替える夕方以降は音楽流す

また、1日を1人で作業で終えてしまうような日はどうでしょうか。
午前中は脳も活発で、クリエイティブな仕事をするのにちょうどよい時間帯ですので前述のように無音で頭を使う業務になるべく時間を割くようにします。

一方で夕方にもなるとそろそろ疲れてきます。ですので、この時間帯に単純業務をなるべく集中させます。

例えば、

・ メールをまとめて返信する
・ フォトショでサムネイルを作る
・ ルーティン化してる面談を行う

などなど。

こういうときであれば、音楽を流している方がむしろ作業がはかどりますので音楽の良い面が出てきます。

注意:音楽をかけるとはかどった気がする・・・

いかがでしたでしょう?

ここまで書くと、基本的に音楽と仕事は相性が良くないように思う方もいらっしゃるかもしれません。
そのとおりですが、ラジオを聞いたり好きな曲を聴くと仕事がはかどった気がしてしまうことってありますよね。もちろん、これにもちゃんとした理由があるのです。

それは、報酬系の脳内ホルモンでもあるドーパミンが分泌されるからだという研究結果があります。

ドーパミンは「期待ホルモン」とも呼ばれて、人をご褒美(報酬)に駆り立てるホルモンです。ですので、気持ちが上がった気がするけど、果たして生産性が上がってるかは別の議論ということですね。

どのように音楽と仕事のバランスを取るか

いかがでしたでしょう。

仕事中に音楽を聴くというのは当たり前に思っている方も多いと思いますが、意外と生産性という観点で見ると気をつける必要があることが分かりますよね。

是非、職場で音楽を流している方は自分の業務との対比でどのような音楽を流すのか(もしくは無音にするのか)を見直すと良いことでしょう。また、最近の研究ではマウスの実験で、まったくの無音状態よりはホワイトノイズの状態のほうが学習効率が良かったことがわかっています。ですので、無音がきつい方には、生活雑音が入るくらいの状態は良しとしてみてはいかがでしょうか。

今日もありがとうございました。

ハビットマンShun