大山俊輔
先日、複利のエントリを書きましたね。
そこそこの差がすごい差になる – 英会話にも当てはまる「複利」のスゴさと恐 ろしさ
あのエントリを読んでいただけると、予想以上に複利の差ってやばいもんだと思った方もいらっしゃると思います。
そこで、今回は何故分かってても途中でやめてしまったりするのか。
その一つの、そして、最大の理由でもあるプラトー(学習平原)と呼ばれる現象つきまして、
英会話や筋トレの事例を引用しながらまとめてみました。
目次
続いたはずの人が途中でもういいやと思う瞬間
私達b わたしの英会話では入会したお客様に習慣定着の秘密を「b 習慣化メソッド」として伝授しています。
英会話、ジム通い、ダイエットなどで一番失敗しやすいのは始めたての時期。
特に最初に1ヶ月で通うことを定着させないと、失敗します。
ここを「3日坊主期」とネーミングしています。
ここをくぐり抜けたらしめたもの。
かなりの確率で続くようになります。
ですが、その後でも真面目な人に襲いかかる誘惑のステージがあります。
そのステージの際に起きる現象は「プラトー」(学習平原)と呼ばれています。
動画にもまとめました
プラトーとはどんな時期?
では、プラトーとはどのような時期なのでしょう?
このブログのメインテーマでもありますが、今回はそこそこ頑張っている人のケースで考えてみます。引き続き、英会話の事例で考えてみましょう。
プラトーのお決まりパターン
第1段階:開始間もない時期
この段階は、本人は気づいていませんがそれなりに過去の貯金があります。日本人なら、中学・高校で800時間近くを英語のクラスで費やしていますからね。レッスンを受けはじめの英会話超初心者の方が感じるのはこのあたりのことだと思われます。
- あ、この単語学生時代見たことある!
- 思ったより単語だけだったら聞き取れる!
- 日本語の説明もあって思ったより簡単。上達してる。私!
第2段階:開始数カ月後
第2段階では、少しずつプラトーに入りはじめます。ここで、多くの人が実は上達しているにも関わらず体感値としての上達が第1段階と比べると低いためモチベーションダウンしてしまうので。この段階で感じることとしてはこのあたりではないでしょうか。
- 新しい単語また、出てきた。結構覚えるの面倒くさいなー。
- なんか、同じことが繰り返しになっててちょっとしんどいなー。
- 私、本当に上達しているのかしら。
結果として、ここで自分はここまでと思ってストップしてしまう人が多いです。これは、英会話に限らず、ダイエットや筋トレにも当てはまります。
私もトレーナーをつけての筋トレをはじめてはじめの数カ月はどんどん重たいバーベルを持てるようになって楽しかったのですが、途中から伸び悩んだ気になってプラトーに入りました。
プラトーを乗り切ると
一方で頑張るとこんなことが起き始めます。第3段階です。
第3段階:プラトーの後
プラトーの期間を乗り越えると、プラトーの時に目に見えない中で成長していたことが繋がり始めます。そして、ある時、やってくるんです。「ピコ~ン」という感じです。英会話で言えばこのピコ~ンはこんな感じです。
- あ、なんか面倒と思ってて覚えたこの単語、今日使えた!
- 気づけば、以前話せなかったこと自分結構話せるようになってる!
- 旅行先でも以前は何もできなかったのに、今はかなり話せている!
こんな感じの未来が待っています。
全ては学習曲線で説明できる
さて、プラトーとはどんな時期?
というのを表にしてみました。
こんな感じです。
図で直感的に理解できますよね?
多くの人は、スキルや知識は努力していると右斜め上に直線で上達していくと誤解しているようです。ですが、実際には英会話の例でも書いたように一時的に停滞しているように感じる時期があります。
この時期がプラトー。
フランス語の単語で(plateau)は水平状態、定常状態などを意味するそうです。
学習曲線などのコンテクストでは「学習平原」などと言われています。
プラトーが終わると必ずご褒美(セレンディピティ)がやってくる
確かにプラトーの時期は「平原」の言葉の通り、上達感が感じにくい時期です。
テストなどでも、30点の科目を50点にするのは簡単かもしれませんが、75点から90点にするのは大変ですよね。
英会話でもプラトーはありますが、筋トレ、ダイエット、その他あらゆる学習においてプラトーの時期はあります。そして、そこそこ真面目でちゃんと続ける習慣ができた人でも、この時期はなかなかつらいものです。
というのも、始めたての頃と同じ努力をしてるはずなのにあまり変わった感がないからです。
ですが、脳にとってこの時期はとても大事です。というのも、この時期に詰め込まれた新しい知識やノウハウは確かにスグに自分の頭から出てきません。というのも、新しい知識、中でも、この程度のレベルになってくると英単語や表現でも運用が少し難しいものが多いため、使いこなすのに手こずるからです。
プラトーが来ても慌てない
ですがご安心ください。
この時期に脳では新たに獲得した単語や文法、そして、慣用句などを自分にあった形でどう使うかの整理を徐々に行っています。
そして、あるタイミングで、
「アッ、つながった!」
あるいは、
「ピコーン!」
という時期がやってきます。
この時期を英語学習では「語学のティッピング・ポイント」。
他の学習では「セレンディピティの祝福」などと呼びます。
まとめ ― セレンディピティは誰にもやってくる
もったいないのは、多くの人がプラトーの時期を「停滞期」と勘違いしてしまうことです。
ですが、知っていれば安心。
「お、プラトーだ」
と思っていれば安心です。
黙々と続けている間も、脳では大きな変化が起きています。
そして、必ず「ピコーン」つまり、セレンディピティの祝福がやってきます。
毎年3%かもしれませんが、ちょっとずつ成長していきましょう。
せっかくの一度の人生。ずっと、停滞したと錯覚しては辞めて新しいものに手を出すより、形にして前に進んでセレンディピティを味わうほうが楽しいですよ!
大山俊輔(ハビットマン)