大山俊輔ブログ ー 脳科学による習慣ハック・歴史・経済のサイト

事業再開から3ヶ月が経過 〜 この期間中のまとめと社内で伝えたこと(日本経済、英会話業界・・・)

MEMO

大山俊輔

こんにちは。大山俊輔です。

ちょうど、緊急事態宣言が明けてから3ヶ月が経過しました。
スタッフは本当にこの厳しい中、頑張ってくれています。そして、お客さまも少しずつ動きが戻ってきて明るいニュースもでてきました。

とはいえ、私もこの3ヶ月銀行との協議やら、新規事業の立ち上げやらサバイバルのためにあれやこれやで走り回りなかなか社員とどっぷり会話をする機会が少なかったので自分の考えを伝えようということでこの3ヶ月を振り返ってメッセージを出しました。それが下記の文章です。自分自身あとで振り返って、こんな事書いてたんだなぁと思い出せるようにとこちらのブログでも一部内容を編集して掲載することにしました。

スタッフへのメモ

皆さんへ

大山です。
6月にスクール営業を再開して3ヶ月が経過しました。状況もまだ、日々刻々と変わりますが、この3ヶ月の中で一旦、私の考えを整理することができましたのでここらで近況をまとめておきたいと思ってメールさせていただきました。

まずは、この厳しい情勢の中、日々明るい笑顔でお客さまをお出迎えしてくださって本当にありがとうございます。
きっといらっしゃってるお客さま方達も皆さんの笑顔に癒やされ、そして、日常が少しずつ戻ってきていることを実感していることでしょう。

そして、このメモでは、現時点の経済全般のことから英会話はじめ教育産業の動向、
そして、bのこの先の展開についてまとめています。

クソ長いメールになってしまいスミマセン。
興味ある方だけお読みください。

経済の状況と企業活動全般について

8月18日に4月~6月期のGDP(国内総生産)速報が発表されました。
結果は、年率換算で28.7%のマイナスと、戦前、戦後を見ても四半期でのマイナス幅としては過去最大の数値でした。
この結果は4月時点から予想されていたことですが、あらためて、数字を見ると背筋がゾッとする内容です。

他の先進国でも同様にとんでもない状況になっています。

・ アメリカ:マイナス32.9%
・ ドイツ:マイナス33.5%
・ フランス:マイナス44.8%
・ イギリス:マイナス60%

こうしてみてみると、日本が少しマシに見えますが、多くの国がマイナスになったのは2020年にはいってからのこと。
一方で、日本は昨年の消費増税のあった2019年の10月~12月期が年率でマイナス7.8%、2020年1〜3月期もマイナス2.5%ですので、この9ヶ月のマイナスで見ればすでに先進国ではイギリスに次いで最も悪い部類に入ります。

一方で、人口あたりの死者数で見れば圧倒的に死者数の少ないアジア圏では中国、ベトナムなどはプラス成長に転じています。
日本も死者数は同様にめちゃ少なく本来ならプラス成長にすることができたはずでしたが、昨年の消費増税と今回の過剰自粛で自爆してしまったといえるでしょう。他国は家に強盗が入ってきたのでやむを得ずマシンガンをぶっ放して撃退しているのの、家も穴だからけでダメージで修理中。日本は、ゴキブリ相手にパニクって家に火を放っておうちが焼けて大ダメージ、という感じですね。

私の話では、GDPと言う言葉をよく使うのですが、聞いたことはあるけど意味は知らない方も多いと思います。
GDPはざっくばらんに生産と分配から成り立ちます。一番身近な存在は私達の所得です。私達の所得を合算=GDPと思うとだいたい合ってます。

ですので、GDPがマイナス28.7%ということは、この状況が1年続くと、日本人の所得が平均で28.7%減るということです。全員がいきなり28.7%平均で減るのならまだ平等ですが、その多くは、特定の業界が崩壊したり撤退してそこで働く人々の所得が半減したりゼロになることであらわれます。

例えば、下記のような報道がすでになされています。

・ 吉野家:150店閉店予定
・ ロイヤルホスト:70店舗閉店
・ ワールド:358店閉店
・ レナウン:倒産

こんな感じで、今まで給料を払っていた職場がなくなるということで今後、数十万、ひょっとすると数百万人単位で所得を失う人(つまり失業者)が出ているわけです。
今回の景気後退はやっかいで、全員が平等にダメージをうけるのではなく、特定の職種、業界が突然大ダメージを受ける一方で、年金世代、公務員などは今のところまったく影響がない人たちもいます(年金世代はなんと、3000万人もいます)。こうしたダメージの違いは、このコロナの受け止め方も分断しています。

生活がかかりはじめている人は一日も早い経済活動の再開を希望しますし、一方で、今の所ノーダメの人は経済が死んでも自粛を続けることを希望する人もいます。今は、こうした分断がありますが、経済は全てつながっています。今、影響がないと思ってる公務員やサラリーマンも会社や国がダメージを受けていずれ、給料は減ります。また、年金世代も年金や健康保険が削られてもおかしくないです。結局、今、点でこの瞬間をみればダメージは違いますが、この状況が続くということは、全員が時差を経て被害者になるということです。私は個人的に4月に借金の列にならぶ経営者、個人事業主の山をみていて今後、こうなる確信がありましたが、当時この話をしてもなかなかイメージを持ってもらえませんでした。

しかし、これも日本人全員で(自覚ない人も多いかもしれないけど)選んだ道です。

身近な競合会社の状況

ここで、私達にとって身近な教育業界に目を移してみることにしましょう。

英会話業界は、最悪のダメージを受けた航空業界よりはマシかもしれません。しかしながら、教育業界は相対的にダメージの大きな業界の1つだと言えるでしょう。というのも、教育とはすなわち、自分の未来に自分が今この瞬間に投資するということです。今日のご飯や最低限のことはこのような状況でもお金をかけるのが人間ですが、将来が読めなければ、自分の未来へ投資することをためらうはやむを得ないことです。

一方で、このダメージを企業規模で見てみると、別の側面が見えてきます。
今回のコロナ騒動の影響は小規模事業者にも大きなダメージですが、より規模が大きく全国展開している企業はその影響がさらに大きく出ていることが特徴です。

私達の知っている同業他社、スクール系の企業で公開情報を見る限りでもこのような感じです。

・ ECC(英会話):池袋、渋谷、恵比寿、東京、新橋など東京主力エリアで閉校
・ Gaba(英会話):六本木、下北沢、表参道、青葉台、つくばはじめ全国10校閉校(全体の1/5)
・ ベターホーム(料理):大宮、渋谷、町田、千葉、柏(関東9校中5校閉校)

上記のように、9月時点で明らかになっているだけでもかなりのものなので、今後、さらに数は増えるのではと思います。
一方で、大手が撤退することで競争が減るというメリットもなくはありません。

そのメリットが大きいのか、それとも、市場全体が縮小する金額のほうが大きいのか次第と思って様子を見ています。

今後の展開

bにとってもこのダメージは大き10年ぶりに赤字決算となりました。
幸い、過去10年間かけて黒字として少しずつためてきた貯金のおかげで助かりました。現状は、銀行と交渉を続けて借金して当座の資金を確保し状況が落ち着くまでの期間頑張るつもりです。

ただ、大手がこれだけ閉店しはじめている状況です。私達がどれだけ踏ん張っても日本そのものや業界全体が沈没してしまうようなら、どうしようもありません。
今後は、家賃はじめなるべく固定費を落として出血を落とすようにして耐えられる期間を長く出来るようにして、状況が好転し始めるのを待っていこうと思っています。状況が日々刻々と変わりますので、是々非々で判断していきます。

一方、厳しい状況下で良い視点を探すとすれば、マーケティングの視点から見ると、8月初旬が負のピークでそれ以降は好転しています。
ちょうど、6月後半から7月に突然東京都がPCR検査数を増やして陽生者が増えたニュースを連日流していたのでその影響で7月から8月初旬は集客は悪かったですが、多くの人がその状況に慣れてきたのかもしれません。こんなとこで、うんちくで恐縮ですが、PCRはその発明者でもある故キャリー・マリス博士が言っていたように、機器の原理(ポリメラーゼ連鎖反応)からして感染症の検査にはあんまり意味がありません。が、何故か世界中でこの方法で陽生反応=感染者と間違ったイメージが定着して不安を拡大させています。

最近では、少しずつ、良心的な学者などがメディアや政治家が変な煽りに対して反論をするようになりました。
冷静さを取り戻す国民が増えていけば少しずつ需要は回復していく可能性もあります。

また、こういう状況を踏まえて、スクールでの英語事業だけでは今後は厳しいと思いますので、現在、さまざまな別事業を立ち上げています。

bとしての新規事業

・ 完全オンライン英会話事業(これは、今のbの事業の延長)

別会社での新規事業

・ オンラインフィットネス事業(6月に買収して元の創業者と一緒に事業再構築中)
・ 出版事業(ブランディングでフィットネス、アフィリエイト事業の信用補完)
・ アフィリエイト及びオンラインマーケティング事業(様々なプロダクトを仲介し手数料などを売上とする事業)

私が、5月末に皆さんにメールした際、今までのように365日24時間フルでbに使えなくなるかも、といったのは、こちらの事業はすべてゼロからの立ち上げのため、事業開発からエンジニアとのやり取りまでかなりのリソースを取られるからです。

今後の私自身についてと皆さんへのお願い(前回のつづき)

ということで、以前書いたこととかぶりますが前回皆さんにお願いしたことを再掲載して終了させていただきます。

まず、私自身のbへのコミットについて。
これは、今までと同じかそれ以上にbの事業にコミットします。それはご安心ください。
今回かなりの借金をして私が保証人になってますが、銀行も当然私がbにコミットしているから貸してくれているわけです。
その期待を裏切るわけにはいきません。

一方で、これだけの借金を返していくにはbの事業だけでは大変です。
ということで、先程書いているような新規事業をはじめています。本も新規事業をしていくため、信用補完を出来るよう2冊ほど執筆しました。

今までは、b わたしの英会話という英会話教室の会社の社長さんという立ち位置でこの15年やってきましたが、
今後は、大山俊輔一個人として勝負して稼げる体制を作っていかないとこれからのbも私自身のサバイバルも復活までに間に合わないと思っています。
もう、炎上することを怖がるのはやめようと思います(笑)。

そこで、一つ皆さんへお願いです。

今までのように365日24時間休みなくなんでも連絡いただくということは、今後難しくなると思います。
朝礼も今までのようにほぼ毎日参加は難しくなりますし、トレーニングも細かくスクールまで移動して行うようなようなスタイルは、時間的にも難しくなると思います。

一方で、私が徐々に連絡がつきにくくなることはやる気のある人には昇格と権限移譲につながるのでチャンスです。
私もやる気のある人にチャンスを与えて育ってもらうほうがbにとっていいと思います。
今後は、私がbにかける時間の多くは、そうしたやる気ある人を育てることや、仕組みづくりをメインにして、それ以外は任せていってどんどんチャンスを作ろうと思います。

また、日々の相談などで現時点で結構、直でくることがまだあります。

私も社長が現場主義で365日連絡つくのが今まではいいことと思ってましたが、この状況ではそれも副作用があります。
ですので、このやり方も変えていこうと思っています。ということで、なるべくこの順番で進めてください。
これは、私も助かりますが皆さん自身の問題解決力を高める上でも役立つと思います。

現在

・ 問題発生

・ シニア、小山、大山に「どうしましょうか?」と相談(もしくはシニアが相談の場合は小山、大山に)

今後

・ 問題発生

・ 問題の原因を考えて、自分なりの解決策を立案する(仮説)

・ 相談する際は、自分はA、B、Cの解決策があると思います、そして、自分としてはA(もしくはB、C)がいいと思いますがいかがでしょうか?という形で問題提議する形で相談する。

・ 問題・解決の因果関係を理解し次は自分で解決できるようになる

これは、ジュニアの方でしたらシニアに聞くときに。
シニアの方でしたら、私などに相談するときに。

いきなり「どうしましょう」から、「私はこれが原因と思ってて、解決するにはAかBかCだと思う」というところまで考える思考習慣がつきます。
いきなり答えを教えてもらう前に、自分で問題を探して解決のための仮説を立てるので、その後、解決したときにはその因果関係も理解できます。
つまり、格段に自分の能力を成長させてくれます。

小さなところではパソコンの不調などはこれで8割は解決することでしょう。もっと難しい顧客対応も初めての時は先輩に負担がかかっても、2回め、3回めとなると自分で対処できることが増えてきます。つまり、成長していますので、自分自身にも、そして、会社にもプラスですね。

こういう時期ですから、社員もパートも取引先も社長も関係ないです。あるのは個人です。
このコロナ禍で止まった人はその後の世界ではサバイバルが厳しいでしょうが、ここで成長した人には大きなチャンスでもあります。
私もこの騒動によって大ダメージとなりこのアホな反応をしてしまう反知性的な日本社会に今度という今度は嫌気がさしたりもしました。一方で、今まで先送りしてきたことを一気に手をつけるキッカケになったのも事実で、そう考えると良かったことも数多くあります。

まさに、このタイミングでbで続けることを決めてくれたお客さま、そして、新しくご入会されるお客さまはコロナ騒動後の世界で一緒に勝ち組になる人たちだと思います。
私たちも、こういう人たちに感謝しつつ、前向きなエネルギーに変えていけるようにしましょう。

それでは、9月は更に回復していくことを祈っています。

大山