大山俊輔ブログ ー 脳科学による習慣ハック・歴史・経済のサイト

デュアラ―(デュアルライフをする人)のメリット・デメリット

デュアルライフとは

大山俊輔

こんにちは。習慣デザイナー・ハビットマンShunです。

デュアルライフという言葉をご存知でしょうか?
最近ですと、私の大学院時代の先輩でもありますレバレッジコンサルティングの本田直之さんなどもその著書の中でこの言葉を紹介しています。

デュアルライフはメイン拠点(主に都会)とサブ拠点(農村漁村など地方)双方での生活を送るライフスタイルのことです。また、最近ではこうしたデュアルライフを送る人たちのことを「デュアラー」と呼ぶそうです。

本田さんはハワイと日本のデュラルライフだそうです。
なんてうらやましい!というところですが、都心で普通に暮らす若いカップルなどでもデュアルライフを送っている人たちは思った以上に多くいらっしゃいます。

私も関西に住む父が東京での仕事が多くなり、湘南にワンルームの小さなマンションを借りたことから、部屋掃除をすることを交換条件に、月に1回とか湘南エリアでのデュアルライフを送るようになりました。

今までは、旅行などの短期滞在との違いがわかりませんでしたが、そのメリット、デメリットなども私なりの視点でまとめていきたいと思います。

デュアルライフ=別荘ではない

まず、デュアルライフの定義を見てみましょう。

従来、デュアルライフ=二拠点生活といえば別荘地(温泉、高原)などを保有し、長期休暇を過ごすための場所というイメージがありました。でも、この不景気な時代そんなことができる人は、そうそういませんよね。

最近のデュアルライフの傾向としては、

・ 実践しているのは若い世代が多い
・ 決して、金銭的に余裕があるわけでもないがデュアルライフのメリットは金銭以上にある

という理由で若い世代の中でじわじわと拡がってきているようです。
(私の場合は父の部屋の掃除を兼ねてなのでちょっと違いますが・・・)。

では、どのような経緯でデュアルライフが広まってきたのでしょうか。

デュアルライフが人気を得てきた背景

都心回帰とIT化

人口減少社会に突入した日本ですが、今現在も東京などの都心部では人口は増加傾向にあります。かつては、郊外に一軒家を購入し自然の中で子育てをしながら、長い通勤時間を我慢して都心で働くというライフスタイルが一般的でした。

しかしながら、「住みたい街ランキング」でもわかるように、最近では都心での住宅供給が増えて部屋は狭くなるものの、利便性を重視した住宅環境を好む傾向が高くなってきています。

また、ITの発達により職業が多様化し、オフィスでなくてはできない仕事が減ってきたことから必ずしも、職場に出勤し働くことが当たり前ではなくなりつつあります。こうして、平日は都心で仕事やミーティングを行い、休みは第二の拠点で暮らす、というライフスタイルが選択肢として増えてきました。中には、都心と田舎での生活が半々になっている人たちもいらっしゃるようです。

著名人が実践

前述のように作家としても有名な本田直之さんはハワイと東京のデュアルライフを実践されています。同じようにハワイとなると薬丸裕英さんも東京とハワイのデュアルライフを送られているようですね。

本田直之さんは、その著書、『自由な人生のために20代でやっておくべきこと』の中で、デュアルライフのメリットをこのように書いています。

マルチ思考を身につけるために非常に有効なのが、都市と地方の両方に生活の拠点を持つ「デュアル・ライフ(dual life=二地域居住)」「マルチ・ハビテーション(multi habitation=住居の複数化)」というライフスタイルです。


他にもジャーナリストの佐々木俊尚さんなどもデュアラーとして有名ですね。

海外では当たり前になってきている

先程紹介した本田直之さんの場合は、ハワイと日本というかなり羨ましい環境ですが、普通のビジネスパーソンにとっても、海外ではデュアルライフは当たり前になっています。

本田さんによれば、海外ではスウェーデンでは国民の半数が何らかの形でデュアルライフを送っているそうです。また、ロシアでは裕福ではない一般家庭でも「ダーチャ」と呼ばれる菜園つきのセカンドホームを持つ人が増えてきているそうです。

決して、富裕層に限られた特権ではないということですね。

デュアルライフのメリット

現地コミュニティに参加できる

東京はじめ都心での生活には様々なメリットがあります。

快適なインフラ、人口が多く商業施設が充実している、そして、刺激的な人たちが周囲に多くいることなど、大都市で暮らすメリットは数多いです。ITが普及するほど、皮肉なことに都心部に人が集まる傾向は世界中で報告されていますが、やはり最後は人との出会いということなのでしょう。

一方で、近隣のお祭りなどといった従来型のコミュニティは新興住宅地などではどんどん消えていってしまっています。SNSなどを通じて多くの人と出会いやすくなる一方で、ごく身近な人達との付き合いは希薄化していくのも都会での生活では起きることです。

こうした合間を補ってくれるのがデュアルライフという見方もできるでしょう。
仕事は都心でバリバリ、自分たちと似たような人たちと行いながら、2つ目の拠点ではローカルな付き合いを通じた温かい人間関係をつくりあげる。そんなメリットがデュアルライフにはあります。

私も先日自分のお誕生日をデュアルライフ先のいきつけのレストランのシェフにお祝いしてもらいました。都心ですと、なかなか忙しくてこういう機会に出くわすことは少ないので、とても嬉しかったです。

ハビットマン(大山俊輔) – 44歳になってしまいました

視野が広がる

もう一つのメリットは視点が広がることです。

やはり、都会と地方では通じる話題が変わってきます。都心で似た者同士の会話の中では、自分の属する業界や仕事内容にあわせた偏ったテーマでのコミュニケーションが多くなります。一方で、地方に来たときには、地元のコミュニティーに属して、地元の会話にもついていくため都心での仕事以外のテーマにも興味を持つようになります。

都心・地方両方の価値観を理解し共感することで、思考も柔軟になりますね。

デュアルライフのデメリット

コスト

やはり、デュアルライフの一番のデメリットはコストになります。

先程紹介したように、デュアルライフは決して別荘での生活ではありません。私の父が借りている湘南のワンルームマンションも正直、メイン拠点として済むレベルの部屋ではありません。また、コストも千葉や山梨などでしたら2~3万/月で借りることもできるとはいえ、追加のコストになることは代わりありません。

デュアルライフがかっこいい、と思って勢いで始めてしまったあとなかなか行くことがなくなってコストだけがのしかかるということにもなりかねません。

メンテナンス

別荘とは異なりデュアルライフをするなら安い賃貸が良いのではないでしょうか。
あまり大きな部屋を借りてしまうと、メインの都心の部屋の掃除をし終わったあと、結局、サブ拠点に来てから掃除となって掃除の手間も大幅に増えてしまいます。

もし、一戸建ての家を借りたりするとなると今回の台風19号などの被害みたいなことが起きれば、メイン拠点の仕事どころではなくなってしまうかもしれません。人によっては、田舎生活に農作業などもセットでと考えている方もいるかと思いますので、そのような方はこうしたデメリットも十分に理解した上で実行に移すとよいのではないでしょうか。

私はワンルームマンションですので、今、この時点ではデュアルライフのメリットを感じてますが、もし父が東京に来ることがなくなればスグに解約になってしまうでしょうし、身軽に動けるのが良いのかなと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょう?

興味のある方は、メリット、デメリットを勘案しながらまずは軽めの拠点にするのが良いのではないでしょうか?おそらく、デュアルライフを考える方たちの多くは、お仕事などはITやデザイン関係、あるいは、経営職など場所を限らず動きやすい方が多いと思います。

デュアルライフによって自分の行動を制約する、なんて事にならないようにバランスをとったデュアラ―を目指してくださいね。

ハビットマンShun