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英語が話せる・聞けるようになる3つの兆候とは?劇的に伸びる人の共通点を解説してみた。

Hey guys.

しゅみすけです。
本職は英会話教室の社長をやってます。

今日は「英語が1ヶ月後に急激に聞ける・話せるようになる3つの兆候」についてお話しします。

この内容は、ぜひ聞いてほしいと思います。なぜなら、英語ができるようになりたいですよね?
ここで言う「英語ができる」というのは、英語が聞けて、話せるようになることを指します。TOEICのスコアが50点上がったり、英検準1級に合格したりすることではありません。

では、なぜ私が「聞ける」「話せる」と明言したのか、わかりますか?それは、曖昧にしたくないからです。
皆さん、なぜ英語ができるようになりたいのでしょうか?

このチャンネルを見ている方は、もう社交辞令はやめましょう。「聞ける」「話せる」ようになりたいですよね。

ただ、注意しなければならないのは、正しい学習をしているかどうかです。正しい学習をしていれば、「聞ける」「話せる」ことが増えていきます。当然のことです。
逆に、正しい学習をしていないと、「聞ける」「話せる」がなかなか向上しません。その不安を解消するために、多くの人がテスト勉強や詰め込み学習をしてしまいます。

その気持ちはよく分かります。なぜなら、私も最初は同じでしたから。

でも、どこかで真剣に自分のやっていることを見直す必要があります。今やっていることは、自分が目指している「聞ける」「話せる」を実現するための学習でしょうか?

正直に言いますね。日本人の9割以上は、自分が満足できるレベルで英語が聞けたり話せたりする状態にはありません。英語学習者に限定しても、7割から8割はそうでしょう。

なぜなら、本当の課題を理解していないからです。

そこで、この記事を作りました。今日お話しするのは、英語が急激に聞ける・話せるようになる兆し、つまりサインがあるということです。

このサインが少しでも感じられる方は、自信を持ってください。今進んでいる方向は正しいです。

ただし、気をつけなければならないのは、このサインが英語が聞けたり話せたりするようになる大きな兆しだと知らない人が多いことです。そして、誤ってこの良い兆候を悪いものと捉え、昔の学習法に戻ってしまう人もいます。

そうならないように、この記事を作りました。これまで私が紹介してきた記事をしっかり活用して学習している方は、正しい学習をしているはずです。
であれば、これからお話しする兆候が、少しでも現れているはずです。

私はいつも言っていますよね。「知っている知識」と「使える知識」は別物です。
会話においては、「使える知識」を体に定着させることがゴールです。たくさんの知識を増やしたり、テストの点を上げることがダメとは言いませんが、今はそれが目的ではありません。

順番が逆です。

言語が「話せる」「聞ける」とはどういうことか。その本質が理解できた人が、英語が聞ける・話せるようになります。

ということで、皆さん準備はいいですか?

それでは、
Let’s get into it!

今回の記事は、こちらの動画「英会話力が【1ヶ月後】に急激に聞ける・話せるようになる3つの兆候とは?この3つの前兆がある人は、英会話力がバク伸びします!」でも解説しているので、ぜひご覧ください。

英語が話せる・聞けるようになる3つの兆候とは?

それでは、早速3つの兆候についてお話ししたいと思います。
最初に聞いたとき、多くの人は驚くかもしれません。というのも、これらの兆候は、普通の人が抱いている常識と真逆のことが多いからです。

では、その3つの兆候とは何でしょうか?見ていきましょう。

1つ目は、使う単語が簡単になること。
2つ目は、英作をしなくなること。
3つ目は、文が予測できるようになること(音以外の要素で聞こえるようになる)。

どうでしょうか?
すでにこれを聞いてピンときた方は、英語が確実に上達しているという自信があるのではないでしょうか。迷いがない状態です。

今、この状況が起きていない方は、こんな疑問を持っているかもしれません。

「英語が上手になると、使う単語も難しくなるんじゃないの?」
「だって、単語力があることが=英会話力があることなんじゃないの?」
どうでしょうか?こう思っている方、多いのではないでしょうか?

あるいは、「英作が上手になることが=英会話が上手になること」だと思っていた方も多いでしょう。でも、これも間違いです。文が予測できるようになる、というのは、そもそも意味が分からないかもしれません。

でも、安心してください。これから1つ1つ、とても分かりやすく説明していきます。

そもそも、英語ができるとは?

まず、ここで「英語ができる」とは何かを定義しておきましょう。
なぜなら、多くの人がこの定義を誤解しているからです。定義を間違えると、せっかくの兆しを逆に捉えてしまう可能性があります。

では、定義します。

私が言う「英語ができる」とは、普通の英会話が「聞いて理解できる」こと、そして、自分の言いたいことを直感的に英語でアウトプットできる、つまり「話せる」ことです。

この2つです。とても分かりやすいですよね。

聞くことと話すこと、これはつまり「話し言葉」、つまり「口語英語」です。そして、これとは対極にあるのが「読む」「書く」、つまり「文語英語」です。

ここで具体的に説明します。まず、話し言葉の代表的な会話を少し流してみます。

今回は、皆さんがすぐに理解できるように字幕も付けています。今回はリスニング動画ではないので、字幕を見ながら聞いてみてください。

どうでしたか?代表的な文章をいくつかピックアップしてみます。字幕が付いているので、文の形式、つまり構造と動詞に注目してください。

I had an accident with the van.
I was wearing my seat belt.
No one was hurt.
But I think we(‘re) gonna need a new van.
I had a problem with the steering wheel.
The steering wheel broke?
It came off.

どうですか?
知らない単語はありましたか?文法的にわからない部分はありましたか?
使われている動詞は、have、wear、be動詞、need、try、turn、broke、come。すべて一音節の非常に簡単な単語です。

そして、文の構造も「誰が・どうする」「誰が・どうする・何を」、もしくはbe動詞を使った「誰が=○○だ」というパターンです。非常にシンプルです。しかし、ここに問題があります。もうお分かりですよね。

そう、真の問題は、これらの単語が簡単であるにも関わらず、聞き取れなかったり、意味を推測できない人が多いということです。これが「話し言葉」、つまり「口語英語」です。

では質問です。仮に字幕なしで今の会話を聞いたとき、この会話が100%理解できますか?多くの方が「できない」と答えると思います。

英語の知識がある方でも、「なんとかできるかな」と思う程度ではないでしょうか?
仮に聞き取れたとしても、次の質問をします。

自分が似たような状況に遭遇したとき、今の登場人物と同じように瞬時に自分の思ったことを英語で表現して会話することができますか?

おそらく、さらに多くの方が「できない」と答えるでしょう。これが「話し言葉」、つまり「口語英語」の課題です。

ここからが重要です。私が言う「英語ができる」というのは、このような「口語英語」が聞けて、話せる、つまり英会話ができることを前提にしています。

口語英語と文語英語の違いとは何でしょうか?
文語英語は時間をかけて読んだり書いたりするため、文章は長くなりがちです。熟語や関係詞などを使って、一文を長くすることが多くなります。そして、使われる単語も文語英語では難しいものが増えます。

どうでしょうか?
これは、私たちが学生時代に学んできた英語の授業の目的そのものです。知っている単語が多く、複雑な文法を学びます。読み書きがゴールなら、確かにこれも必要です。

しかし、「話し言葉」、つまり「口語」はどうでしょうか?
パッと思ったことを即座にアウトプットし、それを聞いて理解する。このように「話し言葉」は、単語、特に動詞が使い回され、文の構造もシンプルです。なぜなら、話し言葉は直感的に、瞬時に発せられるからです。つまり、使うべき要素は少ないのです。

さきほど「使える知識」と「知っている知識は違う」と言いましたよね?

「口語」では「使える知識」が重要です。つまり、使われる単語や文構造は少なくて済みます。会話も短い文を何度も繋げるシンプルなものになります。使う要素が少なくなり、何度も同じ要素を使い回すことになります。

これが「使える知識」、つまり体に染み込んでいる知識、いわゆる「英語脳」です。特に日本人は母国語が日本語という非常に特殊な言語です。他の国の人々は、英語と設計思想が似ていることが多いので、母国語に引きずられても大きな問題にはなりません。

そもそも、似ているからです。しかし、日本語は全く異なります。そのため、会話のために外国語を学ぶという行為自体が、最初からハンディキャップを持っているので工夫が必要なのです。

文語はもちろん共通点もありますが、基本的には逆です。求められるのは「使える量」ではなく「知っている量」です。

でも、ここは今やAIに任せれば良いのです。私たちは、コミュニケーションに特化した学習から始めれば良いのです。これがポイントです。

気づきましたか?
実は、私が動画のテーマを考えるときは、そのテーマが「話し言葉」に適しているかどうか、それだけを考えています。

だからこそ、過去のテーマも見てみてください。知識を増やすテーマはほとんど扱っていません。それは、「聞ける」「話せる」ようになった後に、「読み書き英語」が必要な人だけがやればいいからです。

まずは、「聞ける」「話せる」ための学習に集中しましょう。さきほども言いましたが、私の動画は皆さんを混乱させたくないので、「話し言葉」に特化しています。ですから、私の動画を中心に正しい学習を続ければ、必ず良い兆しが現れ始めます。

ということで、「英語ができる」ということの定義がはっきりしましたよね。このことが理解できたと思いますので、今から3つの兆候がどのようなものかを見ていきましょう。

①使う単語が簡単になる

では、まず1つ目の兆候についてお話しします。それは「使う単語が簡単になる」ということです。
「えっ、逆じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でも、実は逆なんです。単語は簡単になっていくんです。

実際に、さきほどの会話をもう一度見てみましょう。字幕を見ながらでも構いません。

どうでしたか?率直な感想を教えてください。

知らない単語はなかったでしょう。文法も難しくなかったはずです。

そうなんです。話し言葉というのは、私たちノンネイティブでも基本的に知っている単語で構成されています。これが話し言葉の特徴です。

つまり、話し言葉が上達する過程で、自然と使う単語は簡単になっていきます

ただし、注意が必要です。この兆候を逆に解釈する人がいます。「あれ、使う単語が簡単になっている。自分の英語力が落ちたんじゃないか」と思ってしまうのです。これは日本人にありがちなことです。

なぜなら、私たちは「知っている単語が多い=優れている、正しい」と錯覚するように教育を受けてきました。そして、多くの日本人はそのまま大人になっても、この信念に基づいて英語を勉強しています。

しかし、英語が上手な人は全く逆のことに気づいています。英語のインプット学習を正しく行っている人は、こういったことに気づくのです。「あ、問題は知識の量ではなく、使える知識になっていないことなんだ」と。

そのため、上達していく過程で、徐々に日本語に引きずられた英語から話し言葉、つまり口語風の英語になっていきます。そうなると、必ず使う単語が簡単になります。さらに、アウトプットの速度が大幅に早くなります。

私自身、英語学習者だった頃、とりあえず努力してそこそこの単語力はありました。それをよく覚えています。

アメリカ人と会計学のクラスで勉強しているとき、アメリカ人が「お金を使ってコストが発生する場合、財務会計ではなんて言うかな?」と聞いてきたことがあります。
そのとき私は「generate」や「incur」といった専門的な単語を即座に思い浮かべ、「generate cost」とか「incur costがいいんじゃない?」と言いました。するとアメリカ人から「ありがとう」と言われたのです。

その瞬間、「お、アメリカ人が思いつかなかった単語を出せた。俺ってすごい」と錯覚しました。

しかし、これは勉強では良いかもしれませんが、会話では必ずしも良いとは限りません。話すときには、動詞は「cost」で十分です。「cost」は名詞だけでなく動詞でも使えますからね。

でも当時は、会話では相変わらず文を考えるのに時間がかかっていました。考えているうちにトピックが変わってしまう。仮に頭の中で文にできたとしても、ぎこちなくて堅い英語になってしまう。あるいは、忘れる前に言わなければと焦る。こういった状態でした。

しかし、インプット学習を続けていくうちに、徐々に変化が起き始めました。使う単語が「have」や「get」、「take」、「put」、「make」といった基本的な単語に変わってきたのです。

最初は少し寂しさを感じましたが、リスニング教材や海外ドラマで英語を聞いていると、「ああ、これが会話なんだ」と納得でき、迷いはありませんでした。何よりもアウトプットの速度が非常に早くなり、直感的になってきたので、会話が続けられるようになりました。

これが、正しく英語を学んでいると最初に起きる現象です。「なんだ、自分、最近『have』とか『get』とか『take』ばかり使っているな」と感じた方、それは良い兆候です。今の学習を続けてください。

一方で、これに抵抗を感じる方もいるでしょう。私も最初はそうでした。頭でっかちでしたから。でも、これは良い兆候ですので、学習を戻さず、今の調子でまずは普通に会話ができるようになるまで頑張ってください。

②英作しなくなる

次に、2つ目の兆候は「英作をしなくなること」です。
この記事を読んでいる方の中には、「英会話が上手=英作文が速い」と思っている方も多いのではないでしょうか?

これは、日本人によく見られる誤解です。

まず最初にお伝えしますが、英作をしている限り、英会話のスキルは伸びません。
なぜなら、英作という行為そのものが、英語と非常に相性が悪いからです。英会話が上手な人は、英作をしていません。

ん?私が言いたいこと、伝わっていますか?

どういうことかというと、英作をするというのは、頭の中で日本語で考え、その日本語を英語に訳すというプロセスを指します。しかし、このプロセスが英語でアウトプットできない原因なのです。

なぜでしょうか?少し考えてみてください。
そもそも、日本語と英語は文を作る時の発想が全く異なる言語です。

今日は詳しく説明しませんが、文法だけでなく、会話において取り上げる対象も少し異なります。これが1つ目の理由です。

そして、2つ目の理由は、日本語で一度文を作るという行為自体が問題です。文を作る際、どんな文を作ろうとしますか?おそらく、1つの文の中に必要な情報をすべて詰め込もうとするでしょう。これは、英語でも日本語でも「書き言葉」の特徴であり、「話し言葉」には適していません。

つまり、日本語で書き言葉のような文を作り、それを下書きとして英語に訳そうとすると、どうしても文が複雑になり、単語も分からないものが出てきます。

英作をしている方の文は、見ればすぐに分かります。なぜかというと、辞書を引いて調べたと思われる単語が必ず入っているからです。特に、動詞や目的語として使われる単語に顕著です。もし、辞書を引いて漢字二文字+「する」という動詞(つまり、日本語の熟語)をそのまま英語に訳そうとしている方がいたら、残念ながら間違いです。多くの場合、知っている単語で同じことが表現できます。

「本当に?」と思うかもしれませんが、これが事実です。では、どうすればいいのかを簡単に説明します。

答えはシンプルです。

英語でアウトプットする際は、日本語から英作するのではなく、状況を俯瞰してその場面をそのまま主語と動詞でアウトプットするだけです。

これだけなんです。

少しイメージしにくいかもしれないので、具体例を考えてみましょう。これは、以前私がお手伝いした生徒さんの実例です。

その方は、次のような日本語を英語にしようとしていました。

「会社から辞令がおりて関西支社への転勤が決定しました。」

さて、皆さんなら何と言いますか?英作ばかりしている人なら、次のようなことを考えるかもしれません。

「辞令って英語で何と言うのかな?」
「『辞令がおりる』は?」
「『支社』はbranchで良かったっけ?」
「『転勤』は何て言うんだろう?」
「『決定する』って英語で何て言うんだっけ?受動態かな?」

おそらく、このように考えるでしょう。そして、直訳すると次のような英語になります。

I have received an official notification from the company, and it has been decided that I will be transferred to the Kansai branch.

どうでしょうか?
これはバリバリの文語英語です。これが言えたからといって、その人が英会話が上手だと言えるでしょうか?もし、そう思っていたなら、英会話が上手な人の秘密を理解していません。

さきほども言いましたが、日本語から英作するのではなく、状況を俯瞰して、その場面をそのまま主語と動詞でアウトプットするのです。

では、私が実際にやってみます。仮に私がどこかの会社で働いていたとしましょう。

まず、状況を俯瞰します。俯瞰するとは、上から眺めるようなイメージです。自分自身がその場面の登場人物の一人として見渡す感じです。

さあ、イメージできましたか?

では、この日本語で考えている文を場面に落とし込んでみましょう。おそらく、最初の場面は「ボスからメールをもらう」とか、「ボスが私に話しかけてくる」といった状況でしょう。そこで、ボスがこんな風に言うんじゃないでしょうか。「大山くん、君は来月から関西支社で働いてくれるかな?」と。

この場面を英語にするのはどうでしょうか?超簡単です。例えば、

ボスからメールが来たなら、”I got an email from my boss last week.”
あるいは、ボスに話しかけられたなら、”My boss talked to me last week.” これでも十分です。とても簡単です。

そして、実際に言われたことをそのまま英語にすれば良いのです。間接話法にする必要はありません。セリフそのままです。
“He said,” 「彼はこう言った」とか、”He asked,” 「彼はこう尋ねた」と続け、”You will work at the Kansai branch from next month.” あるいは、”Can you move to the Kansai branch from next month?” これで十分ではないでしょうか?

しかし、英作に慣れている方だと「辞令をもらった感じがここにはない」と思うかもしれません。

でも、それも場面で考えれば解決です。辞令が出たらもうそれに従うしかないですよね。だから、”I had no choice.”とか、”I couldn’t say no to him.”といった表現で「Noとは言えなかった」と言えば良いのです。

これが、英語が上手な人が淀みなく会話を作り出している秘訣です。知識量の問題ではなく、視点が違うのです。

英作能力を磨くのではなく、場面内の登場人物や物の動きを基に、そのまま主語と動詞で話し始めるのです。このテーマを深く掘り下げると、英語と日本語の言語論にまで話が及ぶので、今回はここまでにしておきますが、ざっくり言うとそういうことです。

これが、英作の呪縛から解放された人が話す英語です。そして、覚えていますか?1つ目の「使う単語が簡単になる」という現象。実は、英作をやめると自然にこうなります。

意識して簡単な単語を使おうと言っているのではなく、アウトプットの仕方を変えることで、自然にこうなるのです。

しつこいですが、最初は単語が簡単になることに抵抗があるかもしれません。特に、テスト勉強に最適化した学習をしてきた方は、このことが過去の自分を否定しているように感じ、元の学習方法に戻りたくなるかもしれません。

でも、さきほども言いましたよね。これが、実際にネイティブや英会話が上手な人が無意識にやっていることなのです。

③文が予測できるようになる(音以外の要素で聞こえるようになる)

3つ目の兆候は「文が予測できるようになる」ことです。

「えっ、意味がわからない」と思った方もいるかもしれませんが、少し待ってください。実は、この「予測」という行為は、普段日本語で私たちが常に行っていることなのです。

例えば、

「いやぁ、昨日ね、僕、ずっと欲しかった本があってね、本屋さんに***たんです。」
「僕は、この動画を通じて多くの人が英会話難民から抜け出してほしいと****。」

さて、この「***」の部分、どう思いましたか?「本屋さんに」ときたら、「行ったんです」とか「寄ったんです」と思い浮かべませんでしたか?
また、「英会話難民から抜け出してほしいと」の後には「思います」などが浮かんだのではないでしょうか?

どうでしょうか?少し聞き漏らしても、文脈から内容が理解できますよね。

これは、第二言語習得論などで「予測文法」と呼ばれている概念です。
その名の通り、特定の言語に慣れてくると、よく使われる言葉の組み合わせ、いわゆる連語やコロケーション、動詞と目的語の組み合わせなどが自然に予測できるようになるのです。

母国語では誰もがこの「予測文法」の達人です。そのため、多少聞き取れなくても、前後の文脈から内容を補完して理解しています。

しかし、英語ではどうでしょうか?
多くの人はこの「予測文法」の力が弱いのです。

なぜかというと、「文法=知識を増やすこと」と考えて、文法を別物として勉強しているからです。でも、さっきも言いましたが、「知っている知識」と「使える知識」は別物です。

「予測文法」は、まさに「使える知識」の代表例です。では、どうすればこのスキルを身につけられるのでしょうか?それは、インプット学習、つまりリスニング学習をしっかりと行うことです。これを続けていれば、自然に身についてきます。

ただし、注意が必要です。音を聞くときや文字を見るときに、文の構造や、文中で使われる動詞、その後に続く補語となる名詞、前置詞などにしっかりと注意を払うことが大切です。

そうすると、例えば「***」と言っている部分が聞き取りにくかったとしても、前後の文脈から「こうだな」と予測しながら聞き取ることができるようになります。
また、「***」と聞こえてきたら、その後に少なくとも主語+動詞の文が続くことを予測して聞くことができるようになります。

これが意味するのは、リスニングが音だけに頼らなくなるということです。

私の考えですが、耳の良さは普通の人とそれほど変わらないと思います。でも、この「予測スキル」が高いのです。それは、膨大なインプット学習をしてきたからです。

たまに、「インド人の英語が聞き取りにくい」という人がいますが、私はあまり困りません。なぜなら、音だけに頼らず、文脈から予測したり、聞き取りにくかった部分をつなぎ合わせて理解することができるからです。

このスキルは、実はリスニングだけでなく、アウトプット、つまり会話にも効果を発揮します。なぜなら、先読みができることで、自分の会話でも自然に言葉が出てくるようになるからです。

だからこそ、正しくインプット学習を続けている方は、実際に会話も自然と上達していきます。ネイティブとの英会話クラスを受けなくても、ある程度は確実に上達します。

むしろ、このスキルが身につく前にアウトプットばかりしていると、いつまでたっても英作ばかりで、会話が短くぎこちないままの人が多いのです。第二言語習得論の研究者たちが皆、インプットが重要だと言っているのも、アウトプットできるようになるためには、インプットが大切だということです。

ですから、丁寧にインプット学習を続けている方は、この予測スキルが少しずつ身についてきているのを実感していると思います。これをさらに意図的に効率よく鍛える方法もありますが、それについてはまた別の機会にお話ししようと思います。

まとめ

では、今日のまとめです。

今回は、「英語が1ヶ月後に急激に聞ける・話せるようになる3つの兆候」についてお話ししました。
英語が伸び始める人に現れる兆しとは、

使う単語が簡単になる
英作をしなくなる
文が予測できるようになる(音以外の要素で聞こえるようになる)

この3つでしたね。

おそらく、最初に聞いたとき「えっ?」と思った方も多かったのではないでしょうか?でも、これらがまさに英語が上達する兆しなのです。

だからこそ、今日の記事は、今正しい方向で学習している方にはぜひ知っておいてほしい内容です。なぜなら、このことを先に知っておかないと、兆候を逆に解釈し、学習を昔の方法に戻してしまう可能性があるからです。
でも、この記事を見てくださった方は安心してください。

今日の記事でも何度も言いましたが、「知っている知識」と「できる知識」は違います。話し言葉の学習は「できる」ことを目指す学習です。過去の記事も参考にして、ぜひ学習を続けてください。基本的に、ほぼすべての記事は話し言葉のために作っています。

しっかり学習してくれた方には、今日お話しした3つの兆しが「お、来た来た」と感じられる日が必ずやってきます。そう信じて頑張ってください。

今回の記事は、こちらの動画「英会話力が【1ヶ月後】に急激に聞ける・話せるようになる3つの兆候とは?この3つの前兆がある人は、英会話力がバク伸びします!」でも解説しているので、ぜひご覧ください。

それでは、次回の記事でまたお会いしましょう。

Bye guys!