大山俊輔
さて、久しぶりの読書レビューですが今回は漫画です。
それも、『ドクターストーン』。
ご存知でしょうか?
きっと、このページに来た方は友達から『ドクターストーン』オススメだよ。
とか、『ドクターストーン』ってどういう視点で見られているんだろう。
といったことが気になっていると思います。
実はこの漫画は少年少女たちだけに独占させておくにはあまりにもったいない!
むしろ、大人こそが、いやいや、会社経営をしている人から個人事業主まで、自尊自立で頑張る人たちにこそ読んでもらいたい!
そんな漫画なのです。
私はb わたしの英会話というスクールを9校運営する会社の経営者です。
ですが、この『ドクターストーン』に登場する様々な登場キャラたちに辛い時、そして、問題を解決しなければいけない局面で助けられてきました。
同じく会社の経営に携わっている私の妻も一度この漫画を見て以来、スッカリ主人公の石神千空ファンになってしまいました。
私の会社は渋谷にありまして、この界隈ではベンチャー企業で働く人間は『キングダム』がバイブルとして出回っておりますが、私個人的には『ドクターストーン』は『キングダム』以上に独立志向の人には役立つ漫画だと思っています。是非、このレビューを読んだら本屋さんかAmazonへGo!ということではじめます。
目次
『ドクターストーン』のあらすじ
原作:稲垣理一郎さん
作画:Boichiさん
主人公のひとりでもある大樹は高校生。
想いを寄せる杠に5年越しに告白しようとした時、突如謎の光が襲います。
これがきっかけに全人類が石となる怪現象により人類は滅びます。
この石化事件から数千年。もうひとりの主人公でもある石神千空は自力で石化を解いて復活します。
そして、同じく石化を解いた大樹とともに滅びた文明をゼロから再生する。
これが大枠のストーリーです。
その過程で、この石化を解くための奇跡の水を科学の法則で解明し、ここから仲間を増やしていきます。
ところが、仲間が増えればその過程で様々な思惑がでてきます。
ゼロから文明を再生したい千空に対して、文明が滅びたのは醜い大人たちであるのだから選ばれた人間のみを復活させて文明の再生を否定する獅子王司。
そして、滅びたと思われた人類ですが、実は滅びておらず小さな村落があります。
その人達の力を借りて科学文明と全人類の復活を目指そうとする千空。
こんな形でストーリーは様々な立場で進行していきますが、何が面白いかと言うとやはり文明をゼロから再興しようとする試み。
学生時代に学んだ様々な物理や科学の式がでてきます。ですが、それで作るのは、火薬だったり、抗生物質だったり、そして、電力だったり・・・。
今、こうして身近に使っている文明とはかくももろく、そして、先人の知恵の蓄積の集大成を私達は受け継いできた受益者であることを痛感せざるを得ません。
『ドクターストーン』が中小・ベンチャー関係者におすすめなところ
漫画が楽しくあるべきなのは言うまでもありません。
ですが、それ以上に、この漫画がオススメなのは中小・ベンチャーではあたりまえの3つの概念を体現しているからです。
その3つの概念とは下記のとおりです。
- 1つ目はゼロ・トゥ・ワン(0から1)
- 2つ目はDo it yourselfです。
- 3つ目は誰にでも活躍の場があることを思い出させてくれる
ゼロ・トゥ・ワン
1つ目のゼロ・トゥ・ワン。
ピーター・ティールの同名の書籍でも有名になりましたが、大企業と違って中小・ベンチャーは何もかもが手探りです。
暗闇の中で落とし穴のあるような場所をジャンプしながら前に進んで、新しいものを作っていかないとサバイバルできません。
そんな時に役立つのがこの『ドクターストーン』の千空率いる科学王国の面々。
作中でも、普通に水酸化ナトリウムや塩酸を合成したりしますが、かならず注意書きで「やっちゃだめだぞ」と書かれています(笑)。
でも、この子供の頃のやってみたいという気持ち。これがベンチャーや中小企業が大企業と異なる所以です。
私達が身近に使ってたあの製品、例えば、レコードやスピーカー、がこうやってプロトタイプが作られてたんだということが山程登場します。
このリアル感は他の漫画には出てこないなぁと思います。
Do it yourself
2つ目のDo it yourself.
ゼロ・トゥ・ワンと同じく中小・ベンチャー企業では誰もお膳立てしてくれません。
私も大手証券会社からベンチャーに転職した初日にやったことが自分のPCをビックカメラに買いに行って(もちろん、自分で経費精算)そして、自分で設定することでした。
多分、大企業で働くことに慣れてる人ですとこれだけで辞めてしまうかもしれません(笑)。
ドクターストーンでは自分が当事者になって様々な問題を解決するシーンがこれでもかというくらい登場します。
特に感動するのは、当初、原始人と思われていた石神村にいた少年クロムや技術者のカセキ。
千空に基本的な仕組みを教わると、試行錯誤しながら自分で水車を作ってしまったりします。とにかく、自分で失敗しながらやってみる。
この事の価値とそして楽しさを存分に教えてくれる漫画です。
大企業や官公庁で全部揃って自分で何もしなくても回ってしまってることに飽きている方。
是非、中小企業やベンチャー企業に飛び込む前に、『ドクターストーン』を読みながら疑似体験してみてください。
誰にでも活躍の場がある
最後の誰にでも活躍の場があることを思い出させてくれるという点について。
文明とは、すべての時代に生きたすなわち様々な人達の集合知といえます。
体力のある人間、知力のある人間、職人として技術のある人間。
すべての人間が文明の発展には必要ですし、どれか一つ欠けてしまっても文明の維持はなりえません。
実際、千空ははじめに復活しますがいかんせん体力不足。
ですが、体力バカの大木 大樹が復活することで、一気に生活基盤を整えて実験室を作ったりすることができるようになります。
すべての人間が生まれてきたのは、それなりの理由がある。
それぞれを尊重し、それぞれが活躍する場を提供できる会社、国が発展するということでしょう。
もちろん、そうは言っても、その予算や知名度がないのが中小企業やベンチャーの辛いところですし、それを乗り越えることが醍醐味とも言えますね。
『ドクターストーン』の今後の展開について
現在も本作は継続中で、私も単行本で購入しながら追いかけています。
私は、ジムのトレーナーの川村先生(松坂世代で今もこよなく少年ジャンプを愛する)に勧められて騙されたと思いながら読みすすめるうちに大ファンになってしまいました。
そして、同じくベンチャー企業で働く妻も今では千空のファンに。
現在は、科学王国と司帝国との戦いは集結し、司帝国の人材は科学王国に統合され復活させられた人類一丸で文明の復活に向けて進んでいます。
人類数十万年の歴史をわずか数年で一気にキャッチアップするというストーリーは、学生時代に科学や物理に興味のない人でも楽しみながら一気に読みすすめることでしょう。
もし、中小企業やベンチャー企業で働いていて時々大企業や官公庁に少しいいなーって思うことがある人がいましたら、是非、この漫画を読んでみてください。忘れかけていたゼロ・トゥ・ワンとDo it yourselfの楽しさを思い出せるかもしれません。
それでは、今日はこのあたりで。
本当に漫画って素晴らしいですね。
ハビットマンShun