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コロナショック〜フランク・ナイトの「リスク」と「真の不確実性」

フランク・ナイト

ハビットマン/大山俊輔

こんにちは。大山俊輔です。

ジムで仲良くなった社長さんから小売・飲食の店長さん、そして、タクシーの運転手さんと話しているとかなりヤヴァい数値が聞こえてきます。

・ 今月の売上いまのところ対前年比6割減です
・ うちは、もうちょっとマシですが3割減です
・ 業界中堅の・・・がやばいらしい
・ この半年は一切設備投資はだめですよ

こんな感じです。

当然、うちだって影響出てますよ。
とはいえ、昨年どうも安倍首相が財務省に負けて増税しちゃう匂いがプンプンしていたので、先立って冬ごもりの準備してました。残念ですが予言的中で、日本経済はコロナちゃんにやられる前に増税で自滅してたので結果、半年以上前から動き始めてて正解でした。

で、ですよ。
今の所各国のコロナウィルスに対しての経済対策はこんな感じです。

やっぱアメリカすごい。桁が違います。
そして、今までケチケチブリュッセルのEU官僚に緊縮財政されてたEU諸国も結構動き始めてます。

それに翻って我が日本。
いけてなさすぎる。。。。。

一応、セーフティーネットの拡充だったり各省庁のレベルで出来ることは頑張ってやってくれてはいますね。現場が現行法の範囲で出来るのはここまででしょう。

ただ、これって、台風だったり洪水の時の被災地で使うパッケージなんですよね。つまり、平時の中のちょっとした災害での対応の延長線なんですよ。

ですが、今回のコロナショックっていかがでしょう?まさにフランク・ナイトがかつて言った「真の不確実性」が顕在化した瞬間でしょう。だって、昨年12月時点でこうなることを想定してた人いませんよ。

フランク・ナイト- 危険・不確実性および利潤

<strong>ナイトの「真の不確実性」とは?</strong>
経済学者のフランク・ナイトは著書「危険・不確実性および利潤」においてどのような確率で事象が起きうるのかを2つに区分しました。

・リスク (Economic Risk) – 確率分布(probability distributions)を推測できる不確実性
・真の不確実性 (Uncertainty) – 確率分布を推測することが不可能な不確実性

わかりやすく言うと確率分布とはどんな感じで起きうるかが過去の経験からだいたい予測できちゃうものです。例えば、

・ 台風がどのくらいの確率で本州に上陸するか
・ 一般の人がガンにかかって入院して死ぬ確率
・ 交通事故にあう確率

こうして並べるとわかりますが、既に人類がある程度経験しちゃっていて確率がわかるものですね。つまり、保険商品になってるものはほとんどがこのリスクに該当します。


 

一方で、真の不確実性とはどうでしょう?
確率分布を推測することが不可能な不確実性。

つまり、アクション系やパニック系の映画のネタになるような誰もが推測していない出来事です。

例えば、

・ 『日本沈没』のように日本中が地震で同時に壊滅する
・ 映画『インデペンデンス・デイ』のように宇宙人が攻めてくる
・ 映画『ワールド・ウォーZ』のようにゾンビウィルスで世界中が大変になる
・ 世界中の指導者が謎の地底人に操られて第三次世界大戦がはじまる

こんな感じです。

昨日、久しぶりにお会いした某不動産会社の社長さんはリーマン・ショックで以前働いていた会社が破綻しました。(そこから復活するのはさすがです)

ですが、彼はこんなこと言ってましたよ。

リーマン・ショックは今思えば、その前のアジア通貨危機やその前のバブル崩壊と一緒である起こることが読めた。だめになったのは自分が欲に目がくらんだからだ。でも、今回のコロナショックは今までと違う。

はい、そうなんです。
このコロナショックこそ、ナイトの言うところの「真の不確実性」が顕在化した瞬間なんです。

では、こんな時、人々はどうするでしょう。
かつてのFRB総裁だったアラン・グリーンスパンはナイトの真の不確実性を引用してこう言ってます。

アラン・グリーンスパンアラン・グリーンスパン

「不確実性、とくにナイトの不確実性に直面すると、人間はいついかなる時でも、中長期的な資産から安全で流動的なものへのもちかえを図るものであります。」(2004年1月)

そうなんです。
こういう時は最悪を想定して企業も個人も「キャッシュ・イズ・キング」になっちゃいます。

では、真の不確実性が顕在化した時の対処法の鉄則ってなんでしょう?

今までの、細かなことは一旦棚上げして持てるリソースを出し惜しみせずすべて投入して場当たり的でもいいから全力で対応する。

これが答えだとナイトは言っています。

アメリカ、ヨーロッパの指導者の使う金額を見てください。
数十兆円から100兆円クラスの金額ですね。
多分、もっと増えますよ。

そして、注目すべきはケチケチユーロ圏。

ついにブリュッセルの傲慢な緊縮官僚を駆逐するチャンスとばかりにナイトの真の不確実性を持ち出してお金を使う方向になってます。

これですよ。これ。
これが、私が1月時点で日本政府にやってほしかったことなんです。

コロナ債による財政政策 コロナウィルス騒動は日本を内需主導・脱外需依存型経済に戻す大チャンス

残念ながら、今のところ日本は真逆にケチケチ、”Too little” “Too late”の様相を呈しています。このままいくと、日本は金融政策もショボ、財政政策はもっとショボ。結果として、リーマンショックのときと同じく、大恐慌の上に円高という展開が待ち受けてるかもしれません。

一抹ののぞみは、自民党内にもこんな声があること。

極めてまともなんです。ただ、私、今まで何度も歴史の長い日本型の大きな組織を見てきましたが基本失敗するんです。大組織内のまともな人の意見は抹殺されます。

残念ながら。

とはいえ、言われてることは経済学的にもまともだし、世界のトレンドにも合致しています。安藤さんはじめこうした有志議員が離党覚悟で今後行動取るならちょっとだけ期待します。でも、離党する根性なく、ただ、正論だけ言ってたら駄目ですよ。別に離党なんて大したことないですよ。かたや、日本津々浦の社長さんは今、本当に生きるか死ぬかで走り回ってるんです。それと比べりゃ、楽勝です。

ちなみに、日本型大組織のこうした弱点はここでまとめてます。
私はこれを日本病と名付けたいと思います。
日本とジグザグ型変化 日本人とジグザグ型進化(マクロデザインVSミクロ最適化) ウィルスよりさらに怖い – バシー海峡、消費増税、コロナウィルスに共通する日本病

本来の民主主義の目的とは革命を伴わないレジームチェンジです。
いちいち革命して、王様の首をはねたりしてたらレジームチェンジできたとしても、犠牲が多すぎます。だからこそ、国民一人一人が国を護る覚悟で投票して、正しい政治家に権力を与える。これが趣旨のはず。賛否両論あれど、トランプさんやボリス・ジョンソンが選ばれるのはアメリカやイギリスの強さでもあるんです。

一方日本の大組織はどうでしょう?残念ながら組織が大きくなると陳情するやつ、声のでかいやつに負けてしまうんです。結果、少数の能力の低いノーメンクラツーラに全体が道連れにあってしまいます。

私は今回のコロナは日本を変える福音になると思ってます。

ただ、残念ながら今までの日本の歴史の常道をたどるとすると、一旦、現場が崩壊するまでこの状況が悪化することを通じてノーメンクラツーラですら、もうどうしようもなくなったとき、はじめて動くのです。

JALが破綻して再生するときも、ギリギリまでノーメンクラツーラたるOBはゴルフ会員権削られるの反対したでしょ?あれこそが、「ザ・ノーメンクラツーラ」です。でも、最後はそれどこじゃなくなって破綻してそこから一気に再生がはじまりました。ただ、そこまでグダグダ日本型大組織は中途半端に体力あるから続くんです。

となると、先の大戦になぞらえるとまだ今は東京大空襲前後でしょうか。まだ、余力がちょとあります。残念ですが、もうちょっとグダグダが続きそうです。。。。

この予想は以前こんな感じでゆるーくまとめてます。
玉川区役所オブ・ザ・デッドとコロナウィルス 日本はコロナとの戦いを『玉川区役所 OF THE DEAD』的解決を目指すが、経済との戦いで一人負けする予感・・・・

大山俊輔