こんにちは。大山俊輔です。
平成の1月もこの平成31年が最後。
 
 
今日は徒然もなく思ったことなんですが、分母論。
これをテーマに書いてみます。
 
 
日本人って日本人論が大好きだと思います。
すぐ、他国との比較をして、
 
 
「日本も○○改革を行うべきだー」
 
 
って騒ぐ大学教授やテレビのコメンテーターがいます。
そして気づけば、そのたわごとが実際に国の政策から企業統治論にまで落とし込まれてしまう恐ろしさ。
 
 
自分が社会人になったのは2000年。
なので、バブル崩壊にはじまり新聞やニュースでさんざんこの議論を聞かされてきました。
代表的なのは、ROE改革、ありもしない財政危機騒ぎによる増税騒ぎ、そして、最近だと働き方改革。
 
 
私自身も実は改革やってます。
 
 
それは肉体改造改革(笑)。
あるいは、自社の成長を通じた諸経営指標の改革。
 
 
でも、私の改革は前者と考え方が違うんです。
そのキーワードは、改革の対象が分子なのか分母なのか
 
 
そこで、今日は分母を削るのが好きな日本人、ということで書いてみました。
 
 

分母改革で悪化する日本

 
 

労働生産性は働き方改革じゃ変わらない

いつもニュースを見ていてうんざりするんです。
実際に仕事をがっつりしたこともなさそうなコメンテーターや上下の調整しかしたことのなさそうな経団連のいちおう偉いと言われているおっさんたちが、
 
 

やれ、

 
 

「日本とアメリカのサービス産業における労働生産性は倍近く日本が負けている」
「いまこそ、日本は働き方改革を通じて労働生産性をあげるべきである」

 
 

など、言ってやがるんです。
おととい来やがれですよね(笑)。

 
 
実際、こちらの図を見ていると確かに日本のサービス業界はアメリカのそれと比べて労働生産性は半分程度です。

 
日米労働生産性の差
出典:
http://www.sankeibiz.jp/business/photos/161212/prl1612121102033-p1.htm
 
 

でも、ちょっと待ってください。
 
 

まず体感的な話から入ります。

 
 
果たしてアメリカのサービス業界の人は日本の人の倍効率よく動いてますか?
そんなことないですよね。
 
 

はたまた、アメリカはとてつもないIT化により労働生産性が高いのでしょうか?
とてもじゃないですが、アメリカと日本のセブンイレブンを見ているとそれはあてはまらなさそうです。

 
 
今でも、シリコンバレーのお膝元のサンフランシスコですら電車に乗るときのカード(SUICAのようなもの)は日本の自動販売機の数倍はありそうな超巨大な機械で現金でしか購入できません(笑)。
 
 

実際私達の会社では日本人だけでなく、数多くのアメリカ人も働いてますが
別にアメリカ人スタッフが日本人の倍の速度で仕事を処理している姿を見たことはありません。

 
 
これが体感的なところから感じる違和感。
 
 

となると、気になるのはこの労働生産性とやらの定義です。
実際、ざっくばらんに定義をするとしたら、

 
 

労働生産性 = 付加価値/労働投入量

 
 
となります。

 
 
となれば、労働生産性を上げるには「付加価値をあげる」か「労働投入量を減らす」かのいずれかとなります。
そして、日本ではこの労働生産性の議論に限らず、「分母を削る」ことばかり考えてしまうのです。

 
 
ですが、実際、バブル崩壊前までは日本の労働生産性はかなりの勢いでアメリカに追いつき、製造業など一部では上回りはじめていました。
そして、その後、90年台後半以降また差は開き始めたのです。

 
 
その日米の違いはなんでしょう?
 
 
別にアメリカ人が覚醒したわけじゃありません(笑)。
 
 
それは、分母である付加価値が増加したか否か。
付加価値とはGDPとほぼイコールです。
 
 
ちなみに、労働生産性とGDP成長率の「相関係数」は「0.96」で圧倒的に高いものになります。

 
 
こういう事を言うと、「それでは、働き方改革は必要ないというのか」という声が(ほとんどは、それで飯を食ってるコンサルのような人でしょうが)聞こえてきそうです。
 
 
でも、大事なことは本質です。

 
 

ダイエットと筋トレ同時進行はアクセルとブレーキを同時に踏むようなもの

身近な話ですが私自身の体質改善(改革)。
2017年の5月にスタートした週2回の本格的なトレーニング。

 
 
最近ではベンチプレスもスミスですが150kgまであげることができるようになりました。

 
 
では、体重はどうなったかって?
実は少し増えました。といっても、67kg→69kgくらいですが。

 
 
実ははじめは体脂肪率を落とそうと思ってダイエットしてたんです。
朝は果物、昼はチキンブレスト、夜は納豆、みたいな。

 
 
でもそうするとそもそもベンチプレス上がりません(笑)。
栄養が足りないからです。

 
 
で、今はしっかり食事もとっています。
そして、筋トレをして重量が上がるようになり基礎代謝もあがりました。
自然と体型は整います。

 
 
では増えた体重はといえばおそらくそれは筋肉でしょう。
筋肉の方が重いですから。

 
 
これって先程の働き方改革の話とは逆ですよね。
むしろ、指標を良くするためにはトレーニングを増やしていますが同時に食事量も増えています。

 
 
確かに筋肉量(体脂肪率)を改善しようとすれば、式は、

 
 

筋肉量/体重

 
 
の式ですので、一見、体重を減らすのもチョイスの一つに思えます。
ですが、基本、分母を削るやり方はうまくいかないのです。

 
 
なぜなら筋肉量を一定に体重だけ落とすことはできませんから。

 
 

ROEを改善するために株主資本を削る?

 
 
さて、また、分母論に戻りますが90年台後半。
私が大学生の頃、ROE改革という言葉がはやりました。

 
 
いわく、

 
 

「日本の会社はアメリカの会社と比べて株主還元が低い=ROEが低い」
「だから、今後はROEを上げるべきだ」

 
 

って。

 
 
この頃私は証券会社で働いてましたが、当時流行ったのが自社株買い。
なぜなら、ROEの定義はざっくばらんに書くと、

 
 

利益/株主資本

 
 
なので、利益を増やすか株主資本を減らすかなのです。
自社株買いをすれば株主資本が減る分、確かに、同じ利益でもROEは改善します。
でも、実はその分現金が会社からなくなってます。

 
 
これって、会社のリスクを増やしている(レバレッジを増やしている)とも言えるわけです。
当時、自社株買いをしまくった会社でその後、うまくいった会社が少ないことを見ても表層的にROEをあげるための自社株買いが会社を良くするとは単純にはいえないでしょう。信じられないほどキャッシュを持ってる羨ましい会社でしたら別ですが。

 
 
会社で言えば、コスト削減も大事ですし、D/Eレシオも大事ですがその前にまずは成長して売上を増やしておかないと
削るものもない中で筋肉となるものまで削ってしまいむしろ指標を悪化させてしまう。

 
 
という悪循環に陥ってしまいます。

 
 

そろそろ、もっとマクロで物事をみよう

 
 
はじめの話に戻りますが日本人って日本人論が好きです。
同じように、こうした指標を他国と比べて評論するのも好きだと思います。

 
 
でも、その後の解決策となった瞬間、マクロから解決する方法を考えるより急にミクロに細かな議論をすることが好きです。

 
 
もちろん、働き方改革、自社株買いといった話にはそれに伴う仕事が発生します。
官庁がそうした部局を作ったり、コンサルが営業攻勢を仕掛けて本質的でない解決策に膨大な労力を投入します。

 
 
その結果日本ってどうなったのでしょう?
 
 
労働生産性はますます悪化しました。
あたりまえです。労働投入量が多少減っても、それ以上にGDPが伸びないのですから。

 
 
企業のリスクも増えました。
当然です。自己資本が薄くなった分ちょっとしたショックに耐えられなくなったのですから。

 
 
私がアメリカに住んでいた1999年~2000年の時期からこの18年でアメリカのGDPは約2倍に成長しています。
日本はほぼ550兆円前後をフラフラしています。

 
 
日本の最大の問題はマクロ政策を日本がミスったことでしょう。
 
 
経済で見ると、かつてのプライマリーバランス論や構造改革などもそうですし、今回のテーマとした働き方改革も全ては分母を削る行為です。
基本、分母を削る分、分子であるGDPなどは増えない、あるいは、増える速度を著しく落としてしまいます。

 
 
うちの会社もサービス産業に属しています。
私達の会社の労働生産性をアップする手っ取り早い方法。

 
 
それは、毎年少しずつお客様からいただける額を増やしても大丈夫な経済環境になることです。
そうすれば、同じ人間の同じ仕事であっても自然と労働生産性は改善します。

 
 
もちろん、うちはIT投資もかなりやってるので実は分母側もそれなりに改革してますけどね。

 
 
私も43歳。
そろそろ、もう一回アメリカ行った時に、

 
 
「アメリカ、物価安いなー」

 
 
って思えるくらいに日本をもう一回成長させることに貢献したいものです。

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