新宿西口私の志集
 
 
こんにちは。大山俊輔です。
12月も後半に入りました。
 
 
世間ではクリスマスで盛り上がっていますが、実は12月は私はあまり元気じゃない月。
なぜなら英会話スクールはじめ自分磨きというのは、12月が一番動きが鈍い月だから(笑)。
そのかわりに1月はすごく人が動く。新年の抱負だからでしょう。
 
 
というのが毎年の流れなのですが、今年は12月に入ってもそこそこ人の動きは続いています。
11月が少なかったので、その反動かも。
 
 
さて、そんな12月は毎年恒例で種まきとなることに時間を使います。
目先の売上につながる業務に時間をかけるよりは、未来につながることに時間もお金もかけるほうがはるかにROIが高いから。
主に人の研修や、トレーナーとなるスタッフ向けのツール類の開発やアップデートがメインとなるのも12月。
 
 
そこで、私自身も忙しく12月は各スクールに行ってはスタッフ研修に明け暮れていました。
 
 
そんなとある12月のある日。
私はb わたしの英会話の新宿スクールでスタッフ研修をしていました。
 
 
新宿スクールは2008年にオープンして、それから4年近くの間私も1スタッフとしてシフトにも入っていたスクール。
今は研修やパソコンが壊れたと呼び出しがあったときに伺うくらいなので、月に数回立ち寄るかどうか。
 
 
そんなトレーニングが終わって渋谷のオフィスに戻るときにふと思ったんです。
 
 
久しぶりに冬子さんから詩を買ってみようと。
 
 

冬子さんとは

ここで冬子さんと言われてすぐにぴーんと来た人は新宿西口に詳しい人だと思います。
 
 
私達のスクールは新宿西口の小田急ハルクの裏にあります。
そこから、ユニクロ側に渡ってガード下を歩いて小田急百貨店横の歩道橋下に「私の志集」とかいたプラカードを下げた女性が立っています。
 
 
視線を合わすまいという気遣いかどこか空を見るような眼差し。
無表情に立ちすくむその姿をご存知の方は多いかもしれませんが、実際に話された方は少ないかもしれません。
 
 
彼女の名前は冬子さん。
職業としてカテゴライズするのは難しいが街頭詩人とでも呼べばよいのでしょうか。
 
 
多くの人がおそらく目が合わないように避けて通ると思います。
うちのスタッフもそう言っていました。
酔っぱらいの多いエリアですが、なぜか、冬子さんの近くを通るとそんな酔っ払いたちも背筋が伸びて見て見ぬふりをしながら通り過ぎていきます。
 
 
多くの人に近寄りがたい存在感を放つこの女性。
実は、私は自分の中にひっそり眠る願望を実現していることにちょっとしたあこがれがあったのかもしれません。
 
 
今はひょんなことから会社の経営をしていますが、もともとは、世界史好きであり生き物好き。
子供の頃はファーブルに憧れ、そして物心がついてからは、三国志の曹操や大久保利通、そして、ブログでも紹介したハンニバル・バルカといった歴史上の人物に思いを馳せる日々でした。
 
 
もし、自分がサラリーマンとしてキャリアをスタートしその後、会社経営者になるという道を選ばなかったら・・・。
それは、誰にも自分の生き方を干渉されずに己の行いたいことを極める人生。
そう、自分はどちらかといえばオタク肌の人間。
 
 
理想の人生は「沖仲仕の哲学者」とも言われたエリック・ホッファー。
 
 
私が以前、彼女とお話したのは多分2010年頃。
まだまだ会社を立ち上げて間もなく、人やらお金の問題も山積の時期になんとなく話してみて詩を購入しました。
そして、8年経過した2018年の12月。研修を終えて、なんとなく、
 
 
「今日は久しぶりに詩を買おう」
 
 
そう思って、話してみました。
 
 
「詩をください」
 
 
冬子さんの詩
 
 
そう言うと、冬子さんは「詩集 第六十号」という詩を取り出してくれました。
タイトルは、「逃亡」。
 
 
なんか戦いモードだった私は、タイトルがひっかかって、
 
「もう1つください」
 
と伝えると、もう一つ「五十九号」を取り出してくれました。
 
 
そのタイトルは、「求め尽く」(笑)。
私はまだまだ悪あがきをしたいお年頃です。
 
 
そこで詩を購入してから、冬子さんのことをもう少し知ってみようと思い自分は10年ぶりに冬子さんといろいろ話してみました。何故か通り過ぎる人の殆どが、我々があたかもいないように視線をそらしているように見えます。
 
 
話していて思ったのは、自分自身のひそかな願望。
結局のところ冬子さんのように誰にも干渉されず、自分の信じることをひたすら続けてきたこの人生と、不器用ながら会社を経営している自分を重ね合わせたくなったのだと思います。
 
 
私が起業したキッカケも突き詰めて考えると自由がほしいから。もちろん、サラリーマン時代のように上司に口出しされる不自由はなくなりました。が、経営者になるというのは社員の人生も背負ってしまいますし、お客さまに対しても責任を持ちます。結局のところ、背負うものは増えて自由は減ります。
 
 
自由になったはずが、かえって重たくなった。
もちろん、自分が望んだ人生ですからこれでいいんです。
ですが、たま~に冬子さんのような選択をした人と交流したくもなるのでしょう。
 
 
私が知っているだけでも10年以上。
いろんなブログで調べてみると1984年頃からすでに出没していたそうですので、2018年現在で34年は続けていると思われます。
凄まじい継続力です。
 
 
続けること自体がすごいですが、
その事自体に対して誰からの評価も称賛も求めていない。
 
 
冬子さんは極端かもしれないけど、あの圧倒的な存在感は
自分が大事なものを忘れて短期的な報酬やフィードバックに振り回されている時、
何が本当に大事なのかを思い出させてくれます。
 
 
次に詩を買うのはいつになるだろう。